「印象派 モネからアメリカへ」展を訪れて(下) | 松原湖高原☆風だより

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松原湖高原(八ヶ岳・東麓)からお送りする
四季折々の朝風

(同名の前稿のつづき)

 

今朝は、先月31日(水)に訪れた

 

表題の美術展についての後編。

 

入場後の様子についてだ。

 

 

(パンフレット)

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

スマホのQRコードを読み取ってもらい、

 

入場した。

 

 

(入口正面の小部屋の壁)

    (注:ちょっと薄暗かった。)

 

 

なお、本美術展の、部屋割りは次のとおり。

 

 

小さい画像で恐縮だが、3フロアーに

 

分かれていて、

 

★ B1F 第1章&第2章 

★  1F     第3章&第4章

★  2F     第5章&特設SHOP

 

となっている。

 

 

なお、この日は開催5日目。

 

そのせいか、平日にしては

 

観客は多かった。

 

とりわけ目立ったのは、若い女性が

 

非常に多かったこと。

 

印象派だったからか、時期的なものか

 

(大学が試験休み)、それとも、、、?

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

★ 第1章関係

 

最初の部屋に入る。

 

この章は、印象派への橋渡しをした

 

画家たちの作品が並ぶ。

 

まずは、トマス・コールの『アルノ川の眺望、

 

フィレンツェ近郊』が出迎えてくれた。

 

彼は、アメリカのハドソン・リバー派の

 

創始者と目されている。

 

次に、コンスタン・トロワイヨン、

 

コロー、ドービニーと、フランスの

 

バルビゾン派の重鎮らの作品、

 

そして、アメリカの風景画の父と呼ばれる

 

ジョージ・イネスの作品。

 

全体に、バルビゾン派らしい

 

暗い色調の絵が多かった印象。

 

 

★ 第2章関係

 

この章は、フランスの印象派の

 

作品が並ぶ。

 

モネに戸外で絵を描くことを教えた

 

ブーダンを初め、モネ、セザンヌ、

 

シスレー、ピサロと印象派の

 

有名どころが並び、ベルト・モリゾ、

 

メアリー・カサットと女性画家が

 

つづく。

 

本美術展の二つ折りパンフは、

 

モネの『睡蓮』とチャイルド・ハッサムの

 

『花摘み、フランス式庭園にて』が

 

表裏を飾っている。

 

お目当ての『睡蓮』。

 

筆者は、これまでに20作近くの

 

『睡蓮』を見てきた(筈だ)が、

 

1908年作の本作品は、最も淡い

 

色調で描かれたうちのひとつ

 

ではなかろうか。

 

ところで、不肖筆者はハッサムの名を

 

知らなかった。

 

Wikipediaを当たったところ、

 

アメリカ、ボストン生まれで、

 

パリで3年学んだあと帰国。

 

アメリカ印象派の代表的存在

 

とのことだった。

 

『花摘み』は、全体的に濃い緑が

 

支配する画面に、赤、ピンク、

 

白の花が点々と配置されており、

 

画面のほぼ中央には白衣の女性が

 

摘んだ花の束を手にして立つ。

 

明るい色調の好ましい絵柄。

 

 

★ 第3章関係

 

 

この章は、フランス印象派の

 

他国への広がりようを示す。

 

ホイッスラー(アメリカ生まれ。

 

英国、フランスで活躍)、アルフレッド・

 

ステヴァンス(ベルギーの画家)、

 

ヨゼフ・イスラエルス(オランダの画家)、

 

アンデシュ・レオナルド・ソーン

 

(スウェーデンの画家)など。

 

他に、アメリカ人画家でロンドンで

 

活躍したジョン・シンガー・

 

サージェントの数作品や黒田清輝など

 

日本人画家の作品も。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

★ 第4章関係

 

そして、本美術展の目玉、アメリカ

 

印象派の作品群。

 

名前を知らない画家ばかりだ。

 

例えば、ウィリアム・メリット・チェイス、

 

フランク・ウエストン・ベンソン、

 

ジョセフ・H・グリーンウッドなど。

 

第2章に出てきたハッサムの名も

 

あった。

 

各画家の絵の傾向をNETで漁ったところ、

 

グリーンウッドとウィラード・リロイ・

 

メトカーフの風景画が気に入った。

 

本美術展出品作の前者の『リンゴ園』や、

 

後者の早春の野辺を描いた『プレリュード』も

 

好みだ。

 

 

★ 第5章関係

 

印象派から、次の表現方法を求めて

 

歩き出した画家たちの作品群。

 

セザンヌ、シニャック、ブラックといった

 

著名画家と、第4章に出てきた画家の

 

変容と、本章初出の画家と。

 

ポスト印象主義、ネオ印象主義(点描)、

 

キュビスム(立体主義)、トーナリズム

 

(色調主義)等だ。

 

 

筆者は印象派以降の新しい動き、

 

例えば、セザンヌ、ネオ印象派、

 

フォービスム/キュビスムなどは、

 

余り好みではない、

 

また、トーナリズムという言葉は、

 

この記事を書いていて知ったばかり。

 

特に、茶系の色が主調の絵の場合、

 

セピア色と言えば聞こえがいいが、

 

半世紀前の古ぼけた写真を見ているようで、

 

懐かしさは感じても気がめいりそうな

 

感じがしなくもない。  

 

 

★ 全体的感想

 

 

アメリカの画家やその作品に関する

 

知識がほぼ皆無だった上、事前の

 

情報収集もしなかったので、

 

注目すべき作品がどれかも知らないまま。

 

パンフに載っていた作品が恐らく

 

そうなのだろうと順に見ていっただけ。

 

この記事を書いたあとに、2度目の

 

観覧をすれば、遥かに効果的だろうと思う。

 

毎回同じような反省をすれど、

 

実行にはつながりそうもない。

 

 

なお、アメリカの印象派の作品を見ていて、

 

思い出した作品がある。

 

それは、先年、「スコットランド国立美術館

 

THE GREAT 美の巨匠たち」展にて見た

 

フレデリック・エドウィン・チャーチ(注)

 

勇壮な『アメリカ側から見たナイアガラの

 

滝』。あれはよかった。

 

   (注:アメリカの風景画家。1828~1900。

      ハドソン・リバー派)

 

 

 

(会場出口付近)

 

(同)

 

(エスカレーター前)

 

 

 

          <以上、この項、了>

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

<参考①> 美術展の概要

 

★ 名称:印象派  モネからアメリカへ

     ーウスター美術館所蔵ー 

★ 見みどころ:

   ① モネ、ルノワール、カサット 名だたる

    画家たちの作品が集結

   ② 海を越えて花開いた”アメリカ印象派”

   ③ 日本初公開!ウスター美術館コレ

    クション

★ 会場:東京都美術館(東京・上野公園)

★ 会期:開催中~4月7日(日)まで

★ チケット:

   一般 @2200

   65歳以上 @1500

   大学生・専門学校生 @1300

   高校生以下 無料

   身体障害者等と付添の方(1名) 無料

★ その他:

   土日・祝日及び4月2日以降は日時指定

   予約制

 

 

<参考②> 展示の構成

 

★ 第1章 伝統への挑戦

 トマス・コール『アルノ川の眺望、

 フィレンツェ近郊』、コンスタンス・

 トロワイヨン『リンゴ採り、ノルマンディー』、

 コロー『幸福の谷』、ドービニー『ヨンス川の

 橋(夕暮れ)』 など11作品。

 

★ 第2章 パリと印象派の画家たち

 ブーダン『工事中のトゥルーヴィルの橋』、

 モネ『税官吏の小屋・荒れた海』、同『睡蓮』、

 セザンヌ『オーヴェールの曲がり道』、

 シスレー『洗濯場』、ピサロ『ルーアンの

 ラクロワ島』、モリゾ『テラスにて』、

 ルノアール『アラブの女』、メアリー・カサット

 『裸の赤ん坊を抱くレーヌ・ルフェーヴル(母と子)』

 チャイルド・ハッサム『花摘み、フランス式

 庭園にて』  など12作品。  

 

★ 第3章 国際的な広がり

 

 ホイッスラー『「バラ色と銀:陶器の国の

 姫君」のための習作』、アンデシュ・レオナード・

 ソーン『オパール』、ジョン・シンガー・

 サージェント『コルフ島のオレンジの木々』、

 黒田清輝『落葉』、久米桂一郎『秋景』、

 など18作品。

 

★ 第4章 アメリカの印象派

 

 ウィリアム・メリット・チェイス

 『ウィリアム・クラーク夫人』、フランク・

 ウェストン・ベンソン『ソリティアをする

 少女』、ジョセフ・H・グリーンウッド

 『リンゴ園』、ジョン・ヘンリー・

 トワックマン『滝』、チャイルド・ハッサム

 『コロンバス大通り、雨の日』 

 など13作品。

 

★ 第5章 まだ見ぬ景色を求めて

 

 セザンヌ『「カード遊びをする人々」の

 ための習作』、シニャック『ゴルフ・ジュアン』、

 ブラック『オリーヴの木々』、

 ジョージ・イネス『森の池』、ドワイト・

 ウィリアム・トライオン『秋の入日』、

 デウィット・パーシャル『ハーミット・

 クリーク・キャニオン』 など14作品。

 

 

   (以上、本美術展公式サイト、

    パンフレット、展示作品リストより)

 

 


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日光の猿以下かもと冬惜しむ

        

             詠み人:樺風

 

 

 

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