(つづき)
私:その人生が終わった時に、中間世で、Dさんが娘にこう言ったんです。
私:「人生って、もっと自分の好きなように自由に生きていいんだよ。来世では僕と一緒になりなよ。僕がどう自由に生きてるか、見てれば?」って。
D氏:あっはっはっは…!
奥様が結婚して20年以上ずっと、何をするにも、何を買うにもD氏にお伺いを立てるのは、この過去世が影響しているからでしょう。
D氏:「別に聞かなくても、自分が買いたいものは好きに買っていいよ」と言ったこともあるんですけど、その時は「ありがとう」って言って、次に何かを買うときはまた聞いてくるんです。
そのとき、再びヴィジョンが浮かんできました。
私:この過去世のときに、娘が一度だけ両親に逆らって隠し事をしたことがあるんですよ。
その時にこっぴどく怒られて大変なことになっている。
そこから「一切隠し事をしちゃいけない」ってなってる。
私:何があったのかな…。
ああ、えっと、16か17歳ぐらいのお年頃のときですね。
私:ときどきやって来る若い行商人がいるんですよ。
各地の特産物を仕入れては、「こういうものが手に入りましたが、いかがですか?」って売りにくる。
私:娘とも顔見知りで。話したりはしないけど。
彼もこの家には年頃の娘さんがいるんだな、ぐらいに見ている
私:あるとき、買い付けしていたら、若い娘が喜びそうなかんざしかな? ちょっと珍しいものを見つけて、ああ、あの娘に似合いそうだなって。
私:で、家人が席を外したときに、ちょうど娘が通りかかったから、「よかったらこれ」ってお土産に渡した。
私:娘は男性からプレゼントを貰うのも初めてだったし、そのかんざしがとても素敵だったので、嬉しくて嬉しくて。部屋でときどき眺めて胸をときめかせていたんだけど、ある日、母親に見つかっちゃって。
私:「それ、何? どうしたの?」って問い詰められる。
私:両親の前で正座させられて、「隠し事をするんじゃないよ、親の知らないところで何かするんじゃないよ」ってこっぴどく怒られた。
私:行商人は出入禁止になって。
私:番頭はそれを知っていて、娘を不憫に思っている。
かんざしを渡すところをたまたま見ていたんでしょうね。
年頃の女の子が喜びそうなものを、お土産でもらっただけなのに、って。
私:でも、 一切口出し、しないんですよね。
もちろん使用人という立場もあるんですけど、見て見ぬふりをするとかじゃなくて、この人、元々飄々としているんです。
D氏:なんかわかるような気がします。
私:番頭は、誰の生き方に対しても、やってることに対しても、「それは言い過ぎじゃないの?」とか「こうじゃないの?」とか、そういうことを一切言わない人で。
私:ただ、自分は人にはそれをしない。責めないし、怒鳴らない。飲み込んであげるみたいな。だからこの人のおかげで商売がうまくいってるんですよね。
私:娘はその日を境に、萎縮してしまって。
おまんじゅう一個もらっても、母親に「これ、〇〇さんにいただいたんだけど」って申告して
「お食べ」って許可をもらわないと食べない、みたいな。
私:番頭は、人生って自由だと思ってる。
だから、今世で「自由」を教えてあげたかったみたいな、そんな感じですね。
ただ、そのためにはこのときの「自分は自由に生きられない」という「思い込み」を「解放」する必要があります。
私たちは才能のある人を見て「生まれつきの力だ」「生まれ持ったものだ」と表現しますが、才能だけでなく、前世からの「思い込み」も持ち越してくるのです。
私:これが厄介なんですよね~。笑
前世の記憶はありませんから。
いまでこそこの仕組みを知っていますが、人のこだわりとか、趣味とか、職業とか、「ああいう性格だよね」と思っているようなものまでが、実は前世の影響を受けています。
私:この奥様の過去世を解放した方がいいですね…
書き換えを視にいくと、これまたD氏らしい不思議なストーリーが出てきました。
そして、D氏の正体もわかるのです!
(つづく)