「惑星ひとりぼっち」の完結編
(つづき)
15年前、ヒプノを受けたときに次から次へと出てきた過去世。
お城から湖を見下ろし、
19歳で亡くなった娘(今の息子)を思い、
「なぜもっとあの子を愛さなかったのか」と嘆き悲しむ母親(=私)、
書斎で、
亡くなった5歳の息子(今の息子)とワンちゃんの姿を思い出し、
「なぜもっと愛さなかったのか」と後悔し、苦しんだ父親(=私)、
お見合い結婚した夫に愛されず、寂しくて自分の殻に閉じこもり、我が子(今の息子)に愛を向けることを忘れてしまった母親(=私)、
いつもいつもそうだった・・・
(今の)息子を相手に、「なぜもっと優しくしなかったんだろう、なぜ、もっと愛さなかったんだろう」と、失ってから後悔し、自分を責め続けてきたんだ。
転生しても、転生しても。
それゆえ、目の前の息子が家を去ろうとしているこのタイミングで、あの後悔の気持ちがよみがえり、私は発狂しそうになっているんだ。
今までは、失った後の後悔。
でも、今は失っているわけではない。
だから、
今、言わなくちゃ!
自分の部屋で荷物をまとめている息子のところへ行き、自然と口から出た言葉は、
「ごめんね、ごめんね、出て行けって言ってごめんね!」
泣きながらそう言うと、
「は・・・・?」
息子は驚いて、
「別にそれで出て行くわけじゃない、利便性のためだけど?」
わかってる・・・。
仕事のために都心に住む方が便利だからということも。
でも、ここに至るまでの間にいろいろと考え方の違いがあって、
世間一般の親よりは、「自分の好きなように生きる」ことについて理解はある方だと思うけど、
その許容を超えたときには、我慢できずに「出て行きなさい!」と叫んだことがある。
それに・・・。
私:(泣きながら)4才のとき、はじめてのお使いで牛乳を買ってきてと言ったら2本買ってきて怒ったでしょ?
「なんで2本も買ったの!」って。
そうしたら、しょんぼりして「1本、返してくる」って、
息子:(ゲラゲラ笑う)え~? 覚えてないよ!
私:海へ行って貝殻を拾って帰ってきた夜、もう9時だから寝なさいって言ってもなかなか寝なくて、
貝殻に穴をあけて紐を通してネックレスを作ってくれようとしてて、それなのに、ママ、「そんなもの作ってくれるより早く寝てくれた方が嬉しいのよ!」って言ったら、泣きながら布団へ行って・・・、
作りかけのネックレス、どこに置いたんだろう?って探したらゴミ箱に捨ててあって、ママ、胸が潰れそうだった・・・
本当に、ママって、なんてひどい親だったんだろうって、
息子(笑いながら)そんなこと全然覚えてない。
私:顕在意識は覚えてなくても、潜在意識には絶対、残ってる。
それに、私は覚えてる、今でも思い出すとつらくなる。
なんで、もっとやさしい母親じゃなかったんだろうって。
涙が止まらない。
涙が・・・、後から後から・・・。
私:ごめんね
いっぱい言葉で傷つけてきた、
いいママじゃなかったね、
なんでもっと優しくしなかったんだろう、
なんでもっと愛さなかったんだろう・・・
過去世でも、
あの時、「なんでもっと…」って、
何度も何度もこの気持ちを味わったの。
私は泣きながら、
まるで懺悔をしているかのように、
あの時も、この時も、ごめんね、
かわいそうなことをした、
なんて私はだめな親だったんだろうと、
パパとけんかしたとき、
パパの悪口を言ってごめんね、
自分のやりたいことがあって、
なかなか道が開けなくて
あなたが1番苦しいのに、
それをわかっているのに、
感情的になって傷つけるようなこと言ったり、
出て行けって言ったりしてごめんね、
追い詰めるようなこと、言って、ごめんね
息子:別に追い詰められてないけど? 何とも思っていない。
それに、それがあったから行動を起こして、道が開けた。
だからすべてはシナリオだったと思う。
何も傷ついていないし、感謝してる。
小、中、高と朝から仕事に行くのにいつもご飯作ってくれて、高校3年間もお弁当毎日作ってくれて、本当に感謝してる。
私:ううん、(泣きながら)いいママじゃなくてごめんね、
昔は自分に愛がなかった、愛を知らなかった、
もっとあなたのこと、愛せばよかったっていつも後悔してる。
息子:僕はママから愛を教えてもらったよ。
ママにも、パパにも愛してもらった。
私:愛を教えてもらったのはママの方。
ママは愛を知らない人だった、今は少し変わったと思うけど。
あなたとワンちゃんがママに愛を教えてくれた、
本当にママの子供に生まれてきてくれてありがとう・・・(泣)
息子:ママ、これからなんだから!
これから仕事も忙しくなるんだから、そんなめそめそしないで。
まだまだ手伝ってもらわないといけないことがいっぱいあるんだから
うん、うん・・・・
(泣きながら)
あれ・・・?
話してるうちに胸がどんどん軽くなっていってる!
あの全身の毛穴からじわじわと吹き出していた孤独感も、苦しみも、もう出尽くしたかのように空っぽになってる・・・?
過去世からずっと持ち越してきて、
今生、生まれてきたときにも覚えていた、あの「後悔」や「自責の念」を解放したから楽になったんだ!
ああ、なんだか、つるりと皮がむけたように、生まれ変わった感じ!
急に視界が明るくなった!
さっきまでのあの気が狂いそうな感情がすっと消えて、嘘のよう!
過去の感情って、こんなにも人の体に影響するのか!
仕事も手につかない、
食事をすることもできない
何も手につかない、
立っていることもできず、
横になっても眠れず、
心臓がバクバク、
頭の中が締め付けられて、
悲鳴をあげていたのが嘘のよう!
まるで地獄から天国に這い上がった感じ!!
1~2時間後・・・。
目の前にいる息子を見ても平気。
何も感じない!
荷造りして出ていくのを穏やかに送り出し・・・
この3ヶ月間は何だったんだろう・・・・
夢の世界にでもいたのかと思うぐらい、別次元にいる。
本当に嘘みたい・・・
今までの狂気はいったい何だったのかとさえ思えます。
惑星にひとり、何度も何度も取り残された、その「孤独感」はすでに解放されていたのでしょう。
ひとりぼっちになる前、いつも最後に一緒にいたのは今の息子です。
息子がいなくなって、私はひとり取り残される・・・・
その同じ相手と輪廻転生しながら、恋人や親子や夫婦を繰り返し、そのたびに先立たれ、取り残されてしまう。
愛する者を失う哀しみを経験したくなくて、私はいつの頃からか、「愛に蓋をして生きる」ようになった。
ずっと、ずっと。
で、今度は「愛に蓋をした」ことを後悔し、自分を責める。
それを繰り返してきたのです。
人が輪廻転生するのは「愛を学ぶため」なのだそうです。
なので、「愛」と裏返しの言動をとってしまうと、その人生が終わった後に、「後悔」「罪悪感」「自責の念」などの感情が強く残ってしまうのです。
私も同様に、相手に対して、「愛に蓋をしてしまったこと」を後悔し、そんな自分を許せなくて、苦しみ続けてきたのです。
そして、今度こそ、これを「解放」しよう。
そう決めてきたのが、今生なのです。
「解放」するということは、この感情をよみがえらせ、向き合わなくてはいけない・・・
すべてのシナリオを知っていた私のインナーチャイルドはそれを考えるだけでもつらかったのでしょう。
翌日、
インナーチャイルドをイメージし、光の玉を渡しました。
「これからつらい解放が待っているんじゃなくて、解放してわくわくする人生が待っているんだよ」と視点を変える言葉を伝えます。
すると、インナーチャイルドは光の玉で嬉しそうに遊び始めました。
ああ・・・・
これでやっと、本当に、終わったんじゃないかな・・・。
念のため、ユウさんにタロットで聞いてもらいました。
(つづく)
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