


峠駅から米沢駅側は、ひたすら下りとなる。峠駅の1つ先の大沢駅もスノーシェッド内の駅だ。峠駅や板谷駅のように明確ではないが、スイッチバックの遺構が残っている。4駅に残るこうしたスイッチバックの遺構などは、1999(平成11)年5月に「奥羽本線板谷峠鉄道施設群」として産業考古学会の推薦産業遺産として認定された。
推薦理由は「奥羽山脈の急峻な峠を越えるため、スイッチバック停車場を4カ所連続させ」加えて「広大な防雪林を造営するなど、東北地方の日本海側地域開発にとって記念碑的な鉄道遺産である」こと。この路線が歴史的に重要であり、国内の鉄道遺産としても貴重であるという学会から“お墨付き”をもらったわけである。
大沢駅を過ぎると、右に左にカーブを描きつつ列車は下っていく。田畑が見え集落が広がると関根駅へ着く。
この関根駅の次が米沢駅。この区間は米沢盆地の開けた区間となり路線もほぼ直線となる。険しい福島駅~関根駅間が複線なのに、関根駅~米沢駅間のみ単線となる。
米沢駅の先、赤湯駅まで単線区間が続く。よってこの区間で列車に遅れが生じると、対向列車まで影響を受ける。米沢駅~赤湯駅間も米沢盆地内の平坦な土地なのに、この米沢盆地内のみ単線区間が残ることに、少し疑問が残った。
帰りにもこだわり、4時間ほど米沢周辺で時間をつぶして、福島行き普通列車に乗車した。逆からたどる山岳路線も味わい深い。峠駅を過ぎると、福島市内までひたすら下り続ける。普通列車とはいえ標準軌ならではの安定した走行ぶり、快適な乗り心地が心に残った。
米沢市の玄関口・米沢駅。江戸時代は上杉藩の城下町として栄えた。現在は人気ブランド米沢牛の生産地でもある。駅2階のおみやげ処でも米沢牛関連商品が販売されている。
excite ニュースより記事を抜粋