今回の10冊目の『過去世診療所』にも書いたのですが、
小学校高学年の頃に読んだ『五次元世界のぼうけん』という本があります。マデレイン・レングルさんというアメリカの方が書かれた児童文学です。
主人公の少女が弟と一緒に、行方不明になった物理学者の父親を探すため冒険の旅に出るという物語なのですが、実は父親は誘拐され、5次元の惑星に捕えられているのです。
その異次元から救出するため、謎の女性たちが手助けしてくれます。
女性のひとりが丈の長いスカートの裾の両端を両手で持って、ピーンと張り、5次元について、こんなふうに説明します。
「(3次元では)わたしのスカートの端から端を裾伝いに虫が歩いていくとすると、こんなに遠くて時間がかかる、でも、スカートの端と端をくっつけてしまえばすぐに着く、それが5次元)」
(正確ではないですが、そういう表現だったと思います)
この瞬間移動の説明を読んだ私は思わず、そのとき着ていたプリーツスカートの両端を左右の手に持ち、何度も何度も両手をくっつけたり、離したりしてみました。
そして、「ほんとだ……」と。
驚いたというより、呆気にとられた感じでした。
その後も、10年おきぐらいに思い出し、どうしても読みたくなって、その都度図書館で借りていました。
(今は絶版になっています)
「スカートの両端をくっつけて」瞬間移動する原理は、まさに今私が行っている「解放」の手法そのものです。
「現時点」から、
「マイナスの思い込みができた時点」まで瞬間移動し、
そこで書き換えを行っていますから。
瞬間移動は、潜在意識の中で行います。
そして、書き換えにはイメージングを使います。
私たちは普段、無意識にこれを行っています。
たとえば、「去年行ったハワイ、楽しかったなあ」と思い出すとき、実際にハワイへ行って記憶を辿るわけではありません。
潜在意識にアクセスして一瞬で「去年のハワイ(の時点)」へ戻り、イメージングで当時の出来事や観た景色などを辿っています。
通常は思い出すだけなのでここで終わるのですが、このあと、書き換えることも可能なのです。
嫌な記憶や感情はどんどん書き換えてしまうことができます。
「先入れ先出し」という考え方があります。
商品在庫管理などに用いるのですが、先に仕入れたものから出荷するという考え方です。
当然、常に新しいもの(後から仕入れたもの)が在庫になっていきます。
わたしたちの記憶も同様に「先入れ先出し」になっている気がします。
昔読んだ心理学の本にも、人は「Aだけど、B」と言われると、あとに言われた「B」の方が強く残ると書いてありました。
もし、
①「あなたは良い人だけど、ときどき怒りっぽいところがある」
と言われたら?
②「あなたは怒りっぽいところがあるけど、良い人だ」
と言われたら?
①では、「怒りっぽいところがある」
②では「」良い人だ」
が心に残りませんか?
このように、あとから入ったものが強く残るのですから、もし嫌な記憶や感情がある場合は、あとからあとから楽しいこと、良いことを被せてゆけばよいということになります。
ただし、ひとつだけコツがあって、自分の頭で「こういうふうに書き換えよう」とするのではなく、
潜在意識に、「どういうふうに書き換えたらいい?」と聞いて答えをもらう方が効果は大きいようです。
『五次元世界のぼうけん』では、瞬間移動の原理以外にも衝撃を受けたことがあります。
それは、主人公の女の子が最後に父親を助ける場面です。
頭が良くていつも頼りにしていた弟が、異次元のエネルギーに取り込まれそうになり、女の子はひとりで立ち向かわなければならなくなります。
そのとき、彼女が発した言葉が、「愛」でした。
当時の日本は、まだ「愛」などという言葉を日常的に使う時代ではありませんでした。
それゆえ、この言葉が胸に強く響いたのです。
小学生のとき、この本に出会うことはもちろんシナリオで決まっていたのでしょうが、
それでも、40年以上も経ってから、「5次元で書き換え」を行ったり、「愛」について語る仕事に就くようになるとは、夢にも思いませんでした。
本当に、人生って何が起こるかわかりません。笑
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