私的喫煙日記 -2ページ目

  私的喫煙日記

      私の日々の喫煙生活を記録しています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
      

 

久々に新しい煙草の紹介です。

20グラムと珍しく量の少ないパウチです。相模大野のたばこ屋さんで見つけました。

ブルー・カナリー(青いカナリア)と聞くと雪村いづみさんの曲を思い出してしまいます。実際にはカナリアの色は黄色から赤で、青い品種は存在していないようです。そもそもオオルリなどをカナリアと間違えているのではないか?

存在しない鳥を歌った歌詞。原曲のダイナ・ショアが歌った曲も、歌詞を見るとどうやら「ブルーな気分」という意味に取れます。

ではこの煙草の味はどうでしょう?ブルーな気分になるのでしょうか?

いつものように丸いメシャムボウルのファルコン・シレイラで楽しみたいと思います。

20グラムという少量のパウチは珍しく、失敗しても吸い切るまで苦ではない量です。開封の香りは柑橘系と甘いバニラ系で、キャプションからもブラキャベ系のようだとわかります。

A BLEND OF SELECTED VIRGINIA, BURLEY AND BLACK CAVENDISH・BY DAN TOBACCO

少しベタついた印象の葉ですが、火付は悪くなく、あまり丁寧にほぐす必要もありませんでした。

うーん。

特徴的な感じはないのですが、かつて何処かで吸ったような印象の煙草です。ダン・タバコなのでブルーノートとかでしょうか?

右上の「MA」のロゴはマイケル・アピッツというブレンダーのものらしいのですが、検索するとイラストレーターである事がわかります。ドイツ人のようです。そしてどうやらこの人はダン・タバコのマイケル・アピッツとは同姓同名の別人らしいのです。

同じダン・タバコのBiBoという煙草があります。この煙草のラベルに書かれたポンチ絵風の2人のキャラクターも同じイラストレーターの作画だと判明。何がどうなっているのか?(笑)

まあ、ともあれ、嫌いになる要素がゼロの着香系でしたので、美味しく頂きました。

チョコレートケーキと紅茶で一服。

また買っても良いし、二度と買わなくても良い煙草でした(笑)。

久々にパイプたばこのご紹介。

少し前からダンタバコで不思議なシリーズが出ているな、とは思っていたのだが、買う機会に恵まれず、とりあえず着香ものだという事なので、これを最初に試してみた。

Wrenはミソサザイという小鳥の事らしい。「アイ・アム・ザ・キング」と副題が書かれている。この小鳥は西欧各国の伝承などで「鳥の王」として扱われることが多いようなのだ。鷲とか鷹とかじゃなく、この平和的な小鳥が何故に「王」なのか甚だ疑問である。

こんな動画を見つけた(笑)

 

いかんいかん。脱線してしまった。すみません。

近所にあるJazzのお店「Noise」にて、ゆっくりと開缶。ここは17:00(午後5時)からバータイムで喫煙可だったのだが、8月1日からバータイムが20:00~になった。午後8時から閉店時間の11:00迄の僅か3時間になってしまった。少し悲しいが仕方がない。そういうご時世だ。

葉組みを見ると、全体に茶色。ティンノートは仄かなイチジクの香り。フルーティと言うほどは強くなく、煙草っぽい自然な感じ。

刻みは細いが、粗い。枝状の長い茎などが混在するラフな感じ。湿度はかなりある。といっても着香特有のベタベタ感は少ない。レディーラブドだが長い茎などは細かく千切った方が良いし指の腹で揉んで少し感想させるのがいつもの流儀になっているので、2.5グラムぐらいをつまみ出してほぐす。

 

さて、喫味は?

 

ウ~ン、思ったよりもヴァージニア寄りのミクスチャだ。

着香は仄かで、少し香水っぽいオシャレな香りがする。いわゆる微着香ものである。キャベンディッシュはとても少なく、バーレーが際立つ。しかし全体としてはヴァージニア寄りだ。

自宅以外のこういう店では、ルームノートが気になるのであまりラタキアなどは吸わない。着香ものもあまり強烈に香るチェリー系などは避けている。この煙草は一切ルームノートが気にならない。

そうそう、この煙草にはまずバニラ系などの甘い着香は施されていない。

ヴァージニアと言ってもニコチン酔いは起きにくいようだ。干し草のような香りはあるが、着香が全体に上品さを加えているので、野暮ったい雰囲気にはならない。

総評としては、上品な優しい味わいだ。もう少ししっかりとした着香を期待していたのだが、お店で吸えるというルームノートを考慮すると、ベストな選択だったのかも知れない。

概ね、これはこれとして、最後まで一缶、飽きずに吸えそうである。

 

我が街町田に全席喫煙可の喫茶店ができた。

スモーカーズカフェ・ブリケの3号店である。先日訪れてみた。

丸井の1階横浜銀行がなくなった跡、楽園というパチンコ屋ができた。大きいと思っていたら横に広いだけで奥行きはない。ブリケはこの隣にできたのだが2階からしか入れない。1階から入ろうとすると、一度楽園店内に入ってエスカレーターを登らなければいけない。

入り口を探すのに迷ってしまった。電話はないらしく、ホームページにも電話番号の表示がない。不寛容な嫌煙社会の中にあって、ひっそりと営業しようというつもりなのかも知れない。

店内には壁に向かって9つのテーブルと椅子。中央にスタンド席がある。お一人様を意識した作りで対座席はない。パチンコ利用客がちょっと一服たばこを吸いに来るニーズを意識しているのだろうか?どうやら楽園という店の中にも喫煙室は設置されているが、台では禁煙のようだ。パチンコ屋が潰れてこの店だけ残る未来もあるのだろうか?

壁には煙草関係のポスターが無造作に飾られている。米国の昔の雑誌広告など大小様々な大きさの額に飾られている。コンセプトとしてもあまり長居をするように考えられたインテリアという感じではない。席には正面に電源コンセントが一席づつ設置されているので、パソコン利用客を想定してはいるようだ。Wi-Fiもフリーである。

BGMは流れていなかった。とにかくパチンコ屋の音がうるさい。何かしら音楽をかけるにしても、この環境ではあまり雰囲気は作れないだろう。入り口の自動ドアが開閉するたびにパチンコの騒音が強くなり、長時間滞在するには落ち着かない。

チャド・マレーン?じゃないwwビング・クロスビーのパイプを咥えた写真が飾ってあった。長めのカナディアン。

サビネリのシェイプチャートも。この店でパイプをゆっくり吸う客は居るのだろうか?酒類の提供はないようだし、21:00までとあるので、夜遅くまで営業してもいないようだ。

パイプ煙草はカウンターのショーケースをみたところ、ボルクムリーフとセブンシーズ、ピーターソンの元ダンヒル銘柄が3つ、アーリーモーニング、ロイヤルヨット、ナイトキャップのみのようだ。できればトミーや新宿屋とカブるものは置いて欲しくないな。ここで煙草を買う事があるかどうかは別として。

 

と、言うことで、

最近近所にできた喫煙目的店カフェ・ブリケのレポートはこのへんで。

実際、喫茶店でゆっくりとパイプを吸うという時代ではない。悲しい現実である。

 

結局ここに帰ってくるんだなあという感じ。

アシュトンのレイニーディは、このブログで以前紹介したように思い違いをしていたが、実は今回初めて書くのであった。

もう11年以上も前に、同じアシュトンのギルティー・プレジャーを紹介した事があった。アシュトンのシリーズはギルティー・プレジャーとこのレイニーディ以外は一度づつしか試した事がないのだが、実にレイニーディは3回目の購入になる。

印象としては私の中ではラールセンのファイン&エレガントなどと同じ分類に入る煙草であるが、要するに柑橘系と洋酒のブラキャベである。

しかし、これらの中でもとりわけこのレイニーディが異なる点は、シツコくなく最後まで快適に吸え、軽快な甘さで後味もスッキリしているというところだ。

今回開けた缶も、ティン・ノートはそれほどキツくなかった。明るいヴァージニアとブラック・キャベンディッシュの美しいコントラスト。カットはファイン&エレガント等に比べて刻み幅は同じぐらいだが比較的長い。柑橘系と洋酒系の爽やかな甘い香りだが、ベットリはしていない。

指で揉む必要はあまりない。紙の上に置いて乾燥させる必要もあまり感じない。このまま摘んでボウルに放り込んで良い感じ、適度な湿度である。

いつものようにファルコン・シレイラを使う。このところこればかりだ。ステムがアルミでアルコールで洗えるせいもあって、前に吸った煙草の影響も受けにくい。ボウルもしっかりとリーミングしていれば、ほぼどんなに癖の強い煙草を吸っても、後々香りが残ったりしない。

 

では、いただきます。

 

ウ~ン。落ち着く。

やはり、ここに帰ってくる。人生において最初にパイプ煙草というものを意識したのが、まさにこのようなブラキャベを中心とした着香系だったというのが大きい。

私が20歳ぐらいの頃は、パイプ煙草に今ほどの選択肢はなく、ラタキアはもっと年配のパイプ・スモーカーの愉しみだという認識だったし、ヴァージニアやペリックなど無着香の煙草も「通」の領域だった。

所謂アメリカン・オールドスクールと現在では分類されるクラシカルな定番銘柄も、ラタキアものと同様にベテラン・スモーカーにしか理解できない不思議なコダワリで、若い私にはあまり縁のない存在だった。

初めにパイプ煙草を「美味しい」と意識したのはやはりデニッシュだった。洋酒やバニラやフルーツの香り、キャベンディッシュの製法の知識などまだまるで知らない頃、喫煙という習慣もまだついていない頃、私にとっては特別にラグジュアリーなものだったのだ。

アシュトンなどを知ったのはずっと後になっての事だ。実際若い頃はパイプ煙草に2000円以上出すなんて考えもしなかったし、近所のたばこ屋で買えるパイプ煙草は1000円以下のパウチものが中心だったし、20代中半から40歳ぐらいまでは、パイプ煙草は時たま気の向いた時に吸う程度で、日常のほとんどをシガレットで過ごしていたので、今のようにパイプ煙草に戻って来たのは40歳を過ぎてからだ。

日本の社会においては、パイプを咥えているなんてとてもエラソーな態度に見えるし、若いヤツは生意気に見られるし、ブルジョアに見られるし、得な事などひとつもない。

やっと、パイプをしっくりと日常に取り入れる事が出来たのは、中年になってからだった。インターネットで海外通販が普通に出来るようになって、大都市の専門性の高いたばこ屋に行かなくても、様々なパイプ煙草を手に入れられるようになった。とりわけ、アシュトンの煙草はちょっとした憧れがあり、缶のデザインも美しく特別に豪華なものとして映っていた。

この頃になると、私はむしろ着香系から離れる傾向にあった。特にラタキアに傾向してしまったのは、自分がかつて雲の上を仰いでいたベテラン・パイプスモーカー達の領域に、年齢的にも追いついたような錯覚をしてたからなのかも知れない。ロープ煙草やクランブル・ケーキや不思議な形状の煙草にも手を出して、何となく世界中のありとあらゆるパイプ煙草を吸い尽くしてみようなどと思うようにもなるのだが、そんな中でマクレーランドのフロッグ・モートンにも出会い、もう自分にはこれだけあれば他は要らないと思うようにもなっていた。そんなマクレーランドも廃業に追い込まれ、最早ひとつの時代が終わったのを悟った。

そして結局、自分を取り巻くパイプのあれこれに惑わされながらも、染み付いた年月の重みを担う存在がブラック・キャベンディッシュなのだという事を知った。

これはある種の「結論」なのかも知れない。20歳から断続的にであれ続いたパイプとの歴史における「結論」だ。

以前このシリーズの黒いやつをリポートした。

ご覧のようにデザインの下半分近くが警告文に占領されてしまって悲しい。こうなる前に3缶揃えたかった。このシリーズは黒・赤・緑と三種類出ていて、黒がレディーカット、赤がバー、緑がグリーンと言うらしい。

この煙草、元々はオールドスクールで、バーという塊(プラグ)で売っていたらしい。かなり硬いものだったのだろう。古い広告ではナイフで削っているのがわかる。パイプに詰めるたびに適量を削って、残りの塊をチョコレートみたいに銀紙に包んでポケットに放り込んでいたのだ。なんか、ワイルドで良い。

このポスターに描かれているように、明らかに労働者の煙草をイメージしている。庶民的な価格で提供されていた物なのだ。現代では販売元もガラハーからスタンダード・タバコになり、丸缶で提供されている。レディーカットを除く2つの缶は中にゴロンと塊が入っている。

 

こういう煙草が、かつての味をどれだけ受け継いでいるのかはわからないが、勿論材料の葉や添加物も様変わりしているのだろうから、ブランド名だけが残っているという可能性もある。今となっては想像の域を脱しないファンタジーの世界であるが、パイプを普通に携帯していた時代もあったのだなあ、と改めて思うと、あらたまって慇懃に吸うような事はいささか滑稽なものかも知れない。

 

早速開缶。

ヤヤッ!! これは意外。

開缶直後、猛烈な甘草(カンゾウ)臭!!

これはミクスチャー79やボンドストリートなどのキューブカットに見られるような、ちょっとスースーする程度ではない。ベッタリとした生の感じ、そう、むしろボルクムリーフのリコリスに近い感じだ。

プラグ(塊)と言っても、かなり湿度もあり強めにプレスした程度なので指先で簡単に崩れる。クランブル・ケーキのように粘性があるわけでもなく、すぐにグズグズになるので、ナイフなどまるで要らない。

 

さて、お味の方は。

もうね、かなーりリコリスw

どんな煙草が使われているのか、ほとんどわからない。それほど甘草が支配的である。

危惧されるのは使用したパイプに匂いが染み付いてしまうのではないかという事だ。普段はあまり神経質にパイプを分けていないのだが、これはちょっと私でも気になる。

ルームノートも気になるところで、匂いに敏感な家族が居る家庭では、気をつけた方が良いだろう。

ニコチン・レベルもかなり低いように思われる。ベースの煙草は恐らく癖の少ないバーレーで、明らかに煙草本来の味わいを愉しむタイプの煙草ではない。

 

ともあれ、これはこれでまた一興で、ハーブを愉しむ変わり種として捉えれば、たまには気分転換に良いのかも知れない。

パイプタバコは本当に多種多様である。これがパイプタバコの楽しさの一つでもある。

本当に全く予備知識がないものを缶のデザインだけで買ったりすると、丁度洋楽のジャケ買いみたいなもので、全く予想だにしない、実に奇妙な代物に出くわす事が稀ではないのである。

今回はパイプたばこの紹介ではなく、シガレット「ヒーロー」のご紹介。

良く考えた、と言うより、良く思い切ってやったものだと感心する長―いたばこw。

たばこにかかる税金は本数単位である。グラム単位でもニコチン含有量でもない。

で、長い紙巻きを10本500円で売れば良いという禁じ手に出たわけだ。

このたばこ、メーカーがはっきりしない。日辰貿易という会社が輸入しているようでサイトを訪れてみると、アークロイヤルも扱っていた。

トレードマークはイギリスの会社のようだがわからない(MADE UNDER AUTHORITY OF HUDSON TOBACCO CO.LTD., LONDON ENGLAND AND THE TRADEMARK OWNERの表記がある)。NTCというのがNissin Trading Co.(日辰貿易株式会社)の略なのかインドのカルカッタにあるNTCインダストリーズと何か関係があるのか?全くわからない。製造しているのはインドネシアのようだ(MADE BY STTC PEMATANG SIANTAR, INDONESIAの表記がある)。色々と謎に満ちたたばこなのだw

早速中を開けてみると10本の紙巻きたばこが縦に2列行儀良く並んでいる。一本を引き抜いてみると何とスルスルとその長さ17.4センチ!

このまま吸うのも一興である。

と言っても、そんな事をする人は少ないだろう。基本、好きな長さに切って吸うように考えられている。半分に切ると、それでも長い。1/3の長さ(凡そ5.8センチ)にすると、市販のシガレットのフィルターを除いた部分と大体同じ長さだ。

重さは一本2.2グラム、半分だと1.1グラム(当たり前かw)、1/3だと凡そ0.733グラム。少し軽いがほぼほぼ一本分だ。

つまり、このたばこ「HERO」は500円相当のシガレットの約1.5倍の量の葉が購入できるという案配になる(20本一箱換算で約333円)。脱法ではない。合法的節税だ。

勿論、私などは両切りに抵抗がないのでそのママ吸ってしまうのだけれど、フィルターがついていて当たり前の世代から後のスモーカー達は、不思議なぐらい両切りを吸うのが下手糞で、紙を濡らしてしまうし口の中に葉を入れて、ペッ、ペッとかやっているので、そういう人には専用のフィルターが売っている。中国製110円。これまで買うと610円になってしまって、ちょっとお得感が薄れる。

勢いでフィルターまで買ってしまったが正直要らない。でも折角なのでフィルター付きで吸ってみた。マウスピースに内蔵された紙フィルターの性能はあまり良くない。市販のアクアフィルターのようなものの方がマシだ。て言うか、これ本当にどうして専用のを作ったんだろw

メシャムのシガレット・ホルダーで吸ってみる。ウンウン、なかなか良いぞ。

ところで、肝心のお味の方はというと、、、

悪くはない。葉は主にターキッシュ、オリエント系だと思われる。少しトゲがあるが、まあまあ、許容範囲だ。

今回、少しニコチン含有量が高いのでイエローを買ってみたが、この他にレッドがある。イエローはヨーロピアン・タイプ、レッドはアメリカン・タイプと説明があったが、ひょっとするとアメリカン・タイプのレッドはヴァージニア系のブレンドなのかも知れない。

 

と、今回はタバコ代節約の為のシガレット模索が主なテーマであったが、一箱333円だと思うと他にリトル・シガー等の選択肢もありそうで、超ロングという見かけの派手さに比べると、さほどのお得感でもないな。

と冷静に考えてしまった。

今回は基本に戻って着香系の煙草。

CAOはトルコのメシャムパイプ・メーカーである。作っているのはデンマークのスカンジナビアン・タバコ・グループのようだが、「フレーバーズ・バイ・CAO」とあるように、ブランドとしてはCAOのコンセプト・デザインに基づいていると思われるので、メシャムパイプとの相性は良いのかも知れない。

 

「アイリーンの夢」

果たしてアイリーンとは誰だろうか?ホームズの峰不二子・アイリーン・アドラーかと思いきやスペルが思いっきり違ってた。

スコットランドにアイリーン・ドナンという美しい城がある。しかしブレンドとしてスコティッシュでない煙草にその名前を冠するとは思えない。

もう一つ思い当たる事がある。ミッドセンチュリーの建築家アイリーン・グレイだ。

缶のデザインもどことなくミッドセンチュリーテイストだし、ベイリーズ・リキュールを練り込んだトリュフ・チョコレートが好物だったりするかも知れない。

と考えたがそういう証拠も見つからず、取り敢えず煙草の名前については考察をやめた。

 

とにかくこの「アイリーンの夢」とやらを開缶してみよう。

黒い葉が支配する。ブラキャベだ。ティン・ノートも思いっきりブラキャベ。ほのかに洋酒っぽい香りはしないでもないが、この段階ではアイリッシュ・クリームのような香りは抽出できなかった。

缶には「アイリッシュ・クリームとホワイト・チョコレート・トリュフとある。チョコレートと言ってもホワイトであるからカカオマスの苦味は無いものと思われる。

まあまあ着香煙草らしいベタベタさはあるが、割にお行儀の良いリボンカットで、安っぽさはない。ヴァージニアらしき葉も散見できるが、果たしてこれは具体的になってくるのか?

 

早速、着火してみよう。

開始五分ぐらいで驚くのは、着火後の方が香りが立つ事だ。着香煙草はティン・ノートの方が強い物が多い。着火後もルーム・ノートが吸っている本人を差し置いて強く香る。しかしながらこの煙草は逆だ。静かに鼻から煙を通してやるとわかりやすいが、売り文句に違わず、しっかりとベイリーズのようなリキュール臭とホワイト・チョコレートの滑らかでまったりしたカカオバター臭とが際立って来るのだ。

何だろう?この高級スイーツ感。

散見されたヴァージニアは正直良く分からない。全体に煙草臭さはなく、調和しているのか埋没してしまっているのかも判断ができない。

缶のデザインから来るイメージはもっとアッサリした煙草だと思っていたのだが、実際には濃厚で贅沢な甘み。ありきたりなブラキャベではない。

洋酒とクリームの香りが鼻腔から口腔内いっぱいに拡がり、これは凄い体験である。連投してみないとこれ以上の細かい感想は述べられないが、この煙草にはかなり嵌りそうな予感がする。

メシャムとの相性も確かに良いと思う。メシャムはアクの強い煙草の雑味を和らげてくれる。この「アイリーンズ・ドリーム」は決してアクの強い方ではないのだけれど、ブライヤーで吸うともっと煙の甘ったるさが後を引くのではないかと想像できる。キレの良さはメシャムのおかげかも知れない。

ブラキャベを使ってはいるものの、コテコテのデニッシュタイプではなく、洗練されたエッジの明確さがあり、唯一無二のアロマティック・ミクスチャーと言えるだろう。

「古代ローマの神ヤヌスは、物事の内と外を同時に見る事が出来たという。この物語は、ヤヌスにもうひとつの心を覗かれてしまった少女の、壮大なロマンである。もしあなたに、もう一つ顔があったら…」

――大映テレビ「ヤヌスの鏡」より

 

大映テレビ大好き世代の流山珍がこの煙草の名前に反応しない訳がないw

サビネリのローマ神話シリーズは、このヤヌスの他にユノ(JUNO)とユピテル(JUPITER)と3種類が出ているのだが、今回は取り敢えずこのヤヌス(JANUS)の紹介。他の2つは今後紹介するかどうかわからないw

サビネリというとハードウエア(パイプ)の方が馴染み深いのだが、以前アルモニアという着香煙草をこのブログでも取り上げた事があった。

いつもの通り、割とどんな煙草なのか知らずに名前だけで買ってしまったので、開けてみてビックリwww!!こ、これはぺぺぺぺ、ペリックだっ!!

酸っぱい香りが部屋中に拡がった。しかもかなり臭い。お酢納豆という感じだ。

葉組みはプレスしたフレイクだが、一方向にモッサリと入っていて一枚一枚は剥がせない。

湿度はまあまああり、熟成もかなり進んでいてボロボロとしている。指先でラブラブすると瞬時に粉々になった。

Va/Per(ベイパー)はサトリフ1849以来か。あれもかなりペリックの含有率が高かったが、これはヤヌスの名の通り、ひょっとして半分はペリックなのではないかと思われる。

果たして、ここからヴァージニアの風味を半分も味わい分ける事が可能なのだろうか?

いつものファルコンに詰めて早速着火してみる。

するとどうだろう。濃厚なヴァージニアのクリーム感が細やかな煙になって飛び込んで来た。同時にペリックの荒々しさも良い割合で感じられる。

なるほど、このペリックが不良少女の部分で、ヴァージニアが清楚なお嬢様の部分か。ふむふむナルホド成程。

などとボンヤリオリンピックのテレビを眺めながら燻らせていたが、少量の葉は静かに細かい真っ白な灰に変わって行き、一度には吸いきれないのでパイプを置いてしまった。ニコチンが強いわけでもないようだが、何というか「濃い」。

粉砂糖のように滑らかで白い灰なのがわかるだろうか?

この煙草はバンバン吹かす煙草ではないようだ。1回詰めては2~3回に分けて、チビチビ舐めるように味わうのがオススメ。毎週あまり進展しない大映の連続ドラマみたいである。

 

さて、そろそろベッタリとした着香が吸いたくなって来た。ここのところ、無着香や微着香が続いているので。

 

それじゃ、、、チャオ♥

何の予備知識もなく、名前だけで買ってしまった煙草。

何だかとてもいかがわしげな感じの意匠である。

缶を開けてみるとミルクチョコレートのような香り。しかしどうやら見たところブラキャベではないようだ。葉組みは比較的均一なリボンカットでプレスされたような痕跡もない。ブライト~ゴールデンのヴァージニアらしい。所々点々と茶色い葉もある。

指先でほぐしてみると、ふんわりと柔らかく、ベタついてはいない。湿度も丁度良い感じだが、指にはキャラメルトフィーチョコレートのような匂いがかなり伝染る。しっかりと芯まで着香されている感じだ。

中の厚紙にはメイド・イン・デンマークとある。「カルト」というのはブランド名で、ラールセンだかマクバレンだかが作っていたりするのかも知れない。恐る恐る開けてみたが、案外行儀の良い感じのデニッシュ・タイプに見える。

さて、早速詰めて火を点けてみよう。

使用するパイプはファルコン・シレイラのメシャムボウルだ。

火を点けるまで解らなかったビターなカカオ感が感じられた。間違いなくこれはチョコレート系の着香煙草だろう。しかし重たい感じや刺々しさはなく、クリーミーで優しい。ヴァージニアらしさも残っていてお菓子っぽくはない。

 

あまり無いタイプの煙草であるが、ユニークというわけではない。新興宗教だかハッカー集団だかわからない名前の煙草なのだが、その実態はライトな感じ。多少面白味には欠ける。申し訳ないが名前負けしていると言わざるを得ない。

意匠や名前と中身の煙草とのイメージが乖離しているというのは、パイプ煙草では良くある事なので、あまりガッカリはしないのだが、流石に「カルト」「アノニマス」と言われると邪教のお香のようなエキセントリックな香りを期待してしまうものだ。

この煙草は万人受けのするタイプの部類で、愛想の良い隣人との当たり障りない世間話のような印象で、エモーショナルな躍動性も非日常感もない。

 

とても良い煙草なのだと思うんだが、紹介のされ方が悪かった。