(つづき)
★この記事の続き
この日の講座中、モエさんが隣に座っているリカちゃんを見ながら、涙目でこう言いました。
モエ:リカちゃんを見ていたら、小学校のときの友達に似ているなって。
涙目の理由は、その友達に対して自責の念があるようです。
最初は仲が良かったのだけど、少しずつ疎遠になり、同じ中学にあがったころにはあまり関わっていなかった、いじめられていると噂があり、姉から「守ってあげれば?」と言われたけど、「なんで私が?」と何もしなかった。
それを思い出したそうです。
モエ:なんで自分は何もしなかったんだろうって。
今世の出来事も過去世の出来事も、解放の方法は同じです。
出来事はとっくに終わっていて、単にそのときの「感情」が残っているだけですから、書き換えればよいのです。
リカちゃんが書き換えてくれました。
そのとき、ふとその友達の意識が入ってきました。
(何十年も経っているのに、そうやって私のために涙を流してくれてありがとう)って。
私:あれは私のシナリオでもあったけれど、そのことをこうやって今でも心に刻み、涙を流してくれて……。自分にこんなふうに愛を向けてくれる人がいることを嬉しく思う。あなたの愛に感謝している、ありがとうって。
そのように伝えましたが、モエさんは浮かない顔をしています。
モエ:いつも、何をするにも、どうして行動を起こさなかったんだろう、どうして助ける勇気がなかったんだろうって後で後悔する。自分が弱いからだって、自分を責めてしまう。
解放すべきはそこなんですね。
お友達の件は、その中のひとつの事例なのでしょう。
だからまだもやもやが残っているのです。
つまり、こういうことです。
「お友達に対する自責の念」が解放の核心であれば、解放することでその感情がなくなるので、すっきりするのですが、
「解放すべき論点」が別にあって、お友達の事例はあくまでもその中のひとつに過ぎない場合、それを解放しても、核心になるべきものが残っているので、すっきりしないし、効果もあまり感じられないのです。
先日も同じような事例がありました。
今月から講座をスタートした生徒サエさんのケースです。
サエさんは、昨年から数回、個人セッションを受けられています。
悩みのひとつが「どうしても手をつけられない仕事がある」でした。やらなきゃと思いつつ、ほかの仕事に追われて、ついつい後回しにしているうちに1年が過ぎていると言います。
「その仕事に手を付けられない」という観点から、過去世も含めていくつか解放をしたのですが、今のところ効果はないようです。
個人セッションでは、クライアントさんの、
「○○が気になる」
「○○に困っている」
「○○で悩んでいる」
などの発する言葉を手がかりに、その「気になる」「困っている」「悩んでいる」気持ちを解放するための過去世を視ます。
ですから、ご自身も気づいていないけれど、核心がそれではなかった場合、いくら解放しても空振りに終わることもあるのです。
じっくり話していけば核心までたどり着けることもありますが、いかんせん個人セッションでは時間が限られています。
今回はミラクルセラピー講座に入られたので、時間を気にせず、
紐解くことができます。
いろいろと話しているうちに、サエさんが、
「仕事ができたら上司に提出して印鑑をもわらなくてはいけないんですけど、そうしたらこんなに長く放置していたの?って思われるんだるな~って。評価を気にするっていうか……」
と言ったのです。
私:核心はそれじゃないの?
仕事に手を付ける→提出する→今まで放ってたんだねと思われる→仕事に対しての評価が……。
そう考えるとつい仕事に手を付けるのがおっくうになるのでは?
「人からの評価を気にする」というのがありそう。
そして、人からの評価を気にする、否定されたくない、認めてもらいたいなどの深部には、「自己評価が低い」「自分で自分を認めていない」などのインナーチャイルド要素が横たわっていることが多いのです。
自分が自分を好きで、
自分が自分を愛していて、
自分が自分を認めていれば、
人からどう思われようが、どう評価されようが、ちっとも気にならないからです。
サエさんの場合は「まずはインナーチャイルドの癒やし」からですね、という結論に至りました。
もっとも講座の第1回目はインナーチャイルドをやることが多いので、すぐに着手することになりますが。笑
さて、モエさんの場合です。
「いつも行動を起こさずに後悔する自分」に関わる過去世を視てみることにしました。
習いたての「過去世リーディング」を練習してもらいます。
私:初めてだから、私が誘導しますね。それに沿って視てください。(ヒプノセラピーのように誘導します)
モエ:若い青年が視えます。
原住民のような腰蓑をつけていて、上半身も何かをまとっている。足は裸足です。
私:今、何をしていますか?
モエ:砂浜にひとりでいます。槍を持って魚を取ろうとしている。
重要な場面へと進めます。
モエ:……見えなくなりました。
私:初めてですからね、大丈夫です。
私が繋ぎますね。
(と、その過去世の続きを視ます)
私:村に戻ったら、自分のいないうちに襲撃にあったのか、全員連れ去られていました。
誰ひとり帰ってくる事はなく、一人ぼっちで最後まで人生を送ります。とても孤独な人生だったようです。
モエさん、それを聞いてどうですか?
モエ:後悔している。魚釣りなどに行かなければよかったという気持ちです。
中間世へ行きます。
私:今の人生を振り返って、どうですか?
モエ:意地で魚を捕りに行った。行かなくてもよかったのに。自分が意地を張っていた
私:何があったの?
モエ:奥さんから怒られた、「甲斐性がない」みたいなことを言われた。旦那らしいことしてないじゃないか、って。
で、今度こそ大きい魚をとってきてやるよと海へ行った。
書き換えに進みます。
モエ:内容は見えないけど、みんなで笑っているのだけが見える。
私:いいですよ。
リカちゃんにバトンタッチしますね。
(と、書き換えのストーリーを視てもらう)
リカ:海に出て行くまでは一緒です。
槍を持って海を見ている。ひとり人立ち尽くしている。
頭を冷やしている。
なんで、ちっぽけなことでかっとなって出て来ちゃったんだろうって。
日ごろの感謝をちゃんと妻に伝えようと思う。
きれいな貝殻を拾い、ネックレスを作って持ち帰る。
妻に「さっきはごめん」と。
自分の気持ちをコントロールできずに出て行ったけど、いつも感謝していると真正面から気持ちを伝え、ネックレスを渡す。
普段そういうことをする人じゃないので、妻は驚くが、泣いて「ありがとう」と言ってハグする。
日頃のささいなことの積み重ねで気持ちがすれ違いかけていたけど、冷静に対処したことで修復できた。
私:これと「勇気をもって行動しないこと」と何の関係があるんですか?
リカ:最初のストーリーでは、彼は何もしなかった。
今度は一旦頭を冷やすことで貝殻のネックレスを作って持ち帰り、妻にちゃんと感謝を伝えるという行動をとった。
私:なるほど。モエさん、どうですか?
モエ:納得できます。
行動を起こせない奥には「意地を張る」というのもあったようです。
これは抽象的なテーマですので、この場では効果がわかりませんが、モエさんの快進撃はさらに続きます。
(つづく)
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