さて、次にユウコさんが「過去世の書き換え」を練習します。
私:テーマは何にしますか?
ユウコ:さっきマサコさんが言ってたことが気になるから、それを視たいです。
実は……。
この日の講座は生徒のハナさんも参加することになっていました。
しかし、当日の朝になって体調不良で欠席の連絡が入ったのです。
前回の講座のときも、前日の夜になってお子さんが熱を出して欠席でした。
3人での講座がなかなか実現しません。
生徒さんたちは随時入ってこられるので、最初はマンツーマンからスタートすることが多いのですが、
「あ、○○さんと相性が合うかも」
「△△さんと一緒に受けたらいいかも」
とひらめくと、紹介してそこからは一緒に受講することもよくあります。
私的には、この3人はお仕事も同業なので相性が合うと思うのですが…。ハナさんから欠席の連絡を受け、なんだか腑に落ちない気がして、「一緒に受講できない理由でもあるのかしら?」と考えたとき、「あ、過去世があるのかも」とひらめきました。
ハナさんとナオさん?
ハナさんとユウコさん?
……ユウコさんとの間に解放すべき過去世がありそうです。
その話をしたら、ユウコさんが気になるから視てみたいと。
誘導します。
ユウコ:長ズボンに白いブラウス、チョッキを着た30代ぐらいの男性が出てきました。髪は灰色で、肩の下あたりまでの長さ。青い瞳で、ヒゲがあるかも。
裸足で草地にひとりで立っている。風が強く吹いている。
近くに水辺があるみたい。空の色が水面に反射して、全体がピンクがかった紫色に染まってる。
私:今、どんな気持ちなの?
ユウコ:感情は何も感じない。笑っているような気もするけど。
重要な場面へ進みます。
私:何がありましたか?
ユウコ:馬から落ちそうになっている女性を必死に左手でつかまえている。紫色のドレスを着た女性。
私:あなたと同じ馬に乗っていたの?
ユウコ:一緒に乗っていた。落ちそうになったので、あわててつかんでなんとか引き上げようとしたけれど、落ちてしまった。
私:女性はどうなったの?
ユウコ:目を開けたまま地面に倒れている。たぶん、亡くなった。
自分には地位があるけど、彼女の方がもっと地位が高い。自分は彼女のことを何とも思っていない。でも、向こうは自分に気があるのか、いろいろとかまってくる。
このときも、ちょっと馬に乗せてよって、半ば強引に言ってきた。
馬から落ちるときの彼女の恐怖におびえた顔がものすごい形相で、下に落ちたときも、かっと目を見開いて死んでいて…。その顔が目に焼き付いて離れない。
中間世で、「この人生をどう思いますか?」と聞いてみます。
ユウコ:事故の後、人生がめちゃくちゃになってしまった。不可抗力だったのに、その先の人生でできるはずだったこともすべてできなくなった。
結構長い間悩んだり、苦しんだり、周りに責められたりした。
どこかに閉じ込められていたような感覚もある。
人生にはすべてシナリオがあります。
落ちた女性を呼び出し、「この役割を演じてどうですか?」と聞いてみると、「自分の役割を果たせて満足している」という答えが返ってきました。
書き換えます。
ユウコ:相手の女性に対して何の感情も持っていなかったのに、周りからは身分違いのお前が彼女に近づいたからこんなことになったんだと責められて。どこかに閉じ込められて、多分そこで死を迎えてしまった。
光も入らない石牢の中に横たわって、今まさに命が終わろうとしていた時、小さな目が見えた。
本当に小さな目だったけど、それを見たときに生きることの素晴らしさ、生きることの美しさに気づいた。その幸せの中で静かに息を引き取った。
ユウコさんの言葉を聞きながら思わず涙が出そうになりました。
どんな理不尽な人生であっても、最後に「生きる意味」を悟り、幸せを感じながら旅立つ…、その瞬間の彼女の感情が胸に流れ込んできたのです。
書き換え後、こう聞いてみました。
私:このときの罪悪感が残っていたので、ハナさんと一緒に講座を受けることができなかったの? だから今日解放したんですか?
ユウコ:罪悪感と言うよりは、巻き込まれてしまったっていう恨みに近い気持ちで死んでいった。
事故の申し訳なさよりも、周りからいろんな誤解を受けて自分の人生が奪われたと感じていたから。
でも、書き換えて、それさえも無駄ではなかった、貴重な体験のひとつだったんだと思えた。
ああ、そうだったんですね。
この落馬した女性がハナさんだとしたら、当時の感情を引きずったまま彼女と顔を合わせることに抵抗があったのかもしれません。
さて、次回の講座にはたしてハナさんは来るのか?
楽しみです
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