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藻類系バイオマスの工業利用におけるセミナー_備忘録その3

藻類系バイオマスの培養と工業利用-2(有用物質生産編) セミナー【備忘録】その3

1.藻類系バイオマス の培養と工業利用における遺伝子組み換え 微細藻類というのは、微細藻類自体が極小なので遺伝子組み換え操作が非常に難しいようです。また、藻類系バイオマスのエネルギー量では太陽光発電には勝てません。アメリカでは多数の藻類ベンチャーが莫大な資金を調達し続けているのですが、この中には詐欺的なプロジェクト(バイオフライト)、多額の投資に答えるための宣伝に力を入れていたりする企業も多いようです。また、藻に対する理解が浅く、微生物で大量に何かをつくるという経験も無いです。一方、日本の場合、赤字を垂れ流さない事業計画で進めることが最も重要です。


2.軽油生産能力のある藻類の探索のお話でした。探索自体は既存株からの探索と新規収集の両方を行われています。既存株からの探索はリスクもコストも低いためこちらをメインで行っているそうで、この方法で細胞外多糖の網羅的調査をされていて、培養株に直接墨汁を滴下して、拡散状態をマーカーとして利用しているそうです。新規収集はハイリスクハイリターンで海洋、淡水、温泉等に直接おもむき収集し、単離を行うそうです。特に単離は大変で、サンプル処理に16h(二人で一日作業)もかかる上、途中で中断することはできません。単離対象は形態的特徴をもとに決定するしかないですが、脂質は可視なので選抜が容易な一方、環境を変えると株がオイルをつくるかもしれないというジレンマもあるそうです。

3.アスタキサンチン 培養条件がみつかっている株のみ実用化されている

反射光 光呼吸 弱光適応 強光阻害流体力学 攪拌器 バイオドーム ちくわ型リアクター 遺伝子組み換え医薬品 タンパク質バイオフューエルいかに安定に一定品質のものをつくるか PBRの問題受託培養

4.室内で安定的な貝類のえさを培養するための、効率的な培養槽のお話でした。光量が一定では増殖にしたがい透過光が減衰するので、これを市販の分光計で装置をつくり定量化し、培養槽内部の光環境のシミュレートを可能にしました。照度計算事例では光量の実測値が理論値比108%で、誤差は円形装置の反射によるものとのことでした。光の強さで平衡の酸素量がわかり、要求二酸化炭素量を推計することもできます。アンフィジノリドというマクロリドを生産する株を、大学の研究室でネックになっていた大量培養をするために拡大培養試験を行い、100L(200)まで拡大することにも成功したとのことです。


5.ユーグレナ 大量栽培 OEM BtoB販売 屋外培養実験 日照の変化昼夜の水温変化等実験室では再現できない環境下微細藻自体を集めて売るサプリメント、化粧品、薬品 パラミロン(皮膚炎に効果 経口投与)ジェット燃料 C14 2012年からヨーロッパでバイオ燃料を一定量使わないと航空会社への補助金が出なくなる


■記事の元となったプログラム内容

藻類系バイオマスの培養と工業利用-2(有用物質生産編)
http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100826.html



日時:2010年8月26日(木)9:30~16:45
講師:下記参照
第1部 藻類系バイオマスからの有用物質の生産と事業戦略
(株)ネオ・モルガン研究所代表取締役社長 藤田 朋宏 氏

藻類系 バイオマス エネルギービジネスの現状と今後の見通し
藻類系 バイオマス ビジネスのバリューチェーンについて
藻類系 バイオマスからの有用物質の生産とその利用
藻類系 バイオマスの市場ニーズ
藻類系 バイオマス ビジネスの具体的な進め方


第2部  産業利用可能性がある藻類系バイオマスの探索・収集
(独)製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部伝資源保存課主任理学博士 関口 弘志 氏

・NITE Biological Resource Center(NBRC)が保有する藻類について
微細藻類における“有用藻類”とは
・“有用 藻類”探索のポイント
・候補株から有用株への絞り込み方
・有用 藻類の保存方法 
藻類系 バイオマスからのエネルギー生産について


第3部 藻類系バイオマスの大量培養と生産品の事業化への展開
(1)藻類系バイオマスの大量培養技術と生産品の事業化事例
ヤマハ発動機(株)事業推進統括部新規事業推進部
ライフサイエンス部営業グループ/研究開発グループ(兼任)主務 博士(理学) 佐藤 朗  



・一般的な微細藻類 大量培養 技術の現状と課題
・ヤマハ発動機における高効率屋内 大量培養 技術の開発とその特徴
・ヤマハ発動機における微細藻類 利用事業展開
微細藻類からのバイオディーゼル生産実用化の課題
・商業的 大量培養に必要なポイント


(2) 藻類系バイオマスの大量培養装置の開発と飼料・有用素材への利用
ヤンマー(株)社長室ソリューショニアリンググループ 博士(学術) 増田 篤稔 氏

藻類系 バイオマス大量培養 製造の開発とその特徴
培養装置特徴(バイオリアクター)
藻類系 バイオマスからの飼料・有用素材の生産と利用
・水産養殖用飼料の生産と利用 


(3) 藻類系バイオマス(ユーグレナ)の大量培養と有用物資生産とその利用

(株)ユーグレナ研究開発本部知的財産グループ主任研究員 博士(農学) 嵐田 亮 氏

ユーグレナの生物的特徴と培養技術
・ユーグレナ
の生物特性と有用性
ユーグレナのCO2耐性と発電所排ガスを利用した
培養
石垣島におけるユーグレナ
大量培養
・ユーグレナ
の食品化と有用物質の生産
ユーグレナ機能性食品・一般食品の事業展開
バイオ燃料化の可能性



■開催セミナー


【8/24(火)】藻類系バイオマスの工業利用における最新動向とビジネスチャンス
http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100824.html
【8/25(水)】藻類系バイオマスの培養と工業利用-1(バイオ燃料生産編)
http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100825.html

【8/26(木)】微生物培養・培地の基本とその作成のツボ
http://www.megaseminar.jp/2010/s_20100826.html
【8/27(金)】藻類系バイオマスの品種選定・品種改良と培養技術

http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100827.html

藻類系バイオマスの工業利用におけるセミナー_備忘録その2

藻類系バイオマスの培養と工業利用 (バイオ燃料生産編) セミナー【備忘録】その2

1.海洋バイオマスの問題点はバイオマス 資源の存在密度、水中からの回収コスト、水分が多い、船の運搬コスト等あり、これらの解決策として、新生アポロ•ポセイドン構想2025、水圏バイオマス資源化 利用計画の内容をご紹介いただきました。水圏バイオマスの資源として有望なものとしては、大量発生して周辺環境に被害を及ぼすアオサやホテイアオイ、外来種のオオカナダモなどで、ここからバイオエタノールを抽出するための糖化工程の様々な改良をされていました。特に、バイオエタノールは硫酸を使うので酸性の環境下に強い酵母が必要とのことで、PH2の環境でも発酵能を維持できる耐酸性酵母のお話は衝撃的でした。


2.本講では東京ガスの事例をご紹介いただきました。
海藻バイオマスとして、一日最大1tの処理能でバイオガスの生成を行っているとのことで、安定した発酵状態を維持することができるそうです。また、海から持ってきたものは戻せないという法律があるそうで、残さは肥料として使われるそうです。\生成したバイオガスは都市ガスとの混合燃料としての利用を検討されており、メリットとして都市ガスの添加によるエンジン出力の安定化、発電効率の向上をあげられておりました。課題としてはイニシャルコストの縮減や、残さ肥料の引受先の確保とのことでした。


3.微細藻類の形状の変化を顕微鏡でみる 代謝 阻害 メタボローム解析 シュードコリシスチス 増殖能力が高い オイルを多量に蓄積する 軽油クラス 代謝物の解析



4.培養する微細藻類の選定は、増殖が早く、高二酸化炭素濃度に対する耐性を持つことで、ボトリオコッカスはダブリングタイム(パラクロレラ:7.8h, ボトリオコッカス:60h)がネックになったとのことです。大量培養プロセスに関しては、分裂時のデリケートな細胞の扱いも重要で、攪拌機の羽も収量に影響を及ぼします。微細藻類の乾燥は風乾にすると、伝熱乾燥に比べ保存性が高く、硬度があり、熱量も高く、灰分が少なくすみます。

5.
発酵による水素の生産 海藻バイオマス こんぶ マンニトールエネルギー確保 海水国家 二酸化炭素分離回収•貯留 燃料電池 塩蔵、芯抜きにコストがかかる 刈り取りの機械化2000円/トン 日当15000円で微赤字の試算 遺伝子操作で最大収率向上


6.L型 褐藻紅藻は有用物質として使われているので、エネルギー物質のターゲットは緑藻 土地利用変化に伴う二酸化炭素排出 森林の二酸化炭素固定 海洋は二酸化炭素吸収源 生物密度1/300 オープンシステム 海が荒れると生産システムが壊れて回収できない

海洋生物は水分以外は塩3有機物7 30%以上灰分 高温ならCl (炉が傷む)低温で燃やすとダイオキシン発生 廃水処理 大型藻類は実験室環境ではよく増殖する 培養実験



■記事の元となったプログラム内容

藻類系バイオマスの培養と工業利用-1(バイオ燃料生産編)

http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100825.html



日時:2010年8月25日(水)9:30~17:00
講師:下記参照
第1部 藻類系バイオマスからのバイオ燃料の生産とその利用
第1部-(1)藻類系バイオマスからのエタノール生産とその利用
東京海洋大学海洋科学部海洋環境学科教授 工学博士 浦野 直人 氏

藻類系 バイオマスからのエタノール 生産とその利用 
・希硫酸処理+酸素(セルラーゼ 等)処理のポイント
・最適 発酵酵母の選抜 
・最適 エタノール 発酵収率の測定
・生産エタノールの利用

第1部-(2)藻類系バイオマスからのメタン発酵/発電システムの開発事例
東京ガス(株)基盤技術部技術研究所主幹 松井 徹 氏

藻類系 バイオマスメタン発酵 処理特性
メタン発酵原理とメカニズム
バイオガスの回収とその特性
バイオガスを利用した発電・エネルギーシステムの実際
・電力、熱エネルギーへの利用


第1部-(3)藻類系バイオマスの培養最適化とオイル生産への展開
慶應義塾大学先端生命科学研究所研究員 博士(生命科学) 伊藤 卓朗 氏

・オイル産生 微細藻
微細藻の代謝とその解析手法について
・メタボローム 解析 実施例とその利用
・複数のオイル産生 微細藻における脂質組成の違い
・オイル産生時のメタボローム 変化


第1部-(4)藻類系バイオマスからの固形燃料の生産とその利用
(株)日本バイオマス研究所主任研究員 福島大学共生システム理工学類非常勤講師 理学博士 佐藤 剛毅 氏

微細藻類に関する基礎研究(ベンチャー企業の視点から)
・効率化 培養装置の開発とその特徴
・新規 微細藻類による固形燃料生産と発電への利用 
固形燃料 化のポイント
・事業化と今後の展開 

第1部-(5)藻類系バイオマスからの固形燃料の生産とその利用  
横浜国立大学大学院環境情報学府環境生命学専攻教授 工学博士 谷生 重晴 氏

藻類系 バイオマスのからの水素生産の原理とそのメカニズム
・水素生産菌の特徴 
発酵水素の発生メカニズム
藻類系 バイオマスのからの発酵水素の利用法 
・水素分離のポイント 


第2部 藻類系バイオマス燃料化及びその利用と事業化への具体策
(独)産業技術総合研究所バイオマス研究センター
バイオマスシステム技術チーム主任研究員 
広島大学大学院生物圏科学研究科客員教授 農学博士 三島 康史 氏

・燃料利用の観点からみた藻類系 バイオマスの特徴
藻類系 バイオマス燃料化 技術
・なぜ藻類系 バイオマスなのか?
藻類系 バイオマスのの利活用におけるシステム構築のポイント
・環境浄化とのコラボレーション

■開催セミナー

【8/24(火)】藻類系バイオマスの工業利用における最新動向とビジネスチャンス
http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100824.html
【8/25(水)】藻類系バイオマスの培養と工業利用-1(バイオ燃料生産編)
http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100825.html

【8/26(木)】微生物培養・培地の基本とその作成のツボ
http://www.megaseminar.jp/2010/s_20100826.html
【8/27(金)】藻類系バイオマスの品種選定・品種改良と培養技術

http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100827.html



藻類系バイオマスの工業利用におけるセミナー_備忘録その1

藻類系バイオマスの工業利用  セミナー【備忘録】その1


1. ここ数年、石油等の資源枯渇の危機が広く知れ渡るようになり、バイオマス ブームではあるものの、使われているバイオマス資源は廃棄物系資源ばかりで、未利用系資源すら使われていません。にもかかわらず、生産資源である藻類を利用することに対し、コストパフォーマンス面で厳しいことをご指摘されておりました。

海外ではバイオマス エネルギー 事業への投資が盛んで、特に米国エネルギー省はバイオ燃料商用化を目指す3グループに最大2400万ドル(20.4)を投資しています。

また、藻類よりも太陽光からエネルギーをつくったほうが、収益性が高いということで、藻類からエネルギーをつくる事業については広大な土地を必要とする設備、塩類、炭素系の調達等の検討課題も多く、見通しは決して明るくはないようです。



2. 
微細藻培養のメリット•デメリットを提示しながら、実際に培養を行っている設備をいくつか紹介していただきました。雑菌等に弱いながらも開放系の設備、太陽光を利用した設備、定量/定品質であることを重視した完全閉鎖系 人口光利用の設備、海上に設置するOMEGA 計画等、その形体は様々です。


藻類の炭化水素(油脂)からのバイオ燃料への変換は通常よりも工程が少なくすむということで、ボツリオコッカスブラウニー等を紹介していただきました。

過去にも藻類研究のピークがあったそうで、このときは微細藻の二酸化炭素の固定力が注目されたそうですが、藻類のライフサイクルは短く、微細藻を用いた二酸化炭素削減には生産されたバイオマスとしての微細藻をエネルギー利用しなければ意味がないそうです。また、特許も多数出願されている分野のため、知的財産権の侵害にも気をつけなければいけないそうです。

3. バイオ燃料の市場動向として、アメリカのエネルギートレンドである石炭からの移行、軽油、重油をどこまで置き換え可能なのか、そして研究トレンドに波があることや、健康食品として利用されているクロレラスピルナアスタキサンチンのキロ単価、市場規模等をお話いただきました。

また、国内外の企業の動向も紹介していただきましたが、特に印象に残ったのは広大な敷地を使った大規模な生産施設で、国土が狭く土地の高い日本では難しそうだと感じました。しかし、国際的に需要の高い研究、プロダクトなので、石油にはコスト面で劣るものの、昨今のエコブームに乗って今後ますます発展していくのではないでしょうか。


■記事の元となったプログラム内容
藻類系バイオマスの工業利用における最新動向とビジネスチャンス
http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100824.html


日時:2010年8月24日(火)13:00~17:00
講師:下記参照

第1部 バイオマスエネルギービジネスの参入戦略
(独)産業技術総合研究所バイオマス研究センター副研究センター長博士(工学) 平田 悟史 氏

バイオマスエネルギー ビジネスの市場動向と今後の予測

・エネルギー源としてのバイオマスの特徴

バイオマスエネルギー ビジネスの市場動向と今後の予測

・失敗要因の分析とその解決策

藻類系 バイオマス エネルギービジネス成功のポイント



第2部  藻類バイオマスの利用を巡る最新動向と事業化への展望
東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科准教授 理学博士 中村 宏 氏

藻類系 バイオマスとは

藻類系 バイオマスの培養技術

藻類系 バイオマスのエネルギー変換技術

藻類系 バイオマスの利活用における国内外の取り組み

藻類系 バイオマスのエネルギー利用に関する技術的動向

藻類系 バイオマス エネルギーにおけるビジネスモデルについて


第3部 藻類系バイオマス利用ビジネスの市場動向とビジネスチャンス
国際石油開発帝石(株)経営企画本部・事業企画ユニットコーディネーター
(独)産業技術総合研究所健康工学研究部門客員研究員 
日本大学理工学部非常勤講師 博士(工学) 若山 樹 氏


藻類を利用したバイオ燃料 技術の体系と装置 

藻類 由来 バイオ燃料 市場の動向と今後の見通し 

・日本 及び 海外における企業の動向とトピックス 

・事業化のポイント・ビジネスチャンス 




■開催セミナー

【8/24(火)】藻類系バイオマスの工業利用における最新動向とビジネスチャンス
http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100824.html
【8/25(水)】藻類系バイオマスの培養と工業利用-1(バイオ燃料生産編)
http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100825.html

【8/26(木)】微生物培養・培地の基本とその作成のツボ
http://www.megaseminar.jp/2010/s_20100826.html
【8/27(金)】藻類系バイオマスの品種選定・品種改良と培養技術

http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100827.html