
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が2022年7月に撮影した海王星の画像は、1989年に探査機「ボイジャー2号」が海王星に接近観測して以来、過去約30年間で最も鮮明なものだ。海王星の細い複数の環もくっきりと見える。海王星は青いイメージがあるが、これは海王星の大気に含まれるメタンが青い光を反射し、赤い光を吸収するため。今回、JWSTの近赤外線カメラ「NIRCam」は近赤外線領域で海王星を撮影しているので、その近赤外線がメタンで吸収されることにより全体が暗く写っている。
但しメタンの氷で構成される高高度の雲の部分は、近赤外線がメタンガスで吸収される前に反射されるので明るく見えている。また、赤道部分がわずかに明るくなっているのは、海王星の赤道部分で大気が下降して温められている様子を見ている可能性がある。
画像には海王星の衛星14個のうち7個もとらえられている。特に窒素とメタンの氷に覆われているトリトンは太陽光の約70%を反射していて、海王星に比べてはるかに明るく見えている。トリトンと海王星は来年改めてJWSTで観測が行われる予定。
アストロアーツより記事を抜粋
