(つづき)
当時、電車の中ではウォークマンを使っている人が多くいました。
私は「シャカシャカシャカシャカ」という音漏れが気になって…
通勤ラッシュの満員電車で、「あそこにもいる!ここにもいる! なんて迷惑なの!」って。
でも、ふと周りを見ると、平気な顔をしている人もします。
そこで気づいたんです。
「あれ?これ、私が気にしてるんだ」と。
で、「気にしているブロックA」を見て、「解放B」に書き換えたら…。
なぜか次の駅でシャカシャカマンが降りて行ったのです。
「え?まさか? たまたま?」と思っていたら。
次の駅でもまた別のシャカシャカマンが降りていく!
解放により、3人目のシャカシャカマンが降りて行ったとき。
さすがに「もしかして、解放ってすごい効果があるかも」と思いました。
要するに、「シャカシャカマンがいる!」といつも気にして意識を向けていたのは、自分だったんですよね。
それを手放すとどうなるか?
=気にならなくなる
=意識を向けなくなる
=つまり、「自分の世界」から見えなくなる!
それまでは、車内にシャカシャカの人がいると、嫌だなぁと思い、隣の車両に避難したら、その車両にまたシャカシャカマンが乗り込んでくる…ということもあったのに。
それが、解放したら、なぜか視界から消えていく。
俄然、面白くなってきて、それからというもの、電車に乗ると「気になる人探し」をするようになりました。
「あの人、満員電車なのに、あんなに新聞を広げて読んでる」
「あの人、混んでるのに、こんな足組んじゃって」
「電車の中なのに、携帯で話してる」
面白いことに、電車の中ってみんな同じ空間にいるのに、私が気にしてることを全然気にしてない人もいるわけですよね。
そうか、やっぱり、「気にしてたのは私」だったんだと思って。
そして、手放せば、ちゃんと目の前からいなくなる。
それって、目に見える形で「自分の世界が変わった」ってことですよね。
極めつけの体験がありました。
ある休日、ガラガラの電車に乗っていたときのことです。
隣の席には、外国人の女性。
香水の匂いが少々キツい…。
私は香水が苦手なのです。
しばらくすると、その女性がうとうとし始めて……
電車の揺れでだんだんこっちに体が倒れてきます。
そうすると香水の匂いがプーンって。
でも、電車はガラガラだから席を変わればいいだけの話。
なのですが、こんなときほどチャンス、試してみよう!と思って。
この香水が気になる=A(ブドウが出てくる)
手放すイメージは=B(赤ワインのグラス)
書き換えると(わ~、あの果物からこんな美味しい飲み物ができるんだ~!と飲んでいる私)
その瞬間です!
さっきまで匂っていた香水の匂いが…!
消えている!!
うそ!
隣の人のほうをクンクンってしてみても……やっぱり無臭!
でも、このとき、私は、「そんなハズないでしょ! いくら解放したって匂いが消えるなんてありえない」って信じられませんでした。
すると、その瞬間、またプーンと香水の匂いが戻ってきたのです。
まるで、一瞬「香水の匂いがない次元」にワープして、「香水の匂いがある次元」に戻ってきたみたいな感覚。
その時に、わかったのです。
ああ、「気にしている時」って、
私は「その世界(=気になる現実)」を見てるんだ。
逆に、「気にしてない時」には、
「その世界」を見てない。=存在していない。
世界はパラレルにいくつも重なっていて、「自分の意識」が、どの世界にアクセスするかを選んでいるだけ。
香水の匂いを気にするたびに、「香水のある世界」にアクセスし、気にしなければ「香水のない世界」にワープする。
結局そういうことをやってるんだなって。
(つづく)