子供にもちゃんと説明してね
ヒプノセラピーでクライアントさんを
子供の頃へ退行すると
「なぜちゃんと説明してくれなかったの?」
という言葉がよく出てきます。
親は、
小さいから何もわからないだろうと思い、
説明をせずに
ことを進めてしまうことが多いのですが、
子供は反応ができないだけで、
それなりに理解する能力を持っています。
それゆえ、
「なぜちゃんと説明してくれなかったの?」
となるのです。
ある母親は義妹に
「子育てには息抜きも必要」と
誘われて断れず、
小さい娘を祖母に預けて
週1回、お花を習いに行っていました。
大人になった娘さんは
ヒプノの中でこの場面を思い出し、
「ときどき母親がいなくなって寂しかった」と
涙を流すのです。
「ママ、どこに行っちゃったんだろう?
帰ってくるのかな?って不安で不安で・・・」と。
そして、
「なんでお花を習いに行くだけだからね、
すぐに帰ってくるからそれまで
おばあちゃんとお留守番しててね、
って言ってくれなかったの?」って。
私もヒプノで
同じような場面が出てきたことがあります。
5歳ぐらいのとき、週に2回ほど
母の都合で
保育園に預けられていたのですが・・・・。
昼食を食べると「お昼寝」タイムがあります。
ちっとも眠くない私はそれが退屈で退屈で
そおっと起きて、家まで走って帰ったのです。
保育園から家までは
子供の足で5分とかかりません。
一目散に走って帰った私は
急いで玄関に飛び込み、
「お母さん!」と叫びました。
母親の顔を見て、
「ああ、うちに帰ってきたから
(先生が追いかけてきても)もう安心!」
と思ったのですが・・・・。
母は喜ぶどころか、驚いた顔をして、
あろうことか、
追いかけてきた先生に
「すみません」と言って
私を引き渡したのです。
その瞬間、
「捨てられた・・・」
と思った私。
せっかく自分の陣地に逃げ帰ってきたのに
追ってきた敵に
捕虜として突きだされたような気分でした。
先生に手を引かれ、
今走って来た道を
とぼとぼと引き返していきます。
背中に
見送る母の姿を感じましたが、
それはもう今まで私が信頼し、
「自分を守ってくれる存在」
だと思っていた「母」ではありませんでした。
(つづく)
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