私的喫煙日記

  私的喫煙日記

      私の日々のパイプ喫煙を記録しています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
      

関東パイプオフ会で知り合いになった友人が、コロナの影響で故郷のスペインに帰る事になった。

帰国するにあたって、パイプ煙草を整理したいと言い、大量の煙草缶を送ってもらう事になった。

以下が送っていただいた煙草である。

ほとんど全て一度は吸ったことのある煙草である(2017年に廃版となったフロッグ・モートンが入っていたのはとても嬉しい)。

ただ1つを除いては。

そう、右端に写っているパウチは、見たことがない銘柄だ。なんだろう?これは?

ロシア語のようだ。発音すら出来ない。調べようにもこの文字を入力する事もできない。

香りは甘いキャベンディッシュで、デニッシュタイプの着香系のようである。

散々苦労して、次のサイトを見つけた。

 

https://torchez.ru/tobaccoreviews/pssf/pogar-blend-no7

 

さて、これは何と読むのだろう。自動翻訳機にかけると、どうやらポーガーと読むようだ。Norapaがどうしたらポーガーと読めるのか謎だが、ロシア語はそういう文字なのである。RやNの左右が反転していたり、

ヨーロッパとはいろいろ違う。

 

さて、この煙草、吸ってみて気に入ったとしても最早入手する術もないのであるが、芳しい着香の香りは、私の好みの香りだ。

https://puro-cigar.ru/trubochniy_tabak_iz_pogara_kiset_40gr_smes7

 

翻訳をしてみると、テイストはバニラとアーモンドとある。ますます吸ってみたくなる。

 

写真のように、刻み方はラフで、かなり粗い。かつてローズバドの記述で見たカントリー・カットというやつだろうか?いや、もっとラフだ。およそ均一幅でカットされたリボン状の葉が見つからない。

いくつかのロシア語のサイトを翻訳機にかけて読んでみたところ、「イタリアの伝統的製法」とある。どうもこの煙草はどこか別の国で作られている可能性もある。

別のサイトによれば、ヴァージニア葉はアルゼンチン産とジンバブエ産で、バーレーはマラウイ産、キャベンディッシュはオリジナルで、「独自のテクノロジーを駆使した」とある。

調べたところポガル地区 (Погарский район)という町はロシアの西側ブリャンスク州にあり、煙草の産地として知られているようでもある。ブラック・キャベンディッシュだけは、ロシア産なのかも知れない。

詳しくご存知の方がいらっしゃれば、お教え願いたい。

 

いよいよ、肝心な喫味のお話。

これは、何というのだろう? 吸ったことのある感じである。馴染みの深いキャベンディッシュの甘みで、ロシア独特という事は特にない。

アーモンドと言われればアーモンドのような香りもするが、やはり支配的なのはブラック・キャベンディッシュであり、奥行きとしてはラールセンやマクバレンと比較しては可哀想だが、熟成が浅い感じがする。

美味い煙草だが、入手可能な銘柄の中でも、似たようなテイストは多くありそうだ。

 

今後、日本にこのポーガーという煙草が輸入される事はあるのだろうか?

 

ちなみに、パッケージの表示курение убиваетは英語のsmoking killsに該当する警告文だ。

先日、スモキンで紹介していたディ・エア・ポケット・パッキング・メソッドという煙草の詰め方を試してみた。

正直、驚いた。物凄く良い。なぜこんな簡単な事を今まで思いつかなかったのだろうというぐらいだ。

 

ザックリ説明すると、要するに火皿の下の方に空間を作る詰め方。考え方としては、火皿の上の方で煙草をツッカエさせ、底まで届かなくする。

詰め方にはちょっとコツが要るが、慣れてしまえばどうという事はない。

最初にボウルの口径より少し大きめの煙草団子を作る。煙草に湿り気が足りない場合は予め適度に加湿しておく。かなり固めの団子に作っても、エア・ドローに支障はない。ドロー/フローの抵抗はほぼホール付近で生じるものなのだという事を再検証できる出来事だ。団子になり安いのは長めのリボンカットだが、ポロポロの破片だらけの煙草でも手のひらに転がして固くすればそれなりに丸まってくれる。

 

そう、このメソッドはそれなりで良いのだ。

火皿の下の空間だってそれなりに空いていれば良い。実際には透けて見えるわけではないので、底まで煙草が到達しているかも知れないが、あまり厳密に考えなくて良い。

従来、3ステップのメソッドで「赤ん坊の手で」と言われていた部分を空洞にすれば良いだけなのだ。

 

色々と書いてもなかなか伝わらない。文章表現力の欠如だ(笑)。

というわけで、詰めるところを動画で撮ってみた。

そうとうテキトーな事は伝わったと思う(笑)。

手元にあるいくつかの煙草、いくつかのパイプで試してみたが、ほぼほぼ同じように詰められるという事がわかった。勿論、メシャムやクレイやコーンコブでもOK。

 

さて、問題はその効果であるが、実に様々なメリットがある。

・煙草が旨い(あくまでも主観)。

・過燃焼しにくい。

・最後の葉までキレイに白い灰になってくれる。

・火持ちが良い(ロンスモのテクニックとしても使えそう?)。

などなど。

 

デメリットという訳ではないが、懸念される事もある。

・パイプの耐久性(温度差による膨張の偏りでボウルが割れないか?)

・カーボンの偏り(ブレイク・インからこの詰め方はできないだろう)

・ジュース(十分に乾いたパイプを使用する必要がある。何故なら従来の詰め方でジュースを吸ってくれていた下層の煙草が存在しないからである)

 

さて読者の皆さんは疑問に思う事があるだろう。

そう、タンピングの問題だ。

実はこのメソッド、当たり前の事だが、吸い切るまで煙草が中腹に留まっている訳ではない。

燃焼して行くうちに団子は崩れて行く。前半から中半に差し掛かるとゴソッと底まで煙草は落ちて行くのだ。

着火の直後のタンピングは盛り上がった表面を均すだけにとどめ、決して押してはいけない。

基本的に煙草が底まで落ちるのは、自然に任せた方が良いようだ。落ちてしまってからは普通にタンピングすれば良い。

 

これからもしばらくは、私はこの詰め方で行こうと思っているのだが、200年のパイプの歴史の中で、これが一度も試された事がないとはどうしても考えられない。

ひょっとすると致命的な欠点のあるメソッドでないとも限らないのだ。

もう金輪際パイプは買うまいと何度も誓っては破ってを繰り返している流山珍だが、2017年以降本当にパイプを買っていなかった。というのも、RCMはあらゆる意味で私の理想とするパイプに限りなく近く、究極の一本とまでは言えなくとも、それに極めて近い一本ではないか?と思える程の秀逸なパイプだったからもある。

しかし何を間違えたか、このコロナの日々の鬱積した「何か」が私を狂わせたのか?このコロナの災禍の中、買ってしまったのである。

 

 

しかし言い訳を一つ言わせてもらえば、買ったのは「パイプ」ではない。パイプのボウル部分である。ファルコンというボウルの脱着が可能なシステムパイプの、ボウルの部分だけである。

 

かねてからメシャムをシャンクから独立させたいという願望はあった。ブッショカンのSパイプのボウルも脱着可能だが、白く塗ったボウルはあるがメシャムは無い。真ん丸のボウルはなかなか無いのである。ファルコン用のボウルはよくトルコで作られているが、クラシックな形かトプカピなど彫りの煩わしいものがほとんどで、なかなかツルンとした丸いものは少ない。これはネット上で偶然見つけたものである。ちょっと見つけた時はテンションが上がった。しかも直径5センチ位でかなり大きいのだ。

 

早速トルコから取り寄せたのは良いが、正直、このパイプの喫味については想像がつかない。ファルコンなのだろうか?メシャムなのだろうか?

正直、ファルコンの喫味はそれほど好みではない。ある意味、アルミチューブを潜って来る煙は理想的なクール・スモークではある。それは理論上正しいのだが、何しろパイプという代物は理論ではない。仮に理論なのだとしたら、世の中にはカーステンしか残っていない筈である。

 

 

だからまだ正直なところ、恐ろしいのでブレイクインしてない(笑)。

それにしても白く無傷なメシャムには心を奪われる。息を呑むほどに美しい。

暫くは眺めているだけにしよう………。

 

ラットレーの新しいアロマティック・コレクション、最後に紹介するのがウェストミンスター・アビーである。

新しいと言っても2017年から3年以上かけて紹介しているので、やっと6種類全部制覇できたという、一体どんだけかかってレビューしているんだという、感慨深いと言えば感慨深い、残った最後の銘柄である。

 

そもそも、これらのアロマティック・コレクション6種類のレビューの順番は、その都度適当に選んだもので、規則性はない。イメージカラーでいうと、黄、青、赤、緑、橙、紫、の順で、何となく心理的に前回とは違うモノを求めていたと自己分析できるのだが、

実はこれらの煙草、

 

ほぼほぼ同じだったw

 

懐かしい侍魂的な表現方法を用いてしまった。

もうそれは一発目のタワー・ブリッジを試してみた時から薄々気が付いていた事で、ラットレーの煙草に共通の葉を使っているからなのだと思う。

それは重厚な喫味のヴァージニアで、ある意味ではこのヴァージニアがラットレーのシグネチャーなのだと思う。それにデニッシュ的なブラック・キャベンディッシュを加え、様々な着香を加える事で、従来の堅いイメージを払拭するシリーズとして位置づけているのだと思う。これらのコンセプトは6種類共通であるから、大きくそこから逸脱(例えばラットレー独特のヴァージニアを使わないなど)する事はなく、それぞれの差異はそれらの配合比率とトッピングの表面的着香に過ぎない。

 

 

しかし事前の先入観というものはアテにならないもので、この煙草のレビュー文によると、

「クリーミー感満載キャラメルをトッピング」

とあるが、開缶して葉を引っ張り出して最初に感じたティンノートは、私の場合「柑橘系の酸味」だった。

オレンジの着香と謳っていたロイヤル・アルバートからは放たれなかった香りだ。確かに全体としてはやはりブラキャベが強く主張する。しかしながらどうやらこの香りは明るい色のヴァージニアからのようだ。そう、この銘柄は、他の銘柄よりも葉組みが明るい。黒いブラキャベが点々と目立つ程である。バニラの香りは別の銘柄でも同様にブラキャベが放っているもので、このブレンド全体に着香されているのはバニラでもキャラメルでもないのではないか?と思えてくる。

では、早速、R.C.Mに詰めて吸ってみよう。

 

 

湿り気は他の銘柄同様にかなり強目なので、軽く解したら紙の上である程度長時間乾燥させた方が良い。少しふんわり気味に詰めて着火。

 

着火後に最初に気が付くのはフローラルな香りだ。キンモクセイとかマロニエなどに共通する、少し鼻を突く、華やかな香りである。これがブラキャベと実に良くマッチしていて、この試みはこのシリーズの他の銘柄にはハッキリ為されていないと言い切れる。

甘ったるい煙草ではあるのだが、私のように着香モノが好きでしょっちゅう吸っている者には、むしろキリリとした印象であり、例えば少し前にレビューしたマクバレンのバニラ・トフィーとは一線を画する。

一言でヨーロッパの着香煙草と言っても、コールハス&コップは実に多くのブランドを扱っていて、アシュトンやロバート・マッコーネル、サミュエル・ガーウィスまで幅広くそのブランドの持つ個性を後世に伝えるべく遵守している。

当然、このアロマティック・コレクションのシリーズなど、チャールズ・ラットレーが知る由もない訳であるが、それでもスコットランドの伝統的手法を残そうとしたのかも知れない。マクバレンやラールセンとは違う、チャールズの遺伝子が、ここにも密やかに息づいているような気さえする。

 

 

さあ、

やっとこれでこのラットレー・アロマティック・コレクション全てのレビューを終える事ができた。

 

タワー・ブリッジ

バッキンガム

ユニオン・ジャック

ロイヤル・アルバート

ロンドン・アイ

ウエストミンスター・アビー

 

根本的な差異は無いものの、それぞれに細かな個性は感じられた。タワー・ブリッジとロンドン・アイはパッショネイトな明るい夏のビーチをイメージさせるテイスト、ユニオン・ジャックとウエストミンスター・アビーは少し落ち着いた都会的な雰囲気、バッキンガムとロイヤル・アルバートは更に深まった秋から冬の穏やかさを思わせる。

そしてどの風景の中に佇んでいても、主人公であり中心の被写体であるのは、スコットランド人のチャールズ・ラットレーなのかも知れない。

 


警告のシールが上手く剥がせない(笑)。

ファイヤーダンスフレイク、この煙草は私にとって定番である。
振り返ってみたら1度もレビューした事がなかった。

ヨーロッパの着香モノと違って、キャベンディッシュ主体ではない。ヴァージニアが主体の同社ベスト・ブラウン・フレイクをベースにブランデーでケーシングされた着香煙草なのである。かなり深くケーシングされているようで、着火後のルームノートにもブラックベリーの香りがしっかりと残っている。
ロットや保存状態にもよるが、湿っとりとモイスティーなスライスシート・フレイクである。
指で丁寧にほぐした後、10分以上は放置した方が良い。火着き火持ちは放置の時間を長くすればまあまあ良くなる。これはフレイク状の煙草全般に言える事だが、特に時間をかけてフワッとするまで揉み続けた方が旨い(と私は思う)。

この煙草がブレンドされた当時は、ブレンダーのサミュエル・ガーウィスは女性用に作ったそうだが、現代においては特に優しい弱い煙草とは言えない。
しかし当時のニコチン耐性としては低い方だったのだろう。凡そ現代ではパイプ煙草に甘いフレーバーが施してあるのは珍しくない。しかしこのFDFが登場した時代に於いては、かなり毛色の違った試みだったのだろう。そういう意味では着香モノのはしりとも言えるし、パイプ煙草という趣向品が煙草以外のルームノートを香らせた最初の頃の歴史的名品だと言えるのではないだろうか?

私が何よりこの煙草を気に入っている最大の理由は、香り付けが小手先でないからである。
吸い終わりまで意識して、常に爽やかなベリーの香りを出すよう、入念に工夫された跡が感じられるのだ。
現代のように確立されたフレーバリングの技術もなかった時代に、何とかしてブラックベリーの香りを足せないか?と工夫した訳である。或いは、ブラックベリーでないとならない何か理由があったのかもしれない。他の果物ではなくベリー系の甘酸っぱさを出すというのは、むしろ現代に於いてなかなか成功した例が少ない。DANタバコのデビルスホリデーは巧く出来ていると言えるが、やはりどうしても着香が勝ってしまって、煙草としての煙草らしい香りをも打ち消してしまっている。
その点、FDFの香りは絶妙だ。爽やかなベリーの香りの中に、しっかりとした煙草らしさがある。このケーシングの技術は、今となっても比類の存在である。

BBFが基礎になっているからと言って、ヴァージニア好きに人気があるかというと、やはり無着香の方が好みだろうし、グラウスムーアのような香水系の着香が色々試された時代に於いては、着香する事に対してかなりの綿密な計算が必要だ。明らかな失敗例は現存してもいない筈なのだ。バーレーやキャベンデイュシュが主体のデニッシュタイプは、1960年代を待たなくてはまだスポットライトを浴びない。つまり現代に於いては、このようなブレンドは誕生するべくもないと言う事だ。

今も尚、このFDFが製造・販売されているということは、多くの固定ファンが連面と存在し、決して退かないという事実を証明している。
これは単なる試みでも実験的試作でもなく、2世紀を渡っての「唯一の」成功例なのである。

ほぼ一年ぶりに関東パイプオフ会に顔を出した。

サミュエル・ガーウィスのFDFを4時間で2枚吸ったが、この煙草のレビューは後日「煙草」のテーマで改めてアップするとして、今日は久々の関東パイプオフ会の感想を。

 

ルノアールからバー「オールド・バレー」に移動して、ほぼ一年以上が経過した訳だが、4月5月6月と3ヶ月間がコロナ禍の為に中止になっていて、今日もまだまだ新宿という場所柄もあり、人数は少な目な会となった。

とは言ってもメシャムオフと違い、大体10人以上は顔を出していて、いつも通り和気藹々とした4時間である。私はここ数年は半年に一度ぐらいしか顔を出さなくなっているが、毎月来ていた人にとっては、3ヶ月ぶりの開催は嬉しい限りだろう。

話題はやはり、昨今都内で本当に吸える所が少なくなったねえ、という言葉が出て、それでも尚、ここのようにのんびりと日曜日の午後をパイプで過ごす場所が残っている事に、ひとしお喜びを感じ、あっという間の4時間であった。

 

オールド・バレーさんには長く続けて欲しい。とは言っても売上にさほど貢献できるわけでもなく、勝手な言い分なのだが(笑)。

 

パウチの着香モノ。

これも今回始めて買ってみた。

マクリントックといえば、前回ブラック・チェリーをレビューしてから暫く経つが、パイプタバコと言えばこのブラキャベ系着香煙草をやはり、定期的に吸わずにはおけない私。

これもマラスキーノ・キルシュとあるから、チェリー系な訳である。開封後の香りは何とも芳しい洋酒とフルーツ。これはパイプ煙草を置いている店に行くと香る、キャベンディッシュの香り。清々しい気分になり、いつまでも店を離れづらくなる。独特の香りだ。

ティンノート(パウチノート?)を暫く嗅いで、早速詰め始める。

 

ほぼほぼ揉みほぐす必要のないレディー・ラブド。LOVELOVEラブ度な度合いである。葉組みは暗いトーンで、ブラキャベが主体。バーレーが目立つ。ヴァージニア葉は言われないとわからない程度。

とは言ってもこの煙草、そこそこ売れ残っていたのかシッカリとカチカチにプレスされていて乾燥気味。家に帰ったら瓶に移し替えて加湿しよう。小さな珪藻土の破片にルクサルド・マラスキーノでも染ませて一緒に放り込んで置いたら良いかも知れない。

ま、ま、この時は外出先の喫茶店。取り敢えず一角を崩してボウルに詰める。

 

着火すると、ほぼほぼティンノートは感じられない。ドイツ系の着香にはよくあることだ。マクリントックとあるが製造販売しているのはプランタで、フォン・エイケンもそうだが、ドイツの安い着香系にありがちな現象である。何故か着火後はブラック・キャベンディッシュ主体で、あまり差別化がない。

もともと、このイル・カミーノという銘柄を、どこの会社が作っていたのかは知らないが、il Caminoというネーミングが、イタリアっぽさを演出しようとしたのは明白で、そのくせに能書きがドイツ語で書かれていたり、Placere in Mediterraneo(何語か不明w 「地中海の喜び」?)という謎のキャッチフレーズ、かと思えばLIGHT PIPE TOBACCO ITALIAN FORMULAR(「イタリア式の軽いパイプ煙草」これも意味不明w)と英語が書かれていたりして、言語も大混乱している。実に謎の多い煙草である。

私の記憶する限り、これはかなり最近見かけるようになった銘柄で、昔からあったという記憶がない。

 

まあまあ平凡なヨーロッパの着香モノであったが、ちょっと面白いのは苦味だ。意図してかせずか、このブラキャベの深さは一般的なそれよりも苦い。ほろ苦いというより「苦い」。

ふーむこれがイタリア式か…… ってそんなわけあるかい!www

とツッコミを入れているうちに吸い終わり(というのはニコチン含有率はかなり低いと思えるからだが)、二度と買う事もないだろう。プランタは廃業したようだし、在庫が終われば輸入されてくる事もない。

ティンノートの爽やかさと不思議な苦味を除けば、特に惜しいとも思わない煙草である。

 珍しく無着香の煙草を買った。

私にしては珍しい煙草である。Va/Per(ベイパー)と分類される煙草だ。自分ではほぼほぼ買わない。

以前、このブログでサミュエル・ガーウィズのキャビーズ・ミクスチャーという煙草を取り上げたが、その時は自分で買ったものではなく、その後も買うことはなかった。

この煙草に大いに興味を持ったのは、サトリフという会社に対するかねてからの疑問だ。日本での販売が終了してしまった、かのMixture No.79は、かつては一部のベテラン・パイプスモーカーに絶大なる人気を博していた。バーレー主体のアメリカンなオールドスクールである。以前このブログで紹介したエドワード・G.ロビンソンズ パイプブレンドも現在はサトリフ販売になっている。

煙草産業の世界的な縮小によって、合併を余儀なくされた世界の煙草製造業社は、本来相容れないテイストを持つ企業に自社ブランドを売る事になる。

このあたりの資本関係はかなり複雑で、例えば私のよく買うフォックス・アンド・ハウンドの発売元はスペインの葉巻会社アルタディスだったが、現在はサトリフが販売し、製造はデンマークのマクバレン社である。

様々な銘柄の煙草がブランド意匠とレシピエントだけを身売りされ、ほぼ別の煙草となっても名前だけは残っているのが現状である。現在、世界中に煙草を栽培し製造できる企業が数少なくなってしまったからだ。

そんな中でも、古き良き時代の遺産を継承しようとして頑張っている根強い銘柄もある。人間は一度憶えてしまった至福の喫煙経験を、生涯忘れられないものなのだ。これぞオールドスクールなのである。

サトリフ社のホームページでは、このSutliff1849はナショナル・ブランドにカテゴライズされている。つまりは自社ブランドだと言いたいのだろう(同じカテゴリーにNo.79もエドワード・G.ロビンソンもある)。

 

ナショナル・ブランド

サトリフ1849

この独特なブレンドは、明るい色のヴァージニア葉、甘くて赤いヴァージニア葉、および2種類のカットのペリク葉のミクスチャーです。

 

つまりこの煙草は、1849年ヘンリー・W・サトリフがサンフランシスコに小さなたばこ屋を開いた当時のブレンドだという事だ。未だMixture No.79の開発にも手掛けていない時点である。サトリフ社がMixture No.79を製造販売しだしたのは1933年と言うから、先立つ事84年前の事だ。

缶を開けると、強烈な酸気!

ペリクの配合は全体の4分の1ぐらいに見えるが、全部ペリクなんじゃないかという強烈な酸っぱい匂い。

葉組みは単純で、書いてある通り、黄色いヴァージニアと茶色いヴァージニアのリボンカット、それにペリクらしき黒い葉が短い塊とリボン状とで存在する。無着香、何の造作もないプリミティブな煙草だ。

そしてドラッグ・ストア・ブレンドのように全体が乾いていて軽い。ポンポン煎餅のように高圧をかけて葉を膨らませ「かさ」を増す製法だろう。案外これはグラインダーにかけて細かくすれば、シャグにしてシガレットになるかも知れない。

 

今回は同じ19世紀という事で、セイレーンの彫刻が掘られたアンティークのメシャムに詰めてみた。

ふんわりと浮き上がってくる。火を点けてタンパーで押さえないと収まりが悪い。少し硬詰め気味にして火を点け、点火後にゆっくりと吸い込んでみた。

肺喫できる。

パイプ煙草としては、かなり軽く、ジュースが出にくい。同じベイパーでも、例えばC&Dバイユー・モーニングなどと同じ種類では決してない。これは、そう、もっと庶民的で工業的な、所謂、「安煙草」だ!

 

ボウル半分ほど吸い切ったところで、この煙草の真価に気が付く。

実に軽快なのである。シツコクなく、純粋に煙草を味わえる。無理な気取りも無ければ、重苦しい甘みや旨み、衒いもない。

スパイシーなペリクがダイレクトに入ってくる。だから物足りなさもない。

本当にマクバレンという会社は、様々な煙草が作れるんだなあ。このようなアメリカン・オールドスクールも作れるのかと思うと、実に多彩だ。

しかしこの煙草、ちょこちょことシガレット感覚で吸い切ってしまいそうだ。

ペリクはウイスキー樽に漬け込んだ物。バーボンでも吸わせて加湿したら、面白い事になるかも知れない。

初めて買う煙草である。ヴァニラ・クリームという大昔からある定番の煙草の亜種である。

ヴァニラ・クリームは図らずもよく買ったものだ。というのは、四年前まで住んでいた祖師ヶ谷大蔵の商店街(現ウルトラマン商店街)にはパイプ煙草を置いているたばこ屋が「ルピナス」と「イシイ」の2軒しかなくなってしまい、しかも限定した銘柄しか置いていなかったからだ。

「ルピナス」にはハーフ&ハーフしか置いてなく、「イシイ」にはアンフォーラ・フルアロマとマクバレン・ヴァニラ・クリームしか置いていなかった。アンフォーラとハーフ&ハーフはわかるとしても、何故ヴァニラ・クリーム?というのは未だに謎である。どうやら、近所に常喫している人が住んでいるらしく定期的に売れるかららしい。

 

ヴァニラ・クリームはそんなわけでよく買って吸っていたのだが、辟易するほどのヴァニラ臭で、あまり常喫向きとは思えない。煙草としても強目でしっかりとニコチンを摂取できるので着香好きのスモーカー向きという訳でもない。特にパウチものはフレーバーが飛び易い為か丸缶より入念に着香されており、そりゃあもうヴァニラ・エッセンスを床一面に溢してしまったようなルームノートである。

ヴァニラ着香というとブラック・ヴァニラ(プランタ)が先ず挙げられるが、これに比べたらさほどヴァニラではない。凡そヴァニラの着香ではこれ以上ヴァニラをストレートに表現した煙草はないのではないかと思う。

 

あまつさえこの様な強烈なヴァニラなので、更にトフィーともなればそれ相応の覚悟が必要だ。

 

トフィー(英: toffee。英語発音: [ˈtɔːfi] トーフィ、[ˈtɔfi] トフィ。日本ではしばしばタフィーとも呼ばれる。)とは、バター(および場合により小麦粉)と共に糖蜜または砂糖を加熱(転化糖を生成)して作る菓子である。材料は、摂氏150から160度(華氏300から310度)のハードクラックキャンディ になるまで加熱する。トフィーは、ナッツやレーズンと混ぜて調理されることがある。

(ウィキペディアからの引用)

 

恐る恐るパウチを開封すると、

ムムムッ!!確かに凄まじい。

これは堪らん。良い意味でも悪い意味でも。

 

それでは早速、火を点けて吹かしてみよう。

あれっ?

っとなった。ヴァニラ・クリーム程には執拗くはない!

トフィーという程好いロースト感が加わる事によって、突き刺さるようなヴァニラ臭が軽減されているのだ。

存外にバランスの均衡した、ありふれたフレーバーになってしまったと言わざるを得ない。少し辛口な言い方をすれば、スウィート・キャベンディッシュ系の着香煙草としては、全く面白みに欠ける。

そして、喫煙終了後の感想として、どうもこのヴァニラ・トフィーは、ヴァニラ・クリームよりもニコチンが弱いのではないだろうか?尤もこれは検証不可能な主観に過ぎない。たとえそうであったとしても、平均的な着香ものに比べニコチンが低いという事はない。

 

ただ、私は従来のヴァニラ・クリームの方が断然好きだ。

前回ピーターソンから復刻したマイミクスチュア965をレビューしたので、これも書かないわけにはいかないだろう。

ダンヒル主要銘柄の復刻は、ピーターソンよりも一足早くロバート・マッコーネルが手掛けた。当初このメリルボーンはマイミクスチュア999と銘打って発売されていたが、ライセンスの関係で現在では全くダンヒルとは無関係な煙草として売られている。

ピーターソン版のマイミクスチュア965をまだ吸い切らないうちに、この際2つの復刻版を吸い比べて見ようという試みだ。

 

開缶後のティン・ノートからしてこのロバート・マッコーネル版はかなり違う。

一番に違うのはラタキアの匂いだ。含有量はレシピエント通りだろう。それはピーターソン版も変わらないのだと思うが、ラタキア葉自体の香りがより強く感じられる。湿度はまあまあピーターソン版と同じだ。

時勢から判断してどちらもキプロス島産のラタキアなのだろうが、このメリルボーンに使われているラタキアは少しシリア産に近い匂いを持っている。

元祖のダンヒル版と比べられないのが残念だが、かつての古いダンヒル965はシリア産のラタキアを使っていたと思われ、近年になってキプリアン・ラタキアを使うようになってからは、全体にまろやかな印象に変わっていたのだ。

 

さて、早速パイプに詰めて着火してみる。

旨い。確か、ロバート・マッコーネルの他の煙草でこんな感じの物を吸った記憶がある。ヴァージニア等の原料葉はロバート・マッコーネルが他の銘柄にも使っているのと同じ葉に違いない。それら普段使っている葉を、マイミクスチュア965のレシピ通りに配合し、イングリッシュ・ミクスチュアとして仕上げたのだろう。これらの原料葉はピーターソン版より良質な感じだ。

ピーターソン・マイミクスチュア965は2400円、ロバート・マッコーネル・メリルボーンは2090円。310円も安いのに何だかメリルボーンの方が高級な葉を使っていて、断然お得に感じられる。

 

結論を言うと、私はピーターソン版のミクスチュア965を、金輪際買う事はないだろう。そう断言出来るのは、このメリルボーンがあれば存在価値がピーターソン版に失くなるからだ。

この両者の勝敗は私の中では確実に決まってしまった。同じレシピで作られた複製品ではあっても、メリルボーンは原料葉の品質が圧倒的に高い。軍配はメリルボーンに上がった。

ダンヒルの965にどちらが近いのかはわからない。ピーターソン版はダンヒル廃版寸前の965に近く、メリルボーンは全盛期のダンヒル965に近いのかも知れない。

パイプ煙草にはニコチン含有量の目安も表示義務がないが、どうも体感ではピーターソン版よりもニコチンが強い気もする。とにかく、煙草としての底力には、残念ながら両者の間に差を感じざるを得ない。