(つづき)
その5日後(10月19日)
不思議な夢を見ました。
Kさんの家の夢です。
昨年その家のおばあちゃんが亡くなり、相続で揉めているという話しを聞いていました。
その遺族が夢の中でも揉めているのですが、遺族のひとりの女性(Hさん、70代後半)の雰囲気が異常に気持ち悪くて、臭気すら感じるのです。
思わず吐きそうになって目が覚めました。
臭気? 吐きそう?
変な夢……とても気になって筋肉反射をしてみると、Mさんに連絡したほうがいいと出ます。
その夜、Mさんのガイドに夢の意味を聞いてみると、Hさんが自分の先祖(K家)に対して恨みを持っているので解放したほうがいいとのこと。
過去世を紐解いてみると、信じられない話が出てきました。
それはどこかの山の中です。
夜。暗闇の中で、鬼のようなシルエットの者たちが4、5人ぐらいうごめいているのが見ます。
土を掘り、死体を掘り起こして貪り食っているのです。
この人たちは死体を食べて生きている鬼です。
鬼たちの元締めは誰だろう?
……そう思ったとき、山姥が見えました。
その山の中に小さな小屋があり、小屋の天井からたくさんの首がぶら下がっています。
この山姥が、自死したり、事故や不慮の事故などで亡くなった人たちを弔い、浄化してくれると言うので、死体がこの小屋で運び込まれてくるのです。
山姥は死体の首を切り落とし、天井からぶら下げています。
この首から滴り落ちる血が床に落ち、それがスライムのように固まって大きくなったものが、この山姥のような感じがします。
つまり、山姥は誰か特定の人ではなく、集合体のようなものなのでしょう。
この山はK家が所有しています。
当時のK家の当主は、今世でHさんの弟に転生しています。
当主には2人の幼い娘がいました。
目に入れても痛くないほど可愛がっていたのですが、あるとき、上の娘(10歳)が病気になってしまいます。
医者に診せても原因はわからず、手の施しようがありません。
日に日に弱っていく娘に、当主は気も狂わんばかりです。
ある時、ひとりの老婆が通りかかり、道に迷ったので一晩泊めてほしいと言ってきます。
泊めてあげたいが家には病気の娘がいるのでと断ると、老婆は病気に詳しいから診てあげると家に上がり込み、娘を見た瞬間、「ああ、もう今夜が峠かも」と。
当主の青ざめた顔を見た老婆は、
「娘を助ける良い方法を知っている。鬼の血を飲むと鬼にはなるが、生きることができる」と言うのです。
最初は驚く当主ですが、一晩考えさせてくれと。
(娘を鬼にするなんて…)
当主は悩みますが、今にも息を引き取りそうな娘の顔を見ているうちに、どうしても死なせたくないという想いが募り、意を決して老婆に頼むのです。
老婆は娘と2人にしてくれと部屋に入っていくと、娘を抱き起こし、杯に入った鬼の血を飲ませます。
こうして娘は鬼と化すのです。
昼間は普通に娘の姿でいますが、夜になると山へ行き、鬼になって死体を貪り食うのです。
当主はこれがきっかけとなって、所有する山を老婆たちに提供し、山は鬼たちの住処となったのです。
村の人たちは誰ひとりそのことを知りません。
山を提供してくれてありがたいと思い、村の誰かが亡くなるとそこに埋めるのです。
一方、娘は鬼になった自分の姿を嘆いています。
死んでしまいたいとさえ思っているのですが、鬼になったので死ぬこともできません。
どうして私をこんな姿にしたのと父親を恨んでいます。
この娘が今のHさんなのです。
そうこうするうちに、下の娘(8歳)も病気になってしまいます。
当主は今回も老婆に頼み、娘を鬼にすることで命を救うのですが…。
この下の娘は、今世でHさんの娘に転生しています。
娘たちが病気になったのは、実はこの老婆が仕組んだことなのです。山を提供させるために。
姉妹は、自分たちが汚れた血になってしまったとK家を恨み、これをなんとか解放してほしいと私に夢を見せることで依頼してきたのでした。
80才近いHさんは、今世のうちにどうしても血筋解放をしてほしかったのだと思います。
書き換えを視ます。
娘が病気になるところまでは同じです。
一晩考えさせてくれと娘に付き添っている父親。
どうしたものか、やはりどんな姿でも生きていて欲しいとうなだれる父親。
その時、誰かが自分の手首をつかみました。
見ると娘が自分の手首を掴み、首をかすかに横に振っているのです。
何をしているのだろう?
再び老婆の提案について考え始めると、娘の手に力が入り、見ると首を横に振っています。
そんなことを繰り返してるうちに朝になります。
「考えはついたかね?」と老婆が部屋に入ってきました。
父親が振り向いて老婆を見たとき、一段と強く娘の手に力が入り、首を横に振ります。
(ああ、そんな事はしないでくれと言っているんだ)
父親がそう思った瞬間、娘が息を引き取りました。
こうして娘は鬼にならずにすんだのでした。
父親は娘の遺体を山に埋葬しました。
いつしかその両側には木が生え、沈丁花のような香りを放つ白い花を咲かせるようになります。
鬼はその香りが大嫌いでしたので、山に寄り付かなくなりました。
N子さんの甥っ子さんの過去世解放、
京都、下鴨神社での任務完了、
美容師さんの多重人格の解放、
K家の血筋開放……。
そして、10月20日のYokoさん、カオさんの血筋解放。
この日の夕方、飲み会の途中から急に腰が痛くなりました。
お昼から約12時間近く続いた解放で疲労困憊していたので原因を見ることもしなかったのですが。
翌朝、再び痛みが出てきて、私の実家の血筋解放が必要だとわかりました。
(つづく)
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