これは急性骨髄性白血病の治療の工夫についての研究結果をまとめた論文で、1998年に米国の専門雑誌に掲載されたものです。

抗癌剤治療を工夫することで多くの方が長期生存できるようになります。

1983年頃は、不治の病であった白血病の治療法の標準化が進められた時期であり、この白血病治療の黎明期に病棟医、その後病棟医長として直接多くの白血病の方の治療を行ったことも私にとって大変幸運なことでした。

今とは違って抗微生物剤の数も少なく、治療を成功させるには小さな変化を適切に読み取り、それに対処する必要がありました。この経験によって、私の白血病治療の技術は格段に高まり、多くの急性白血病患者を寛解に導き、治癒した方も多くいらっしゃいます。

一方で、骨髄異形成症候群に急性白血病の治療を行っても、よい結果は得られませんでした。

これが私が骨髄異形成症候群の研究に力を傾ける大きなきっかけになりました。

 

私が最初に経験したIHさんは、FAB分類では不応性貧血(refractory anemia,RA)と分類されました。この方は関節リウマチ(RA)も患っており、2つのRAを持っていたことになります。

当時、私はこの方は偶然2つの病気を持っているものと思っていました。

その後MDSの研究が進み、今ではMDSには頻繁に関節ウマチなどのリウマチ系統の病気や免疫異常を合併することが知られています。

私が研修医時代に病棟に入院中のhematopoietic dysplasia(HI)と診断されている方担当することになりました。MDSはかつては、HIや前白血病などの様々な名前で呼ばれていました。FAB分類が提唱され、皆が同じ基準で診断できるようになり、MDSの理解と治療法の研究が深まっていきました。

私は恩師の野村武夫教授から、FAB分類で診断をやり直すように指示されました。

野村武夫教授は顕微鏡診断の専門家で、この先生に指導を受けたことは私にとってとても幸運なことでした。

MDSの診断や治療による変化を適切に判断するには、精密な顕微鏡検査技術が必須であり、私の正確な診断と後述する際だった治療成績は、この顕微鏡診断技術が大きく貢献しています。

野村教授は大学を定年退職されるに際して、血液細胞の顕微鏡写真がふんだんに掲載されている数多くの洋書・和書を私に下さいました。私もいつか喜んでこういった本を譲れる後進に出会いたいと願っています。

 

骨髄異形成症候群の概念は1982年にFAB Groupによって確立されました。

FAB Groupというのはフランスとアメリカとイギリスの学者達が自主的に集まったグループです。

彼らは自分たちのことを「7人の侍」と称していたそうです。

彼らはその成果をBritish Journal of Hematology(英国血液学会雑誌)に発表しました。


 

昨日2月29日の緒方先生のお話「骨髄異形成症候群と戦い続けて」はいいお話でした。
いつものお話もとても説得力があり参考になるお話ですが、昨日のお話はいつにも勝ってよかったですね。

いらした方は幸いでした!

 

生憎と録画していなかったので、ちょっと悔しいです。

さらに進化したものを次回もお話いただきますね。

今回のものはパワポをもとにHP上で再現したいとおもいますが。

先に少しずつブログでまとめていきたいと思います。

 

 

というテーマでお話いただけないかと、緒方先生に頼んでおきました。

ほんの今日の話ですが。

今回はコロナウィルス警戒のためか参加の申込みがあまりありません。

診療所の中は安全ですので、是非ご参加を。

でも、周囲に危険を感じている方は外出は自粛されたほうがよろしいですね。

今や大病院の外来は戦々恐々のようで、患者さんたちも受診を自粛されている方も多いです。

 

2月29日というRareな日ですから、ちょっとしたHotなお話を是非伺いたいものです。

 

昨日は天皇陛下の誕生日。今日は振替休日だったんですね。

一般参賀は取りやめになりましたが、60歳の還暦をお迎えになったということで、おめでたいことです。

お若いですよね、見た目。皇后陛下も。

 

私も今年還暦です。

32歳の時、あることがあって、泣きながら身辺整理をして全てを1回きれいにしました(失恋じゃないですよ、念のため)。

それからは何があっても、あまり動揺しないようになりました。

どれほど悲しいことがあっても、どれほど辛いことがあっても、どれほど悔しいことがあっても、ある程度達観できるようになりました。

その代わり、どれほど嬉しいことがあっても、どれほど楽しいことがあっても、どれほど褒められても、やはり達観するようになっちゃいました。人生、既に1回終わっちゃったような感じですね。

 

それでも変わらないものは美しいものへの賞賛の思いです。

人であれ、物であれ、自然であれ、美しさへの賞賛の思いだけは却って強く意識されます。

素敵といったら良いのでしょうか。

英語でいったら adore=love and respect (someone) deeplyという感じでしょうか。

 

今、多くの患者さんとふれあう中で、多くの「人」として美しい方々とお会いできました。

美しい、素敵なご家族ともふれ合うことができました。

本当に有り難いことだと思っています。

これからも数多くの素晴らしい美しい方々とお会いできると思います。

 

今朝、通勤途中で、早朝散歩をされているご夫婦をみました。
そして浮かんだ言葉は「仲良きことは美しき哉」。

武者小路実篤の色紙に書いてありましたね。

昭和の時代にはありふれていましたが、今、改めて思い出した言葉でした。

あれからずっと残りの人生ですが、

これからも残りの人生、せめて少しでも美しく生きたいものです。

 

 

 

米国立モフィット癌研究センターでCEOが解雇されました。

ここは新薬の治験を多くやっている組織です。

中国が狙うのは当然と言えば当然ですね。

MDSの治験も相当やられています。

フォーラムでも取り上げたMDSのビダーザ治療に関して、東京血液疾患診療所を除き、一番いい成績をあげていたのもここ米国立モフィット癌研究センターのデータでした。

一度ワシントンでお会いしたことがあります。あちらは覚えてもいないでしょうけれども。

たまたまモフィットキャンサーセンターのCEOが血液のドクターだったってだけでしょうか?

いろいろな発表データの信憑性まで不信になりそうでねえ。

単に中国からお金をもらって治験データを流していただけでしょうか?

それともお金をもらっていただけで、情報は流してないとか……ないでしょうね~。

米国立モフィット癌研究センター自体が天津医科大学と提携していたらしいので。

そうなると微妙ですよね。どこまでが友好で何処までが情報漏洩か。

 

データは正しいのでしょうか……。

 

昨日18日、メール下さったMさん、どこからメールしても、メーラーを代えても、Webメールにしても、返信ができないので、お電話下さい!