Atchana | 化石屋のブログ

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モロッコのデボン紀地層で最も有名な地名と言えばこのAtchana(La Atchanaとラテン語の定冠詞を付けて表記する事も有ります)、Jbel Issoumourの西南近くから始まるのがAtchana。幅は約1m程の地層が南北に40km程続いています。

このAtchanaでは80年代始め頃から近隣の村人が化石の採取を初め、それを土産物として販売を始めました。 当時採取されていた化石の殆どはPhacops、DrotopsやMetacanthinaと言った物で、現在の様に多種多様の種は採取されていませんでした。 正確には出土していたのですが、誰も気が付かなかったと言うのが正しいでしょう。

その後この地でフランス人Roland ReboulがDicranurusを発見します。 元から出土していたのですがあの特異な形態の為、その断片からでは全体像が見えず、誰も何の化石なのか解らないまま捨てている状態でした。 それをRolandがDicranurusだと断定した訳です。 それ以降この市場で高額で売買されている稀少種Dicranurusが出ると解ったため、Atchanaでは100グループ程の原石採掘者が掘り始める事に成ります。 そして新たな種も見つかるなどAtchanaは90年代終わり頃まで最盛期は続きました。 しかし時代と共にめぼしい場所は殆ど掘り尽くされ、採取量は目に見えて減り始めます。 現在Atchanaで採取をする原石屋は数人に成っている状況です。 ここで原石を掘るより他へ行くか、全く別の仕事をした方が良いと言う訳です。

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細く溝の様に続くAtchanaの様子です。 ここへは道は悪く4X4かバイクでしか行くことが出来ません。 この辺りはまだAtchanaでも北端ですから近くの村までなら自転車で移動も可能です。

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小振りなオドントチレの尾板Get 保存状態良好なのでこの辺りで完体が採取出来ればかなり綺麗な標本に仕上げる事が出来ると思います。

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南に行けば行くほど地層が地下へ潜っていきます(Issoumour山も南に行くほど低く成ります) 1m2mと掘り下げられる共に落盤等の危険も増します。

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さらに南へ移動して行くと原石屋に遭遇。 聞けばこの場所で1ヶ月キャンプしながら作業しているとの事、Alnif辺りの村へ帰っていたら時間がいくら有っても足りないのでキャンプしながらの作業と成ります。