藻類系バイオマスの工業利用におけるセミナー_備忘録その2 | megaseminarのブログ

藻類系バイオマスの工業利用におけるセミナー_備忘録その2

藻類系バイオマスの培養と工業利用 (バイオ燃料生産編) セミナー【備忘録】その2

1.海洋バイオマスの問題点はバイオマス 資源の存在密度、水中からの回収コスト、水分が多い、船の運搬コスト等あり、これらの解決策として、新生アポロ•ポセイドン構想2025、水圏バイオマス資源化 利用計画の内容をご紹介いただきました。水圏バイオマスの資源として有望なものとしては、大量発生して周辺環境に被害を及ぼすアオサやホテイアオイ、外来種のオオカナダモなどで、ここからバイオエタノールを抽出するための糖化工程の様々な改良をされていました。特に、バイオエタノールは硫酸を使うので酸性の環境下に強い酵母が必要とのことで、PH2の環境でも発酵能を維持できる耐酸性酵母のお話は衝撃的でした。


2.本講では東京ガスの事例をご紹介いただきました。
海藻バイオマスとして、一日最大1tの処理能でバイオガスの生成を行っているとのことで、安定した発酵状態を維持することができるそうです。また、海から持ってきたものは戻せないという法律があるそうで、残さは肥料として使われるそうです。\生成したバイオガスは都市ガスとの混合燃料としての利用を検討されており、メリットとして都市ガスの添加によるエンジン出力の安定化、発電効率の向上をあげられておりました。課題としてはイニシャルコストの縮減や、残さ肥料の引受先の確保とのことでした。


3.微細藻類の形状の変化を顕微鏡でみる 代謝 阻害 メタボローム解析 シュードコリシスチス 増殖能力が高い オイルを多量に蓄積する 軽油クラス 代謝物の解析



4.培養する微細藻類の選定は、増殖が早く、高二酸化炭素濃度に対する耐性を持つことで、ボトリオコッカスはダブリングタイム(パラクロレラ:7.8h, ボトリオコッカス:60h)がネックになったとのことです。大量培養プロセスに関しては、分裂時のデリケートな細胞の扱いも重要で、攪拌機の羽も収量に影響を及ぼします。微細藻類の乾燥は風乾にすると、伝熱乾燥に比べ保存性が高く、硬度があり、熱量も高く、灰分が少なくすみます。

5.
発酵による水素の生産 海藻バイオマス こんぶ マンニトールエネルギー確保 海水国家 二酸化炭素分離回収•貯留 燃料電池 塩蔵、芯抜きにコストがかかる 刈り取りの機械化2000円/トン 日当15000円で微赤字の試算 遺伝子操作で最大収率向上


6.L型 褐藻紅藻は有用物質として使われているので、エネルギー物質のターゲットは緑藻 土地利用変化に伴う二酸化炭素排出 森林の二酸化炭素固定 海洋は二酸化炭素吸収源 生物密度1/300 オープンシステム 海が荒れると生産システムが壊れて回収できない

海洋生物は水分以外は塩3有機物7 30%以上灰分 高温ならCl (炉が傷む)低温で燃やすとダイオキシン発生 廃水処理 大型藻類は実験室環境ではよく増殖する 培養実験



■記事の元となったプログラム内容

藻類系バイオマスの培養と工業利用-1(バイオ燃料生産編)

http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100825.html



日時:2010年8月25日(水)9:30~17:00
講師:下記参照
第1部 藻類系バイオマスからのバイオ燃料の生産とその利用
第1部-(1)藻類系バイオマスからのエタノール生産とその利用
東京海洋大学海洋科学部海洋環境学科教授 工学博士 浦野 直人 氏

藻類系 バイオマスからのエタノール 生産とその利用 
・希硫酸処理+酸素(セルラーゼ 等)処理のポイント
・最適 発酵酵母の選抜 
・最適 エタノール 発酵収率の測定
・生産エタノールの利用

第1部-(2)藻類系バイオマスからのメタン発酵/発電システムの開発事例
東京ガス(株)基盤技術部技術研究所主幹 松井 徹 氏

藻類系 バイオマスメタン発酵 処理特性
メタン発酵原理とメカニズム
バイオガスの回収とその特性
バイオガスを利用した発電・エネルギーシステムの実際
・電力、熱エネルギーへの利用


第1部-(3)藻類系バイオマスの培養最適化とオイル生産への展開
慶應義塾大学先端生命科学研究所研究員 博士(生命科学) 伊藤 卓朗 氏

・オイル産生 微細藻
微細藻の代謝とその解析手法について
・メタボローム 解析 実施例とその利用
・複数のオイル産生 微細藻における脂質組成の違い
・オイル産生時のメタボローム 変化


第1部-(4)藻類系バイオマスからの固形燃料の生産とその利用
(株)日本バイオマス研究所主任研究員 福島大学共生システム理工学類非常勤講師 理学博士 佐藤 剛毅 氏

微細藻類に関する基礎研究(ベンチャー企業の視点から)
・効率化 培養装置の開発とその特徴
・新規 微細藻類による固形燃料生産と発電への利用 
固形燃料 化のポイント
・事業化と今後の展開 

第1部-(5)藻類系バイオマスからの固形燃料の生産とその利用  
横浜国立大学大学院環境情報学府環境生命学専攻教授 工学博士 谷生 重晴 氏

藻類系 バイオマスのからの水素生産の原理とそのメカニズム
・水素生産菌の特徴 
発酵水素の発生メカニズム
藻類系 バイオマスのからの発酵水素の利用法 
・水素分離のポイント 


第2部 藻類系バイオマス燃料化及びその利用と事業化への具体策
(独)産業技術総合研究所バイオマス研究センター
バイオマスシステム技術チーム主任研究員 
広島大学大学院生物圏科学研究科客員教授 農学博士 三島 康史 氏

・燃料利用の観点からみた藻類系 バイオマスの特徴
藻類系 バイオマス燃料化 技術
・なぜ藻類系 バイオマスなのか?
藻類系 バイオマスのの利活用におけるシステム構築のポイント
・環境浄化とのコラボレーション

■開催セミナー

【8/24(火)】藻類系バイオマスの工業利用における最新動向とビジネスチャンス
http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100824.html
【8/25(水)】藻類系バイオマスの培養と工業利用-1(バイオ燃料生産編)
http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100825.html

【8/26(木)】微生物培養・培地の基本とその作成のツボ
http://www.megaseminar.jp/2010/s_20100826.html
【8/27(金)】藻類系バイオマスの品種選定・品種改良と培養技術

http://www.megaseminar.jp/2010/ms19b/20100827.html