私的喫煙日記

  私的喫煙日記

      私の日々の喫煙生活を記録しています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
      

結局ここに帰ってくるんだなあという感じ。

アシュトンのレイニーディは、このブログで以前紹介したように思い違いをしていたが、実は今回初めて書くのであった。

もう11年以上も前に、同じアシュトンのギルティー・プレジャーを紹介した事があった。アシュトンのシリーズはギルティー・プレジャーとこのレイニーディ以外は一度づつしか試した事がないのだが、実にレイニーディは3回目の購入になる。

印象としては私の中ではラールセンのファイン&エレガントなどと同じ分類に入る煙草であるが、要するに柑橘系と洋酒のブラキャベである。

しかし、これらの中でもとりわけこのレイニーディが異なる点は、シツコくなく最後まで快適に吸え、軽快な甘さで後味もスッキリしているというところだ。

今回開けた缶も、ティン・ノートはそれほどキツくなかった。明るいヴァージニアとブラック・キャベンディッシュの美しいコントラスト。カットはファイン&エレガント等に比べて刻み幅は同じぐらいだが比較的長い。柑橘系と洋酒系の爽やかな甘い香りだが、ベットリはしていない。

指で揉む必要はあまりない。紙の上に置いて乾燥させる必要もあまり感じない。このまま摘んでボウルに放り込んで良い感じ、適度な湿度である。

いつものようにファルコン・シレイラを使う。このところこればかりだ。ステムがアルミでアルコールで洗えるせいもあって、前に吸った煙草の影響も受けにくい。ボウルもしっかりとリーミングしていれば、ほぼどんなに癖の強い煙草を吸っても、後々香りが残ったりしない。

 

では、いただきます。

 

ウ~ン。落ち着く。

やはり、ここに帰ってくる。人生において最初にパイプ煙草というものを意識したのが、まさにこのようなブラキャベを中心とした着香系だったというのが大きい。

私が20歳ぐらいの頃は、パイプ煙草に今ほどの選択肢はなく、ラタキアはもっと年配のパイプ・スモーカーの愉しみだという認識だったし、ヴァージニアやペリックなど無着香の煙草も「通」の領域だった。

所謂アメリカン・オールドスクールと現在では分類されるクラシカルな定番銘柄も、ラタキアものと同様にベテラン・スモーカーにしか理解できない不思議なコダワリで、若い私にはあまり縁のない存在だった。

初めにパイプ煙草を「美味しい」と意識したのはやはりデニッシュだった。洋酒やバニラやフルーツの香り、キャベンディッシュの製法の知識などまだまるで知らない頃、喫煙という習慣もまだついていない頃、私にとっては特別にラグジュアリーなものだったのだ。

アシュトンなどを知ったのはずっと後になっての事だ。実際若い頃はパイプ煙草に2000円以上出すなんて考えもしなかったし、近所のたばこ屋で買えるパイプ煙草は1000円以下のパウチものが中心だったし、20代中半から40歳ぐらいまでは、パイプ煙草は時たま気の向いた時に吸う程度で、日常のほとんどをシガレットで過ごしていたので、今のようにパイプ煙草に戻って来たのは40歳を過ぎてからだ。

日本の社会においては、パイプを咥えているなんてとてもエラソーな態度に見えるし、若いヤツは生意気に見られるし、ブルジョアに見られるし、得な事などひとつもない。

やっと、パイプをしっくりと日常に取り入れる事が出来たのは、中年になってからだった。インターネットで海外通販が普通に出来るようになって、大都市の専門性の高いたばこ屋に行かなくても、様々なパイプ煙草を手に入れられるようになった。とりわけ、アシュトンの煙草はちょっとした憧れがあり、缶のデザインも美しく特別に豪華なものとして映っていた。

この頃になると、私はむしろ着香系から離れる傾向にあった。特にラタキアに傾向してしまったのは、自分がかつて雲の上を仰いでいたベテラン・パイプスモーカー達の領域に、年齢的にも追いついたような錯覚をしてたからなのかも知れない。ロープ煙草やクランブル・ケーキや不思議な形状の煙草にも手を出して、何となく世界中のありとあらゆるパイプ煙草を吸い尽くしてみようなどと思うようにもなるのだが、そんな中でマクレーランドのフロッグ・モートンにも出会い、もう自分にはこれだけあれば他は要らないと思うようにもなっていた。そんなマクレーランドも廃業に追い込まれ、最早ひとつの時代が終わったのを悟った。

そして結局、自分を取り巻くパイプのあれこれに惑わされながらも、染み付いた年月の重みを担う存在がブラック・キャベンディッシュなのだという事を知った。

これはある種の「結論」なのかも知れない。20歳から断続的にであれ続いたパイプとの歴史における「結論」だ。

以前このシリーズの黒いやつをリポートした。

ご覧のようにデザインの下半分近くが警告文に占領されてしまって悲しい。こうなる前に3缶揃えたかった。このシリーズは黒・赤・緑と三種類出ていて、黒がレディーカット、赤がバー、緑がグリーンと言うらしい。

この煙草、元々はオールドスクールで、バーという塊(プラグ)で売っていたらしい。かなり硬いものだったのだろう。古い広告ではナイフで削っているのがわかる。パイプに詰めるたびに適量を削って、残りの塊をチョコレートみたいに銀紙に包んでポケットに放り込んでいたのだ。なんか、ワイルドで良い。

このポスターに描かれているように、明らかに労働者の煙草をイメージしている。庶民的な価格で提供されていた物なのだ。現代では販売元もガラハーからスタンダード・タバコになり、丸缶で提供されている。レディーカットを除く2つの缶は中にゴロンと塊が入っている。

 

こういう煙草が、かつての味をどれだけ受け継いでいるのかはわからないが、勿論材料の葉や添加物も様変わりしているのだろうから、ブランド名だけが残っているという可能性もある。今となっては想像の域を脱しないファンタジーの世界であるが、パイプを普通に携帯していた時代もあったのだなあ、と改めて思うと、あらたまって慇懃に吸うような事はいささか滑稽なものかも知れない。

 

早速開缶。

ヤヤッ!! これは意外。

開缶直後、猛烈な甘草(カンゾウ)臭!!

これはミクスチャー79やボンドストリートなどのキューブカットに見られるような、ちょっとスースーする程度ではない。ベッタリとした生の感じ、そう、むしろボルクムリーフのリコリスに近い感じだ。

プラグ(塊)と言っても、かなり湿度もあり強めにプレスした程度なので指先で簡単に崩れる。クランブル・ケーキのように粘性があるわけでもなく、すぐにグズグズになるので、ナイフなどまるで要らない。

 

さて、お味の方は。

もうね、かなーりリコリスw

どんな煙草が使われているのか、ほとんどわからない。それほど甘草が支配的である。

危惧されるのは使用したパイプに匂いが染み付いてしまうのではないかという事だ。普段はあまり神経質にパイプを分けていないのだが、これはちょっと私でも気になる。

ルームノートも気になるところで、匂いに敏感な家族が居る家庭では、気をつけた方が良いだろう。

ニコチン・レベルもかなり低いように思われる。ベースの煙草は恐らく癖の少ないバーレーで、明らかに煙草本来の味わいを愉しむタイプの煙草ではない。

 

ともあれ、これはこれでまた一興で、ハーブを愉しむ変わり種として捉えれば、たまには気分転換に良いのかも知れない。

パイプタバコは本当に多種多様である。これがパイプタバコの楽しさの一つでもある。

本当に全く予備知識がないものを缶のデザインだけで買ったりすると、丁度洋楽のジャケ買いみたいなもので、全く予想だにしない、実に奇妙な代物に出くわす事が稀ではないのである。

今回はパイプたばこの紹介ではなく、シガレット「ヒーロー」のご紹介。

良く考えた、と言うより、良く思い切ってやったものだと感心する長―いたばこw。

たばこにかかる税金は本数単位である。グラム単位でもニコチン含有量でもない。

で、長い紙巻きを10本500円で売れば良いという禁じ手に出たわけだ。

このたばこ、メーカーがはっきりしない。日辰貿易という会社が輸入しているようでサイトを訪れてみると、アークロイヤルも扱っていた。

トレードマークはイギリスの会社のようだがわからない(MADE UNDER AUTHORITY OF HUDSON TOBACCO CO.LTD., LONDON ENGLAND AND THE TRADEMARK OWNERの表記がある)。NTCというのがNissin Trading Co.(日辰貿易株式会社)の略なのかインドのカルカッタにあるNTCインダストリーズと何か関係があるのか?全くわからない。製造しているのはインドネシアのようだ(MADE BY STTC PEMATANG SIANTAR, INDONESIAの表記がある)。色々と謎に満ちたたばこなのだw

早速中を開けてみると10本の紙巻きたばこが縦に2列行儀良く並んでいる。一本を引き抜いてみると何とスルスルとその長さ17.4センチ!

このまま吸うのも一興である。

と言っても、そんな事をする人は少ないだろう。基本、好きな長さに切って吸うように考えられている。半分に切ると、それでも長い。1/3の長さ(凡そ5.8センチ)にすると、市販のシガレットのフィルターを除いた部分と大体同じ長さだ。

重さは一本2.2グラム、半分だと1.1グラム(当たり前かw)、1/3だと凡そ0.733グラム。少し軽いがほぼほぼ一本分だ。

つまり、このたばこ「HERO」は500円相当のシガレットの約1.5倍の量の葉が購入できるという案配になる(20本一箱換算で約333円)。脱法ではない。合法的節税だ。

勿論、私などは両切りに抵抗がないのでそのママ吸ってしまうのだけれど、フィルターがついていて当たり前の世代から後のスモーカー達は、不思議なぐらい両切りを吸うのが下手糞で、紙を濡らしてしまうし口の中に葉を入れて、ペッ、ペッとかやっているので、そういう人には専用のフィルターが売っている。中国製110円。これまで買うと610円になってしまって、ちょっとお得感が薄れる。

勢いでフィルターまで買ってしまったが正直要らない。でも折角なのでフィルター付きで吸ってみた。マウスピースに内蔵された紙フィルターの性能はあまり良くない。市販のアクアフィルターのようなものの方がマシだ。て言うか、これ本当にどうして専用のを作ったんだろw

メシャムのシガレット・ホルダーで吸ってみる。ウンウン、なかなか良いぞ。

ところで、肝心のお味の方はというと、、、

悪くはない。葉は主にターキッシュ、オリエント系だと思われる。少しトゲがあるが、まあまあ、許容範囲だ。

今回、少しニコチン含有量が高いのでイエローを買ってみたが、この他にレッドがある。イエローはヨーロピアン・タイプ、レッドはアメリカン・タイプと説明があったが、ひょっとするとアメリカン・タイプのレッドはヴァージニア系のブレンドなのかも知れない。

 

と、今回はタバコ代節約の為のシガレット模索が主なテーマであったが、一箱333円だと思うと他にリトル・シガー等の選択肢もありそうで、超ロングという見かけの派手さに比べると、さほどのお得感でもないな。

と冷静に考えてしまった。

今回は基本に戻って着香系の煙草。

CAOはトルコのメシャムパイプ・メーカーである。作っているのはデンマークのスカンジナビアン・タバコ・グループのようだが、「フレーバーズ・バイ・CAO」とあるように、ブランドとしてはCAOのコンセプト・デザインに基づいていると思われるので、メシャムパイプとの相性は良いのかも知れない。

 

「アイリーンの夢」

果たしてアイリーンとは誰だろうか?ホームズの峰不二子・アイリーン・アドラーかと思いきやスペルが思いっきり違ってた。

スコットランドにアイリーン・ドナンという美しい城がある。しかしブレンドとしてスコティッシュでない煙草にその名前を冠するとは思えない。

もう一つ思い当たる事がある。ミッドセンチュリーの建築家アイリーン・グレイだ。

缶のデザインもどことなくミッドセンチュリーテイストだし、ベイリーズ・リキュールを練り込んだトリュフ・チョコレートが好物だったりするかも知れない。

と考えたがそういう証拠も見つからず、取り敢えず煙草の名前については考察をやめた。

 

とにかくこの「アイリーンの夢」とやらを開缶してみよう。

黒い葉が支配する。ブラキャベだ。ティン・ノートも思いっきりブラキャベ。ほのかに洋酒っぽい香りはしないでもないが、この段階ではアイリッシュ・クリームのような香りは抽出できなかった。

缶には「アイリッシュ・クリームとホワイト・チョコレート・トリュフとある。チョコレートと言ってもホワイトであるからカカオマスの苦味は無いものと思われる。

まあまあ着香煙草らしいベタベタさはあるが、割にお行儀の良いリボンカットで、安っぽさはない。ヴァージニアらしき葉も散見できるが、果たしてこれは具体的になってくるのか?

 

早速、着火してみよう。

開始五分ぐらいで驚くのは、着火後の方が香りが立つ事だ。着香煙草はティン・ノートの方が強い物が多い。着火後もルーム・ノートが吸っている本人を差し置いて強く香る。しかしながらこの煙草は逆だ。静かに鼻から煙を通してやるとわかりやすいが、売り文句に違わず、しっかりとベイリーズのようなリキュール臭とホワイト・チョコレートの滑らかでまったりしたカカオバター臭とが際立って来るのだ。

何だろう?この高級スイーツ感。

散見されたヴァージニアは正直良く分からない。全体に煙草臭さはなく、調和しているのか埋没してしまっているのかも判断ができない。

缶のデザインから来るイメージはもっとアッサリした煙草だと思っていたのだが、実際には濃厚で贅沢な甘み。ありきたりなブラキャベではない。

洋酒とクリームの香りが鼻腔から口腔内いっぱいに拡がり、これは凄い体験である。連投してみないとこれ以上の細かい感想は述べられないが、この煙草にはかなり嵌りそうな予感がする。

メシャムとの相性も確かに良いと思う。メシャムはアクの強い煙草の雑味を和らげてくれる。この「アイリーンズ・ドリーム」は決してアクの強い方ではないのだけれど、ブライヤーで吸うともっと煙の甘ったるさが後を引くのではないかと想像できる。キレの良さはメシャムのおかげかも知れない。

ブラキャベを使ってはいるものの、コテコテのデニッシュタイプではなく、洗練されたエッジの明確さがあり、唯一無二のアロマティック・ミクスチャーと言えるだろう。

「古代ローマの神ヤヌスは、物事の内と外を同時に見る事が出来たという。この物語は、ヤヌスにもうひとつの心を覗かれてしまった少女の、壮大なロマンである。もしあなたに、もう一つ顔があったら…」

――大映テレビ「ヤヌスの鏡」より

 

大映テレビ大好き世代の流山珍がこの煙草の名前に反応しない訳がないw

サビネリのローマ神話シリーズは、このヤヌスの他にユノ(JUNO)とユピテル(JUPITER)と3種類が出ているのだが、今回は取り敢えずこのヤヌス(JANUS)の紹介。他の2つは今後紹介するかどうかわからないw

サビネリというとハードウエア(パイプ)の方が馴染み深いのだが、以前アルモニアという着香煙草をこのブログでも取り上げた事があった。

いつもの通り、割とどんな煙草なのか知らずに名前だけで買ってしまったので、開けてみてビックリwww!!こ、これはぺぺぺぺ、ペリックだっ!!

酸っぱい香りが部屋中に拡がった。しかもかなり臭い。お酢納豆という感じだ。

葉組みはプレスしたフレイクだが、一方向にモッサリと入っていて一枚一枚は剥がせない。

湿度はまあまああり、熟成もかなり進んでいてボロボロとしている。指先でラブラブすると瞬時に粉々になった。

Va/Per(ベイパー)はサトリフ1849以来か。あれもかなりペリックの含有率が高かったが、これはヤヌスの名の通り、ひょっとして半分はペリックなのではないかと思われる。

果たして、ここからヴァージニアの風味を半分も味わい分ける事が可能なのだろうか?

いつものファルコンに詰めて早速着火してみる。

するとどうだろう。濃厚なヴァージニアのクリーム感が細やかな煙になって飛び込んで来た。同時にペリックの荒々しさも良い割合で感じられる。

なるほど、このペリックが不良少女の部分で、ヴァージニアが清楚なお嬢様の部分か。ふむふむナルホド成程。

などとボンヤリオリンピックのテレビを眺めながら燻らせていたが、少量の葉は静かに細かい真っ白な灰に変わって行き、一度には吸いきれないのでパイプを置いてしまった。ニコチンが強いわけでもないようだが、何というか「濃い」。

粉砂糖のように滑らかで白い灰なのがわかるだろうか?

この煙草はバンバン吹かす煙草ではないようだ。1回詰めては2~3回に分けて、チビチビ舐めるように味わうのがオススメ。毎週あまり進展しない大映の連続ドラマみたいである。

 

さて、そろそろベッタリとした着香が吸いたくなって来た。ここのところ、無着香や微着香が続いているので。

 

それじゃ、、、チャオ♥

何の予備知識もなく、名前だけで買ってしまった煙草。

何だかとてもいかがわしげな感じの意匠である。

缶を開けてみるとミルクチョコレートのような香り。しかしどうやら見たところブラキャベではないようだ。葉組みは比較的均一なリボンカットでプレスされたような痕跡もない。ブライト~ゴールデンのヴァージニアらしい。所々点々と茶色い葉もある。

指先でほぐしてみると、ふんわりと柔らかく、ベタついてはいない。湿度も丁度良い感じだが、指にはキャラメルトフィーチョコレートのような匂いがかなり伝染る。しっかりと芯まで着香されている感じだ。

中の厚紙にはメイド・イン・デンマークとある。「カルト」というのはブランド名で、ラールセンだかマクバレンだかが作っていたりするのかも知れない。恐る恐る開けてみたが、案外行儀の良い感じのデニッシュ・タイプに見える。

さて、早速詰めて火を点けてみよう。

使用するパイプはファルコン・シレイラのメシャムボウルだ。

火を点けるまで解らなかったビターなカカオ感が感じられた。間違いなくこれはチョコレート系の着香煙草だろう。しかし重たい感じや刺々しさはなく、クリーミーで優しい。ヴァージニアらしさも残っていてお菓子っぽくはない。

 

あまり無いタイプの煙草であるが、ユニークというわけではない。新興宗教だかハッカー集団だかわからない名前の煙草なのだが、その実態はライトな感じ。多少面白味には欠ける。申し訳ないが名前負けしていると言わざるを得ない。

意匠や名前と中身の煙草とのイメージが乖離しているというのは、パイプ煙草では良くある事なので、あまりガッカリはしないのだが、流石に「カルト」「アノニマス」と言われると邪教のお香のようなエキセントリックな香りを期待してしまうものだ。

この煙草は万人受けのするタイプの部類で、愛想の良い隣人との当たり障りない世間話のような印象で、エモーショナルな躍動性も非日常感もない。

 

とても良い煙草なのだと思うんだが、紹介のされ方が悪かった。

昨今、ちょっとヴァージニアめいている流山珍であるが、今回紹介する煙草もヴァージニアNo1と同じ単葉のフレイクほぐしである。

ダン・タバコというと着香というイメージだが全く着香していない。ゴールデン&ブラウンと書いてあるけど恐らくミクスチャーではない。単葉としか思えない。

多分The Mellow Mallardと同じ煙草である。缶も同じ、吸った感じ同じなので。

メロウは「熟成された」という意味なので、吸ってみるまで少し若いのかと思ったら全く同じ煙草だった。ザ・メロウ・マラードは2300円なのに何故かこれは2100円で、この200円の差は何なのだろう?やはり熟成具合が少し若いのかも知れないんだけど、そんな細かいテイスティングが出来る流山珍様ではない(笑)。

使うパイプは最近ずっと使い続けているファルコンのメシャム。と言っても今回はステムがいつものベントではない。これはシレイラと呼ばれるネジネジしたファルコンである。シレイラとはアイルランドの棍棒の事らしく、このネジネジした感じが棍棒に似ているのでそう名付けられたそうである。ファルコンで一時代だけ作られていた幻のモデルなんだそうで、現代の感覚ではファルコン・インフィニティ(∞)とか名付けられるところなんだろうけど、「棍棒」というところがなんともイギリスっぽい。ステッキなんかもネジネジのやつはシレイラと呼ばれているそうで、仙人とか魔女とかが持ってる所謂アレだ。仙人になった気分で吸おう!

さて、開、、、缶、、、。

他のヴァージニアに比べてさほど湿った草っぽい匂いや酸味はない。ティン・ノートはあまり強くなくカサカサに乾燥している。どうも着火前の香りだけだとヘイタプっぽいのだが、そもそもヘイタイプっていうカテゴリがよくわからない。このマラードに使われている葉はアフリカ・ザンビア産なのだそうだが、ザンビア、ザイール、ジンバブエなどのアフリカ産はヘイタイプで、インド・マイソール産とかが熟成された英国式のヴァージニアなのだろうか?よくわからない。

上の写真のように、レディラブドというにはまだラブラブが足りない感じ。もう少し指の腹でラブラブしてあげないとイ・ケ・ナ・イ、です。

それでは着火。

ウ~ン、ヴァージニア(笑)。

それにしても、やっぱり私はパイプはストレートの方がしっくり馴染むなあ。

このタバコ、前に吸ったやつは名前にメロウがついていたのだがやはりそれほど癖のあるヴァージニア感はなく、着火して1ボウル吸った感想としても、ザ・メロウ・マラードとザ・マラード、全く同じ煙草だと思う。

火付きは良く、火持ちも良い。舌への刺激も比較的少ない。私のようにあまりヴァージニアを好まない人には良いのではないか?大体が私はヴァージニアはみんなヴァージニアで、吸いやすいか吸いにくいかぐらいしか区別がない(笑)。

そもそも、何故最近ヴァージニアを吸うようになったかというと、ラタキアや着香は外の店で吸う許可が下りない事があるからだ。

「パイプを吸っても良いですか?」と聴くと大体が「香りのきつくないものであれば」と言われる。私は個人的にヴァージニアも香りが弱いとは思わないのだが、彼らの言う意味は正確にはこうだ。

「変わった香りでなければ」

ヴァージニアだけの煙草は比較的この彼らの言う「変わった香り」には含まれないと、試行錯誤の上に判明した。着香でもギリギリ「スウィート・ダブリン」程度ならOKだ。私は大のラタキア好き、大のキャベンディッシュ好きなのだが(それこそがパイプの醍醐味だろうがよ!)、外出時はヴァージニアかベイパーで我慢する事にした。

というわけで、ほぼシレイラの紹介で主役のマラードについてあまり何も語っていなかったようなレビューになってしまいましたが、

あ、そうそう、

この煙草、ラブドは徹底的にやればやるほど、ラブラブなコクが出ます。もう粉々に(笑)。

昨日は珍しく手巻き用の煙草をレビューしたが、今日はその手巻き煙草「ゴールデン・ヴァージニア」をパイプで愉しむ時の、私のちょっとした工夫について紹介しようと思う。

シャグ煙草全般に言える事だが、パイプで吸う場合、通常のパイプ煙草よりも燃えやすい事を考慮に入れなければならない。そしてやはり湿度はとても重要になってくる。

買ったばかりのパウチだと、ほとんど加湿は要らない。このゴールデン・ヴァージニアは内側がジプロックになっているのでシッカリ密封できる為湿度も長持ちする。しかし一旦カラカラに乾いてしまうと、これはもう、パイプで詰めて吸うのには適さない。味も辛くなるし過燃焼でボウルを焦がしてしまう危険性もある。適度な湿り気があるかどうか事前のチェックが必要だ。乾燥気味の場合は少し加湿の時間を取ろう。

さて、ボウルに詰める分、2~3グラム程度をほぐし、ダマにならないように均一に伸ばす。ここは手巻きの時と同じだ。

次に、下の写真のように指先で小さな玉にする。

ここはキッチリと丸める。指先でシッカリとくるくる固める。固めた時は正露丸大。数秒放置しておくとご覧のようにパチンコ玉大に膨らんで戻ってくる。戻って来ない場合は葉の湿度が高すぎる。今度は適度な乾燥が必要になる。

それをポイポイとチャンバーに放り込んで行く。そして上からタンパーで静かに圧える。あまり強く圧えないように。

さて、何故こんな事をしているのか説明しよう。

誰に教わった方法でもないのだが、まあ、長年の試行錯誤の結果とでも申しますか、このようにすると火の回りや火種の安定が良く、ドローが詰まりづらいのである。

とかくシャグは通気が悪くなる。硬く詰めてしまうともう途中から全く煙道を確保できなくなる。強くフローして確保しようとすると細かい灰がバッと火皿から飛び出してくる。煙道を確保しながら葉を固める為の苦肉の策なのである。

火を点けてみる。

あとは玉から玉へ火種を上手く移動して行く。ここはタンピングのテクニックである。

経験上、火皿一杯にはしない方が良い。だいたいタンピングで圧した時にボウルの半分以下になるように。シャグは灰も細かく煙道を詰まらせる原因にもなる。上の方に灰が溜まってきたら静かにボウルを傾かせ灰皿へサラサラと落としてやると良い。

 

さて、パイプでゴールデン・ヴァージニアを吸った時の喫味だが、これはまた格別に美味い。

辛い煙草が苦手な人は少し抵抗があるかも知れないが、口腔内に拡がる煙草のヤニっぽさは喫煙の醍醐味だ。香りも実に良い。

是非一度、パイプでの喫煙も試してみて貰いたい。

 

さて、2回に渡ってゴールデン・ヴァージニアの紹介をしているが、肝心のテイスティングについてあまり触れていなかったように思う。

全体の印象としてはライトな感じ。ヴァージニア酔いをする私が言っているので間違いないだろう。何かのシガレットを解体してパイプに詰めて吸った事がある人ならわかると思うが、ちょっと吸えたものじゃない。口腔喫煙は肺喫煙よりもデリケートに香りや舌触りが重要な要素になってくるのだ。若い頃、ゴロワーズがあんまりにも好き過ぎてパイプに詰めて吸ってみた事があったのだが、あれはシガレットとして愉しむ以外の試みを努々してはならない煙草だと身をもって猛省した。

このゴールデン・ヴァージニアは葉のカットがシャグだという以外に、パイプで愉しめないという理由を見い出せない。ちょっと志向が違うが、コーネルディールのインタールードを彷彿とさせるところがある。甘みと辛味と酸味のバランスが通好み。私はことパイプ煙草の趣味においては雑食なので着香も吸えばラタキアも吸うが、本来の煙草好きとはこういう素朴な贅沢さを追求するものなのかも知れない。

そしてこの銘柄が他のヴァージニア単葉ものと比べて明らかに違うのは葉の品質だと思う。実際、現在出来上がって日本の市場で売られているシガレットで、これほど高品質な葉があるだろうか?おそらく、アメスピを含んでも、THE PEACEを含んでも、存在しないと思われる。

しかもコストは安い。一本1グラムとして50本のシガレットが作れる。実際には普通の太さで巻いて一本0.8グラムぐらいしか使わないからもっとだ。仮に1.5箱分として考えてみても、この品質のシガレットは既製品では手に入らない。

しかも、パイプで愉しめば、愉しさ二倍。

 

なかなか贅沢な気分になれるんじゃないかと思う。

今日は珍しくパイプ煙草の紹介ではない。

手巻き用の煙草「ゴールデン・ヴァージニア」である。勿論パイプに詰めても美味いのだが、少しコツがいる。シャグ煙草と言ってもシガレット用のシャグは非常に微細だ。パイプ用のシャグは0.7mm程度のリボンカットだが、このゴールデン・ヴァージニアは幅0.3mmぐらいに見える。一般に細いほど火持ちは良い。燃焼剤を添加したシガレットと違い、手巻きは太いと自然鎮火する。

私はかつて色々なパイプ煙草を手巻きにして吸っていたので、パイプ用の葉はどんなにグラインダーで細かくしようとシガレットのように均一に燃え進める事はできないのを良く知っている。

理由は一本の長さだ。回転式のグラインダーでは細かくはできても細切りにはできない。シュレッダーのような千切り式でないとだめだ。

パウチの中で固くプレスされた塊を適量ほぐし、ワシャワシャと絡めて葉同士が複雑に織り込まれるように伸ばし、ローラーに平行に置く。これを重ねて行って適量になったら閉め、グルっと一回転してからペーパーを挟む。

と口では説明するが、実際にはそういう気持ちで敷き詰めてもまあ、縦横無尽に広がってしまうものだ。まあ、そういう気持ちというかイメージが大切という事である。

では火を点けてみましょう。

うーん。

まろやかな酸味と深いコク。

濃厚な煙。

次回はパイプへの詰め方と、細かいテイスティングを書こうと思います。

(つづく)