Lghafte (Issoumour) | 化石屋のブログ

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Lghafte、聞き慣れない産地名ですがJbel Issoumourと言う山にはあちこち化石が採取出来る場所が在り、地名の有る物から近くの集落の名前で呼ばれる物まで様々です。 このLghafteもIssoumourの麓に在るそんな場所の一つです。

今回この小さな採掘場所へ出かけたのは訳が有りました。 実はこの場所が幻の三葉虫Burmeisteria armatus通称"Elvis"とも呼ばれる三葉虫の産地だからです。 そして棘の無いBurmeisteria gigas(
Scabrella)の産地でも有ります。 厳密にはElvisは画像の場所よりIssoumourの崖を少し登った場所で採取され、gigasは画像の場所から採取されます。

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沢山の採取の為の穴が開くLghafte。 地下2m程の場所から化石を採取しています。

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穴を覗いて見たところです。 ここではZlichovaspisやCrotalocephalus等も採取出来ます。

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大きなZlichovaspisの頭部のネガ部分発見。

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Burmeisteria gigas(Scabrellaとも呼ばれています)です。 ここで採取をししている原石屋に見せていただいた物です。

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問題はこちら。 これはElvisの尾板の一部です。 棘が生えていた跡が確認出来ます。

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こちらは上の画像のネガ部分です。良く見ると折れた棘が母石の中に有るのが判ります。 プレパレーションするなら棘を一つ一つ取り出すしか手はないですが、棘が有るBurmeisteriaは実在すると言う証拠写真です。 完体を目にすることはまず無いBurmeisteriaは、「そんな三葉虫は居ないのでは?」と思われがちですが、ちゃんと存在します。 ただ入手はほぼ不可能なまさに幻の三葉虫です。

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そしてこれがBurmeisteria armatusの完体画像です。