(つづき)
私:ではナミさん、ご自身で書き換えてみてください。
ナミ:「ピアノをやめた~い!」っておふざけのように伝えた。
それで妹が代わりに習うことになった。
ナミ:そして「ママ、私は絵をやりたい!!」と言って、絵を習わせてもらった。
妹がピアノを弾いている絵を描いてあげたりしている。
私:(ナミさんのガイドに尋ねる)
なぜこのときの過去世が、今世に影響しているの?
ナミ:ピアノの先生に怒られた。
ピアノ教室に通わなくなったことで、先生から「約束を守らなかった」と責められた。
「連絡もなく来なくなったので、とても心配していた。そんな勝手なことをして」と。
私:書き換えたことで、それは解消したの?
ナミ:はい。妹が代わりに習うことになったので、先生に金銭的に迷惑をかけることもなかったし、自分も好きな絵を習えたし。
ここで話を聞きながら、ナミさんは人から「責められる」ことにとても反応するような気がしました。
職場で上司が愚痴をこぼしているのを聞いて、「自分のせいかも」と気にしてしまったとも言っていましたし……。
私:今度はそれを「解放」してみましょう。
それを表すものは?
ナミ:テーブルにぶちまけられたお塩。
手放すイメージは「大量のバケツの水」、手放した後のイメージは、「水を流してゴシゴシと擦ったらきれいになった」と。
ここから再びアドリブで過去世へと繋げてみました。
私:お塩の中に1粒だけきらりと光るものがあります。
その塩が人間の姿に変わりました。
女の子ですか? 男の子ですか?
ナミ:4、5歳位の女の子。
私:その子に家族はいる?
ナミ:父、母、赤ちゃんがいる。
私:何か責められるような出来事が起きましたか?
ナミ:赤ちゃんが泣いている。怪我をしている?
あぁ、うっかり火傷させてしまったみたい。
それで赤ちゃんが火がついたように泣いて、びっくりした父親が女の子に怒っている。
私:女の子はどんな気持ち?
ナミ:わざとやったわけではないけれども、怖くて謝れなくて、萎縮している。
私:誰かが助けてくれますよ。それは誰ですか?
ナミ:お母さんが「私が悪かったのよ。気をつけてなかったから、その子を責めないで」と言ってくれた。
でも、父親は母親にも怒っている。
そのとき。
赤ちゃんの顔がクローズアップされました。
厳しい目をしています。
そして、おごそかな声が聞こえてきました。
「たいしたことないから、怒らなくてよい」
父親は驚いて、赤ちゃんを見つめます。
(そうだ。この子は別に悪い子じゃない。悪かったな)
「怒ってごめんな」と言って女の子を抱きしめました。
私:この解放で心は楽になりましたか?
ナミ:う~ん……
すっきりはしていないようです。
もう少し続きを視てみます。
父親が赤ちゃんの瞳を見つめると、深く吸い込まれるような不思議な感覚に包ました。
そして、「お前もかつてはそうだっただろう?」という言葉とともに映像が浮かび上がります。
父親は子供の頃、いたずら好きでした。
ある日、兄弟と遊んでいるときに穴に落ちてしまいます。
その穴は生活のために掘られていたもので、父親はその場所を知っていましたが、他の子は知りませんでした。
いたずらでそこへ連れて行ったら、みんな穴に落ちてしまったのです。
父親はなんとか穴から這い上がり、親に助けを求めに行きましたが、こっぴどく叱られます。
これを書き換えると。
今度のストーリーでは、たまたま通り掛かった大人が助けてくれました。
その人は、何が起きたかを陽気に笑いながら母親に話してくれました。
「たいしたことじゃない、子供のいたずらだよ。ガキ大将にはよくあることだ」と。
その映像を見終わり、はっと我に帰った父親は、女の子に「大丈夫だ、心配するな」と。
女の子もほっとして「ごめんなさい」と言います。
ここで終了でもよいのですが、念のために「一括消去」をします。
ナミさんの潜在意識に残っている「これまでの過去世において経験した、責められるという感情」を全て呼び出します。
ナミ:コウモリみたいな形のエネルギーが続々と集まってきました。
それらを大きな船の形をした気球に乗せ、光の世界へと返します。
この後が面白かったのです。
一気に大量のエネルギーを解放したので、ナミさんに「光のシャワーを浴びて波動を整えてください」と言ったのですが、
ナミ:お腹にさっき集めたエネルギーが、まだ少し残っているような感覚があります。
私:じゃあ、それを解放して?
ナミ:はい。「坂道」が出てきました。
手放すイメージは、「台車がぐるぐる回っている」。
同時に「トイレに行けばいいんじゃない?」というメッセージが…。
「そうか!」と言ってトイレに行ったナミさん。
「お腹、治りました!」って。笑
リコさんはかつてヒプノセラピーを勉強したことがあるそうなので、
私:過去世退行って、「階段を下りて過去世に入る」というような台本形式で学ぶことが多いですけど、決まった形にとらわれず、こんなふうに自由に展開しても面白いですよ。
潜在意識の世界は制約がないので、どんなアプローチでも過去世に入ることができます。
リコ:そうなんですね! やってみます!
私も今日は「A」を見て「B」を見て書き換える、という流れの延長で、アドリブで過去世退行を試みてみましたが、新鮮で面白い体験でした。
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