月食は、月が見える場所であればどこでも同時に起こります。日食のように観察地によって時刻が変わるということはなく、海外でも同じタイミングで始まって終わります。但し、同じ時刻であっても月が見える方位や高度は異なります。前述のとおり、西の地域では部分食の開始は地平線の下のため見られません。
日本国内ではどこであっても月がかなり低く、皆既食の最中は約15度、月食終了時で25度ほどです。南東方向の空の開け具合や建物の様子などを事前に確認しておきましょう。
今回の月食は継続時間が短いことが特徴です。皆既継続時間が15分未満となるのは次回は2144年4月18日(7.6分)です。前回は2015年4月4日(4.7分)でしたが、その前は1917年12月28日(12.0分)ですので、いかに珍しいかがわかるでしょう。
下の図を見れば分かるのですが、今回は地球の影の端っこを月が通過するために皆既月食の継続時間が短いのです。地球の影のど真ん中を月が通過すれば、2000年7月16日のように1時間46分も皆既月食が継続します。
継続時間が短いということは楽しめる時間も短いわけなので、いつも以上に集中して眺めてみてください。今回は地球の影の端っこを月が通過するため、赤銅色より明るい色が予想されます。