※この日記はクレトトケイの偏見で書かれております。その点を留意のうえ、ご覧ください。
パート①はこちら→オフ会って来ました!!2020!! パート①
パート⑫はこちら→オフ会って来ました!!2020!! パート⑫
いやー楽しかったオフ会話を文章にするという色々な意味での愚行もそろそろ終わりを迎えます。一応、このシリーズを更新していた間はそれなりに閲覧数があったんですけど、それも終わりを迎えるかと思ったら少しの悲しさがありますねー
まあ、コメント自体はほぼほぼなかったんですけどね。つうか自分で見ても誤字脱字ってみつからないな……ハッ。ちょっとやさぐれてますさ。
そのまま本編です。
数秒で終わったかと終わったかと思ったカラオケ。本気で30分だったんじゃないかなと思ったが、時計の針は間違いなく時を刻んでいた。
今こそ卍解するときか――『卍解!! 心臓を止めろ!! 時兎計!!』という戯言は置いておいて、もしも自分が男で、もっと信頼されてて、マスキさんが翌日も休みだったらもっとこんな時間が続いたのかな? なんていくつかのifの世界に想いを馳せていたのは内緒。
「最後に何か一緒に歌えたら」と言いつつ、全くわからない曲を入れるマスキさん。ごめんね、その曲もわからないんだ。
切なく静かに最後をしめようかと思ったのだが、ハッとなるクレト。
『バタフライ!! どうっすか!!』
先に打ち合わせをして、一緒に歌うということについても最後にリベンジだ!!っと思ったが結論をいおう。
サビの部分などで「入ってこい」という合図をくれたがこわくて私は入ることが出来なかった。
なんとも駄目な妖怪である。あと、自分の音痴さに自分で驚く。
そしてまだ誰にも聞かせてない、だが、全員に聞いてほしい!! あの事件を!!
事件は会計時に起こった……
我々はお金がない同士である。が、移動距離を考えるとマスキさんの方が交通費を払っているのでひっそりと会計を済ませてやろうと思ったのだ。
しかしバレバレであり、横からスッと札を出された。
「釣りはいらないぜ」
なんて言葉と共に。
最近の某チェーンカラオケは機械による決済だ。というよりもほぼほすべてが機械での支払いになっていた。何度かやったことがあったので支払い方は問題がなかったのだ。問題は「釣りはいらない」といった男。
私は「マスキさんの方が交通費がー」と話していたのだが後ろにあの長身の気配を感じない。
右を向いた。いない。
左を向いた。いない。
あの長身眼鏡がいない。
代わりに右側にいたのは女性店員だった。
代わりに左側にいたのは男性店員だった。
2人が慌てて近づいてきた。
「何かわからないことが??」
『違うんです!! すみません!! ちゃんとわかります!! 違うんです!!』
羞恥でもだえる中、どこからともなく再びあの長身眼鏡の気配を右側に感じた。
私はこの日で一番こいつの顔をまともに見た気がした。というよりも全身像を見た気がする。
殺意とは実に色を鮮明にするのだなと冷静な自分が私の方に手を置く。
「くれちゃん!! これ食べたことある?! めっちゃすごくない!? すっげぇ、スースーする!!」
と黒いミンティアを胸の位置で持ち嬉しそうに指を差す。
「ねぇねぇ!! これ!! これ!!」
これじゃねぇよ……己は何処に消えていたんだよ。俺が左右を見たとき、己は何処に行っていたんだよ。
『えぇ、食べたことありますよ。ただな……己、外に出たとき覚えておけよ』
私は自分でとてつもなく良い笑顔を浮かべていたと思う。というか、一体どんな顔をしていたかを覚えていない。
だが、あのときの感情は鮮明に覚えている。明確な殺意だった。そのまま階段でヤツを突き落とさなかった私を誰か褒めてくれ。
マジで「これ」じゃねぇんだよ。
話の途中で置いていかれ、店員二人に駆け付けられ、謝罪をし、原因となった人物が嬉し気にミンティアを持って現れたときに気持ちをどうか是非とも一度考えてみて欲しい。
殺意を覚えてしかるべきでないだろうか?
そんな事件など、全て笑い飛ばした犯人は店を出てサクサクと歩き出す。
その方向は東京行きの夜行バス乗り場がある方向だ。
『バスで帰るんですか?』
「そうなんだよ。最終便の時間がね」
『それって○○バスか○○バスなのでは?』
「いや、○○からの」
『?? どちらにせよそれなら、乗り場はあっちになるかと』
見事に噛み合ってそうで、噛み合ってない会話。
『ねぇ、阿良々木君はどこに行きたいの??』
会う前の阿良々木×羽川喋りに戻る私。
「羽川。僕は来たときの、○○駅に行きたいんだ」
あぁ、今日何度目だろうか。決して方向音痴というわけではないのだとは思う。なのにサクサク早い歩調でこの若干タレ目気味でもう少し黒目が小さかったら三白眼に近くなるのではないかと思うような人物は歩いていくのだ。基本的に目的地と真逆の方向に。
『阿良々木君。それなら真逆の方向だよ?』
進行していた方向の真逆を指さす。
「羽川は何でも知ってるな」
『何でもは知らないわよ。知ってることだけ』
というわけで、信号を待っている間に羽川風に先ほど起きた会話の誤解を開設した。というよりも罵った。
しかし、そのごもう一度ほぼ同じやり取りをすることになる。
私は自分の少し特殊なICカードをこのカラオケを出た瞬間に眼鏡を外した男に昼間から貸していた。
でも自分の名前が記入されているのでカードケースに入れているものを渡していたわけで、プラスチックのケースの上の部分が開いていて、ボールチェーンでキーホルダーにもできる仕組みでカードの入れ替えができるタイプのもの。
この何となくいつも笑みを浮かべてるようだが、あまり目に光の宿らない男は行きのときからこのケースをほめちぎっていた。「プラスチックで挟み込んでねじで止めてるなんて、凄い発想だな」って。
私は製造過程での構造やデザインのことだと思っていた。
が、彼はまず構造を理解していなかったのだ。
『ごめんね、阿良々木君。製造の話をしているんだと思っていた』
「羽川は何でも知っているんだな」
そういった阿良々木君はどこか涙ぐんでる気がした。
次回。最後の10分……
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