





その「宇宙の絶景」とも言える画像はさまざまなメディアで紹介され話題になりましたが、その中の一つに「ステファンの五つ子銀河(Stephan's Quintet)」があります。
ステファンの五つ子銀河は、ペガスス座の方角に見える近接した銀河の集まりです。五つ子と呼ばれてはいますが、物理的に結び付くほど実際に近接しているのはそのうちの4つ(NGC 7317、NGC 7318A、NGC 7318B、NGC 7319)で、残りの1つ(NGC 7320)はたまたま同じ方角に見えているにすぎないと考えられています。
距離を測定してみると、前者の4つの銀河までの距離は約3億光年であるのに対して、後者の1つの銀河までの距離は約4000万光年で、ずっと地球に近いことから、前者4つと後者1つは実際には離れていることがわかります。
ステファンの五つ子銀河を撮影したのはウェッブ宇宙望遠鏡が初めてではありません。過去にはハッブル宇宙望遠鏡も撮影を行っています。
ウェッブ宇宙望遠鏡の主鏡(直径6.5m)はハッブル宇宙望遠鏡の主鏡(直径2.4m)より大きいものの、赤外線の領域での観測に特化しています。そのため、可視光線で捉えることができるのは波長が長いオレンジ色のあたりまでで、波長が短い青色を捉えることはできません。
ハッブル宇宙望遠鏡はウェッブ宇宙望遠鏡ほどには赤外線を捉えることはできませんが、可視光線の青色光だけでなく、紫外線の領域まで観測することができます。
だとすると「ウェッブ宇宙望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡の観測データを組み合わせることで、より幅広い色調(波長)の画像を作成することができるのではないか?」と考えたくなります。実は右に掲載した画像が、まさにそのようにして作成された画像なのです。
右の画像ではステファンの五つ子銀河のうち、物理的に結びついている4つの銀河を含む領域が捉えられています。画像の作成にはウェッブ宇宙望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡だけでなく、ハワイにある日本の「すばる望遠鏡」が撮影した画像も含まれていることから、「ウェッブ&ハッブル&すばる」望遠鏡による画像、ということになります。
soraeより画像と記事を抜粋
