碁盤斬り | 繭家の人生こぼれ繭

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人にも自然素材にも優劣なんかない。『こぼれ繭』と呼ばれていたものに目をかけて、愛情を持って「カタチ」のある製品にする。そこから生まれる「やさしさ」から「人やモノ」を思いやる心が生まれるのだと思います。

 

この間の日曜日に、ばあさんと久しぶりに草彅剛さん主演の「碁盤斬り」を観て来ました‥落語の「文七元結」と「柳田格之進」という人情噺を、白石和彌監督が映画化したという‥ひと月程前に、Eテレでこの文七元結(ぶんしちもっとい)の歌舞伎座中継を見ていたので、映画も楽しめました‥まあ確かに碁盤斬りの柳田格之進の清廉潔白であるが故に追い込まれていく主人公の悲哀は、『今の日本で、上手に生きている?一部の人たち』には、多分理解できないでしょうね‥誰かにとって正しいことが、別の誰かにとって正しいことだとは限らないということも‥今の時代には合わないのかもしれません。山本周五郎の小説「日本婦道記」の中に「人間は弱いもので、欲望や誘惑にかちとおすことはむつかしい、誰にも失敗やあやまちはある、そういうとき互いに支えあい援助しあうのが人間同志のよしみだ」「美しさは在るものではなく自分であらたに築きあげるものだ」「人間にとって大切なのはどう生きたかではなくどう生きるかにある」と、ありましたが‥なんか、近頃の世の中の流れを見ていると‥碁盤斬りの柳田格之進の「愚直なまでの生き方」を徹すことが、この国に最も必要なことであると、この映画を観終えての感想でした…(感謝感謝)