(つづき)
奥様には「常に相手にお伺いを立てて、その意向に合わせる」という過去世がありました。
それは半年前、D氏の第1回目の講座のときのことです。
D氏は、「これいいな」と思ったら、即買ってしまう性格なのだとか。
私:事前に奥様には相談しない?
D氏:しませんね~。思いついたことはだいたい却下されますから。
D氏:でも、これは絶対あった方がいいなって判断して買ってくると、例えばそれが自動掃除機だとすると、妻は買ってきた瞬間は「なんでそんなの、買うの?」って言うんだけど、結局喜んで使ってるんです。
私:奥様的には買う前に言ってほしいんですよね?
でも、相談しても却下されるから、Dさんは言わずに買ってきちゃう。
D氏:そうです。その繰り返しですね。
ここで、「どうせ先に相談しても却下するでしょ?」という思い込みを書き換えて「解放」します。
私:奥様は何かを買う前にDさんに相談するんですか?
D氏:全て相談してきます。ちょっと友達とお酒飲みたいんだけど、いい?とか。
ちょっといいシャンプー欲しいんだけど、買っていい?って。
全部。
そのとき。
奥様の意識が入ってきました。
「夫婦はそういうものだと思ってる。だから、何をするにもちゃんと二人の意思を確認したいのに、あなたは何でも一人で決めるから、私は妻とみなされてないのかなって」
なるほど。
「相談をしてくれない=ないがしろにされてる」という捉え方のようです。
「夫婦というのは何でも相談するものだ」と。
D氏:それはまためんどくさいな。なるほど…。
私:でも、そんなふうに価値観の違う二人が一緒になってるんだから、そこに意味があるんですよね。あ、それを見てみましょう。
ヴィジョンが視えます。
日本の古い時代です。
当時、奥様は大きな商家の娘です。
D氏はそこの番頭のようです。
主からかなりの信頼を得ていて、商売全般を仕切っています。
私:その娘さんっていうのが、がんじがらめの生活をしているんですよ。
両親から、こういう時はこうしなさい、ああしなさい。あれをやってはダメ。これをやってもダメ。もう何もかもがんじがらめで、鳥かごに入れられた鳥のよう。
私:番頭は、小さいころからそんなふうに育てられている娘をいつも不憫に思って見ていた。
年頃になっても、必ず両親にお伺いを立てて、許可を得る必要があった。
その日着る着物から帯、かんざしに至るまで。
私:小さい頃に「私はこうしたい」って言った時もあったんだけど、「それはダメよ」ってたちまち却下されて。
それが続くと、娘は「どうせ言っても無駄だから」って諦めて言わなくなった。
そしてずっと言いなりになっている。
私:番頭はすごく自由な人なんですよね。
使用人の立場ではあっても、主の言いなりにはならない。
なんかすごくうまく生きてるっていうか。
私:主が「この新しい取引先は大丈夫かな?」って心配しても、「いや、そんな大きい取引じゃないし、とりあえずやってみればいい」と思ったら勝手にやっちゃったりする。
で、結果的にうまくいくから、ますます信頼されていく。
私:この番頭さんに任せていればうまく回るからって、口うるさいことも言われない。
飄々としているところは今のD氏と似ています。
私:その飄々としている人柄ゆえに商売がうまく回っている。
あまり怒ったりもしないし、人を責めることもないし。
私:その彼から見ると、娘はお人形さんのように言いなりになっているから、もっと自分の気持ちを主張すればいいのになあって思ってる。
私:使用人の立場だから余計な口出しはしないけど。
そういう過去世があります。
私:そっか、だから奥様は今世で、夫に対して当時のご両親のように何でも相談するのね。
シャンプーひとつ買うのにも。
D氏:あっはっは! なるほど。
私:Dさんは、当時の番頭のままに今世でも自分の思うようにやってる感じですね。
えっと、なんで今回奥様と一緒に転生してるのかな?
続きを視てみると…
私:わ~、面白い!
(つづく)