玄関の奥を進むと、まるで武家屋敷に入ったような不思議な空間が広がります。最初の廊下では、雛人形が旅人を迎えてくれます。そこに午後4時過ぎから明かりが灯ります。その奥の突き当りには、昔ながらに時を刻む柱時計が見守っています。柱時計の右を進むと、屋内なのに弘前城天守閣にある橋と同じような太鼓橋があります。その両隣には二階へ進む螺旋階段があります。狭い施設にこれだけの設備。なのになぜか煩さを感じさせないのは、古の旅館ならではと言えるでしょう。
階段が詰まったところには、これまで宿泊された要人の名簿が看板になっています。これは錚々たる面々が並ぶ看板で、一見の価値があります。明治時代の重鎮が定宿とする石場旅館は、この看板こそが弘前市の本陣とも言える由緒正しい旅館となります。
正面
廊下
太鼓橋
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