Wikipediaより抜粋

ボリショイ劇場の内部ボリショイ劇場は管弦楽団とバレエ団を有している。ボリショイ劇場におけるオペラとバレエは、19世紀のロシア帝国の強大化を背景に、国民楽派の隆盛や西ヨーロッパのバレエ作品の上演によって西欧に比肩するものに成長していった。ただしバレエについては、帝政時代には、宮廷のあるペテルブルクの劇場に遅れをとらざるを得なかった。ボリショイ劇場が名実ともに世界にロシアを代表する歌劇場となる転機となったのがロシア革命である。ボリショイ劇場はソ連政府の国立劇場となり、全面的な援助、後援を受けることとなる。

ボリショイ劇場ではロシアを代表する大作曲家のオペラ、楽曲が公演されてきた。特に19世紀から20世紀にかけて、国民楽派の勃興、グリンカ、ロシア5人組に代表される音楽家の出現によって彼らの手になるオペラの上演が行われた。また、チャイコフスキーは、交響的バラード 作品78 「地方長官 (Voyevode)」 をラフマニノフはオペラ 『アレコ』、『フランチェスカ・ダ・リミニ』 をボリショイ劇場で公演している。さらにこうしたオペラを後押ししたのが、ボリショイ劇場所属の歌手たちで、フョードル・シャリアピンを筆頭に名歌手の演技が評価されることとなった。
ボリショイ劇場は、ボリショイ・バレエ団の本拠地であり、ペテルブルクのマリインスキー劇場とともにロシア・バレエの殿堂としての役割を担ってきた。チャイコフスキーのバレエ 『白鳥の湖』 は、1877年にボリショイ劇場で初公演が行われた。但し、上述の通り、バレエに関しては宮廷と貴族階級の庇護を受けていたペテルブルクに遅れをとっていたことは否めない。1902年ボリショイ・バレエ団団長に就任したアレクサンドル・ゴルスキーは、ボリショイ劇場でのバレエ演目を増やすとともに、演劇改革運動に触発され、バレエの世界にも新風をもたらす。
ボリショイ・バレエ団のレパートリーとしては、チャイコフスキーの三大バレエ(『白鳥の湖』 『眠れる森の美女』 『くるみ割り人形』)、ハチャトゥリアンの 『スパルタクス』 をはじめ、古典、新作を多く持つ。ソ連崩壊後の近年は、西ヨーロッパ諸国の作品を手がける傾向が見られる。
