


この2枚の画像は、JWSTが備えるNIRCamと称する近赤外線カメラを使い、異なるフィルターで撮影した複数の画像を合成して仕上げられている。特に広視野の画像では、大きく左の端に第5衛星アマルテアが、うっすら見える木星の環には第15衛星アドラステアがいる。我々の知っている木星は赤茶けた縞模様のガス惑星で、大赤斑が特徴だが、今回の画像がそうではないのは、JWSTが赤外線でものを見ているからだ。
もう1枚のクローズアップ画像では、3種類のフィルターを使って極域のオーロラを際立たせるとともに、多数の明るく白い「点」や「縞」が、凝縮した対流による嵐の非常に高高度な雲の頂を示しているとのことだ。
通常、JWSTが撮影した画像データは、ボルチモアにある宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)が担当しているが、今回の画像はカリフォルニア州モデストで活動する市民科学者のJudy Schmidt氏が処理、合成したものだ。また広視野画像のほうはスペイン・バスク大学の研究者Ricardo Hueso氏が共同で作業した。
JWSTやその他の撮影データは一般に公開されており、必要な処理を施すことができれば誰でも画像として “現像” できる。Schmidt氏は10年以上前、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した最初の画像を処理したこともあるそうだ。
今回の画像も、太陽系の惑星における大きな明るい天体と、そのまわりの暗い天体の撮影などでJWSTの能力を示すために取得された。JWSTは今後「木星の雲の層、気流、大気組成、オーロラの活動、温度分布や構造」を研究。木星の衛星であるイオやガニメデについても、その表面や大気について観測する予定。
Yahoo!ニュースより記事を抜粋
