
私たちのツアーは11月17日に成田を出発、ロンドン経由で南アフリカのケープタウンに18日に到着しました。
搭乗したロンドン行きブリティッシュエアウェイズはロシアの北極圏を夜中に通り、機内から緑のカーテン状の見事なオーロラを数時間にわたって観測し、幸先のよい旅のスタートとなりました。
ケープタウンでは4日間滞在し、喜望峰やテーブルマウンテン、南アフリカ天文台等を見学致しました。いずれも好天に恵まれとてもよかったです。

ここまでは都合がよかったのですが、南極に貨物機イリューシン76で出発の直前、南極の到着場所のノボラザレフスカヤ基地の周辺がブリザードとのことで、出発が1日半遅れました。

ちょっとショックでしたが、結果的に言えば日食直前にこのブリザードが来てくれたお陰で、その直後の日食当日の天気は観測対象となる地平線の隅までピーカンの良い天気となり最高でした。

この貨物機は私達33名の日本からのツアー客を含め、日本人30数名、米国人20数名、他の欧州やインドの観測者数名、南極ベース基地のスタッフ10名の総計80名が乗りました。宇宙飛行士の毛利さんもおられました。 しかし通常世界各国で観測される日食のツアーに比べれば、こじんまりとしたものです。それだけ、この南極が秘境中の秘境だということなのでしょう。


数ある南極基地でも飛行機で直接行けるのはこの空港だけです
写真・紀行文提供…マサ
補足マサ様が行かれたツアーは230万円かかったそうですが、どうして南極渡航はこれほど高く付くのでしょうか?それは、皆既日食の前年に船で飛行機の燃料を基地まで運んでいるのです。南極基地専用貨物機・イリューシン76は、元々片道分の燃料しか積めません。南極基地を往復するツアーでは、どうしてももう片道分の燃料が必要なためにあらかじめ用意しておくのです。
また南極基地専用貨物機だけあって、機内の設備も貧弱なものでした。
とても航空会社のサービスが見込めるような飛行機ではなかったのです。