その手術、ホントに必要? |  国際マッケンジー協会日本支部公式ブログ

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 McKenzie Method® of Mechanical Diagnosis and Therapy®(MDT)は、 腰痛や首の痛み、手足の痛みなどで悩む人が、そうした症状によって損なわれている健康を、
 その人自身が主体的に回復することを支援する評価・治療・セルフマネージメントを包括したシステムです。


手術待ちの腰椎ヘルニア患者41名に対しマッケンジー法を採用したリハビリを施行したところ、手術を受けたのは3ヶ月後で0名、1年後でもたった3名だったという結果だった。(対照群は結果的に35名中25名が手術を受けた)

(Svensson GL, et al. 2014.)


これは2014年にスウェーデンにて発表された研究ですが、さらにこの研究中にリハビリ群、対照群合わせて14名の患者が、それぞれの治療を始める「前に」回復してしまったとのこと。

リハビリ群においては、動作に対する恐怖心や自己効力感、治療に対する満足度など、全ての評価尺度において優位な改善を認めました。

手術の本当の必要性とは一体なんなのかを考えさせられる内容ですね。


手術という言葉には「何だかとても大ごとになってしまった」というイメージの一方、「カラダの中を切り開くまでするんだから、どんな腰痛でも治るでしょ!」という過信みたいなものもどこかに持ち合わせていませんか?

しかし果たして本当にそうでしょうか。


手術はあくまで最終手段。手術は決して万能のものではなく、身体的にも心理社会的にも、目に見えないところでも多大な負担やリスクが伴います。「とりあえず手術」と考えるより前に、もっと自分のからだに秘められた自然治癒力を最大限に引き出すような、「more activeな」対処を考えることはできないでしょうか。


他の手段が尽きてしまったのならまだしも、「手っ取り早そう」「万能そう」という印象だけで、安易に手術に踏み切ってしまう考え方はキケンかも知れません。



国際マッケンジー協会認定セラピスト

神崎 勝和