参議院選挙も近くなってきて、骨太方針が閣議決定されました。岸田総理の「新しい資本主義」について情報発信がされていますね。
5月29日の日経新聞で以下のような報道がされました。
<日経>
創業融資の個人保証不要 「新しい資本主義」政府原案
概要としては、以下のような内容になります。
・政府が6月にまとめる「新しい資本主義」実行計画の原案がわかった。
・スタートアップの支援を柱とし創業資金を借りやすい制度をつくる。
・信用保証協会の保証がある場合、経営者の財産を担保にとる個人保証を不要にする。
何だか・・・これが新しい資本主義か??って感じてしまったのは私だけでしょうか。
もちろん、これはとても重要なことです。
個人保証は、創業のネガティブ要因でもあります。
ただ、同時に個人保証があるので、金融機関としては貸しやすいという側面もあります。
日本公庫などでは、既に新創業融資制度などがありますね。
もう少し、具体的にどうような設計でどういう行程になるのか?について知りたいものです。
この個人保証をなくす・・・というのは、私の記憶ではもう10年以上前から言われています。
確かに少しづつは前進していると感じております。
さらに、6月2日に以下のような報道がされました。
<共同>
創業時の個人保証、不要に 首相、スタートアップ支援
概要としては、以下のような内容になります。
・スタートアップ(新興企業)の創出や育成を促す。
・商工中金が手がける創業融資で経営者の個人保証を原則廃止する方針を明らかにした。
・信用保証協会の保証があれば個人保証を求めない制度を新設すると表明した。
・スタートアップ支援は、政権の経済政策「新しい資本主義」の中核の一つ。
6月2日に「日本スタートアップ大賞2022表彰式」でこのように説明されたようです。
<参考>日本スタートアップ大賞2022表彰式
「商工中金が手がける創業融資で」と言われると、違和感を感じますね。
商工中金では、いわゆる“日本公庫のような”創業融資は実施しておりません。
一例ですが、会社を止めて飲食店で開業する、というような支援をしているのは日本公庫になります。
もちろん、商工中金では、スタートアップやアーリーステージの支援はしております!
さらに言うと、基本的に商工中金さんは、既に個人保証を取らない融資に力を入れています。
これが、政権の経済政策「新しい資本主義」の中核の一つだと言われると、、、どうなんでしょうか。
別に政府を批判しているわけではありません・・・・
是非、もう少し踏み込んで何かアイデアを出してほしいと願っている次第です。
また、先日、骨太方針が閣議決定されました。
骨太方針・新資本主義、7日午後に閣議決定
骨太方針の詳細については、以下から見ることができます。
「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」(骨太方針2022)
骨太方針と同時に「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」も見てください。
新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ(2022年)
正直、あまり面白くないです(苦笑。
骨太方針=中小企業施策ではありませんので、しょうがないと感じます。
ただ、もう少し何かしらのインパクトのある方針を出してほしい!って思いました。
今現在、コロナ禍+原油・物価高騰の真っ只中です。
もう、アイデアなど、なかなかないよ~!っていうのが本音なのでしょう。。。
実際に難しいですよね(苦笑。
私達、中小事業者としては、今後、資金繰り関連でできることは限られます。
1.中小企業の金融施策で利用できるものは利用する。
2.情報収集を怠らない。知らないと損します。今や正直者が馬鹿を見る日本です。
3.金融機関さんとのコミュニケーションを図る。
4.顧問税理士さんとのコミュニケーションを図る。
5.「資金ショート=倒産」ということを忘れずに資金繰り対策をする。
などなど。。。。
それと、私も含め、中小事業者を支える側の専門家も試されるのかもしれませんね。
それぞれが果たすべき役割を徹底的に果たす!ということでしょう。
日本の全事業者が事業再構築して増収増益になることができることなど、あり得ません。
優勝劣敗、二極化が進捗するかもしれませんが、それぞれの役割を全うしたいものですね。
私も、私ができることをがんばろう!って思っています。