さて、これはちょうど3年前の講座中の話。
講座中に生徒さんたちといろいろな話をしているときに
「それって、過去世じゃない?」
という場面に出くわすことがあります。
この日の講座では、生徒ユウさんが、
「元号が令和に変わると、世界の二極化がますます進む」というメッセージを「上」から受け取ったという話をしたところ、生徒フサちゃんが、「二極化すると、どうなるんですか?」って。
10年前、ヒプノの仲間と「これから地球はどうなっていくのか」という話になったとき、私は、
「良い世界になっていくと思う。っていうか、それを信じたい」
と答え、仲間は、
「これからますます天変地異が起きて、最終的に地球の人口は今の十分の一ぐらいまでに減少すると思う」と。
その時、(彼女はそう思っているから、きっとそういう地球に行くんだろうな。私は幸せな地球になると思っているからそういう世界に行くんだわ)と思いました。
つまり、世界はパラレルになっていて、人はそれぞれ自分が「思い描いた」世界の住人になるのだろうと。
そう思ったのにはわけがあります。
そのころ、私たちはヒプノでよく未来を視にいっていました。
あるとき、国境も人種差別もない平和な世界のヴィジョンが出てきたことがあります。
さまざまな肌の色の子供たちが、校庭で和気あいあいと遊んでいました。
私はそこの校長先生でした。
(ああ、きっとこの世界はすでに存在しているんだろうなあ)
なぜかそんなふうに思えました。
今はその根拠が「量子論」であること、自分の想いも「素粒子」であって、「想いが現実を創る」のだから、自分が住む世界というのは、結局は自分の「想っている世界」であるということも理解できます。
当時、地球の次元上昇が進んでいる、今はまだどの次元の地球にも自由に行き来できるけれど、然るべきタイミングがきたらそれは不可能になるという説もありました。
好奇心で「全く次元上昇しない大元の地球は、その後どうなるのだろう?」とヒプノで視たことがあります。
私が視たものは……。
地球が真っ黒になりながら、どんどん縮んでいく様子です。
宇宙の中で黒いボウリングの玉のようになり、野球ボールぐらいの大きさになり、やがてピンポン玉のようになり、最後には小さな黒点となって、ふっと消滅してしまいました。
「だからこそ、ひとりでも多くの堕天使を救済しなくちゃいけないみたいなの。
堕天使のままだと消滅してしまって、もう二度と転生できなくなるみたいなの」
と言うと、その言葉を聞いたフサちゃんの顔がみるみる涙でくしゃくしゃに……。
え・え・え~! ちょ、ちょっと待って!
なんで?
も、もしかして、フサちゃん、堕天使?
あ、そういえば!
フサちゃん、最近、バンプオブチキンの「オーロラ」という歌にはまっていて、あるフレーズに来るといつも涙が出ると言っていました。
私:そのフレーズって?
フサん:(泣きながら声を振り絞り)
解き放て……
あなたの声で……
光る……羽根……
与えた思いを……
このフレーズを聞くと、暗いところでうずくまっている羽の生えた天使のイメージが出てくるそうです。
何か過去世があるのかな?
リーディングを試みました。
暗闇でうずくまっている天使が視えます。
が、「視に来ないで!」と言う声が聞こえてきます。
どうやら「私を見ないで!」と言っているようです。
さて、どうしたものか。
同席していた生徒SENさんが、
「さっきから、カラス、カラスって(降って)くるんですけど」って。
その続きを視てもらうと、
SEN:天使の羽が黒くなって、大きくなっている。自分の小さい羽もあるけど、もっと大きな黒い羽がある。
私:え~? なんでそんなことになっちゃったの?
カラスは日ごろから天使を羨ましく思っていたようです。
天使たちが仕事のため、楽しそうに空を飛んでいくさまを、いつも木の上から眺めています。
ところが……。
ある日、いつものように天使たちを見上げていると、その視線に気づいた天使のひとりが、
「見て、見て! 黒いカラスよ! 真っ黒で醜いわね!」
とあざけり笑ったのです。
カラスはショックを受けました。
「白い」天使は、「黒い」カラスの自分を馬鹿にしたのです。
カラスはそのことを根に持っていました。
それで、ある日、ひとりの天使が「もっと能力が欲しいなあ」と言っているのを聞きつけると、小さな白い木の実を持って行って渡します。
「これを食べると能力が強くなるよ」
彼女がそれを食べると、黒い羽が生えてきてしまいました。
「こんな姿ではもう天使の世界に帰れない」
彼女は悲しみと絶望で暗闇に隠れ、うずくまってしまいました。
カラスはその様子をみて、自分の行いを後悔しました。
意地悪をされた仕返しにと、ほんの出来心からだったのです。
まさかこんな事態になるとは思ってもみませんでした。
しかも、カラスを小馬鹿にしたのは彼女ではなく、別の天使だったのですから。
ここまでを視た時、SENさんが突然、「そのカラスはAさんじゃない?」って。
私:あっ! そうだ、きっと!
Aさんというのは、フサちゃんの職場の先輩です。
フサちゃんは1年にわたり、Aさんから意地悪をされているのです。
そして、カラスを馬鹿にしたのは同じ職場の上司(男性)でした。
この過去世を解放するために3人は同じ職場で出会うことになっていたのでしょう。
さて、書き換えです。
私が過去世解放を行う際に、一番好きなところです。
というのも、「書き換え」のストーリーというのは、頭で「どんなふうにしようかな」と考えるのではなく、潜在意識に教えてもらうのですが、私たちには想像もつかないものを視せてくれることが多いからです。
その内容に毎回感心したり、感動したり。
そして、今回も例外ではありませんでした。
書き換えのストーリーでは……。
神様が脇に壺を抱えて降りてきました。
壷の中には3枚の札が入っています。
うずくまっている天使と、カラスと、カラスを馬鹿にした天使に向かって、壺の中から1枚ずつ札を引くよう促します。
実は、札には同じメッセージが書いてあるのですが、3人はそのことを知りません。
メッセージは、
「この中のひとりだけを助けてあげる。助けたい人の名前を書きなさい」です。
カラスは迷わず、「羽が黒くなった天使を助けてください」と書きました。
黒い羽根の天使も迷わず、「馬鹿にされて傷ついたカラスを助けてあげてください」と書きました。
そして、カラスを馬鹿にした天使は何も書かずに神様のおそばへ行き、涙ながらにこう訴えました。
「私はどちらも選べない。どちらも助けたいから、札のメッセージを、”誰かひとりを罰する” に変えてください。そして、どうか私を罰してください」
さて、書き換え後。
カラスはいつものように木に留まり、天使たちが人間界をサポートする様子を楽しそうに眺めています。天使たちはカラスを見つけると笑顔で手を振っています。
幸せで穏やかな時間が流れていました。
この光景を視ながら思わず涙してしまいました。
こんな内容、どう逆立ちしたって私の頭では思いつきません。
本当に潜在意識ってすごいなあ。
この過去世が、このタイミングで浮上したのには大きな意味がありました。
フサちゃんは講座のたびに職場で意地悪なAさんの愚痴をこぼしていました。
その都度、ふたりの過去世を解放していたのですが……。
フサちゃんは、あるときからAさんのインナーチャイルドを癒し始めたのです。
そして、「私の成長のために悪役を演じてくれているのよね、ありがとう」という言葉かけもしていました。
意地悪をする人というのは、たいていインナーチャイルドがあります。
「愛に飢えている」ゆえに人を攻撃することもあるのです。
フサちゃんが一生懸命潜在意識のクリアリングを行っていった結果として、この過去世が浮上してきたのです。
「排除するのではなく愛を与える」
「憎しみを向けるのではなく、光を与える」
人は正論では変わらない。
人は愛でしか変わらない。
フサちゃがそのことに気づき実践した結果、ようやくこのときの感情を「解き放つ」タイミングが訪れたのだと思います。
フサちゃんは再び「光る羽」の天使に戻ったのです。
そのために何年もの歳月を要しました。
生徒さんたちとはおおよそ1年近くのお付き合いとなります。
講座以外のときにも、電話やLINE、ZOOMなどで連絡を取り合い、日々の出来事に付随して起こる感情解放を共に行っていきます。
こんなふうに思考が変わっていくプロセス、心がハッピーになっていくプロセスに伴走できるのは、このうえない喜びです。
姉妹版ブログ
『聖なる樹のヒプノセラピー物語』も読んでね!