先々月のこと。
さいたまスーパーアリーナで開催された、K-POPのレジェンドアイドル・SUPER JUNIORのスペシャルイベント(いわゆるファンミーティング。コンサートより曲数が少なく、トークやゲームなど多めなステージイベント)に行ってきた。
事故に遭う約12時間前にチケット申し込みをした案件で、事故後も「さすがに1月までには元通り歩けるようになってるでしょ」と無根拠に信じていた。
が、しかし。
松葉杖を卒業したのは公演前日の昼。まだ膝の痛みがあり、装具もはずれていない状況での遠征は不安すぎる…ということで再び車椅子旅を選んだ。
▼今回の相棒(thanks to 広島市中区社協)
約1ヶ月半ぶりの車椅子。
車椅子って、傍目に見ると楽そうだけど、決してそうじゃない。めっちゃしんどいんだ。前回の体験で知っていたけど、やはり今回も、バス乗り場に到達した時点で早くもHPゼロ…大丈夫なのか。
エアポートリムジン乗降時は、乗務員さんのサポートは一切受けられず、手荷物として車椅子を積み込むのも自分でしなければいけない。「いやさすがに無理なんですけど…」と困っていたら、日本語ができない外国人男性が身振り手振りで「手伝おうか」と申し出てくれ、助けてくれた。本当に助かった。
日本男児(とくに乗務員)よ、心を持て。
さて、いざ航空会社のカウンターへ。
エレベーターがめっちゃ奥で、バスを降りてカウンターに到着するまでにまた体力と精神力を削られた…。
本当は事前に車椅子搭乗について確認しておきたかったが、JALの「お手伝いが必要なお客様専用」電話番号は何度トライしても一向に繋がらず、諦めた。そのためアポなし突撃となってしまったわけだが、カウンターでの対応はとても丁寧で親切だった。
▼チェックインカウンターにて、相棒としばしの別れ
▼新たな相棒、木製車椅子。搭乗口のスタッフさんに撮ってもらっちゃった🎵
予約していた席より前方が空いているからと座席変更をしてくれて、車椅子は手荷物として預け、空港専用車椅子に乗り換えた。なんとこの車椅子が、木製。保安検査場をそのまま通れるよう、金属ではなく木でできているのだと聞いてビックリ!
見た目もオシャレだし、座面が高くて座りやすい(膝を曲げるのがちょっとしんどい私には楽)。しかも座面下に荷物置きがあるのがめっちゃ便利!
ただ、タイヤが小さいため自分で操縦することができず、押してもらわないと移動できないのが難点だった(係員さんを拘束しているのが申し訳なくて、トイレだけ連れて行ってもらい、他はおとなしく搭乗口前で待ってた)。
なので帰りは搭乗口まで自分の(社協からの借り物の)車椅子で移動することにして、お土産屋さんをのぞいたりご飯を食べたり、自由にウロウロして過ごせるようにした。空港内(保安検査場を過ぎたあと)はカーペット敷きで負荷が大きく、しんどかったけど…。
そんなこんなで多少の不便はあったものの、地上の係員さんも客室乗務員さんも皆さん慣れていらっしゃって親切で、とても快適な旅ができた。JALありがとう…!
会場周辺では友だちや通りすがりの見知らぬELF(SUPER JUNIORファン)さんが押してくれて助かったし、予約なしで居酒屋にも行ってみたりとか、いろんな体験もできて大満足。
▼上着もシートベルトをしてもらって着席
ちなみにこの上着、車椅子用に前日購入したもの
(丈が短く袖が締まっていて汚れが目立たない)
公演では車椅子席も初めて経験した。場所は、エンドステージほぼ正面の、階段状になった2階席後方の通路。「前の席の人が立ち上がったら見えないなぁ」と心配したけど、車椅子席の前3列がつぶしてあって、ちゃんと見やすいよう配慮されていたのが嬉しかった。お仲間も多く、解除の方も含めて10人前後はいたんじゃないだろうか。
みんなそれぞれペンライトやうちわなど応援グッズを手にライブを楽しんでいて、「怪我や障害があっても、好きなことを楽しめるってやっぱり大事」と改めて感じた。
▼JRのこの車両は、スロープなしでも自力で乗降できた。これ便利!
▼雨の中、カッパ+ビニール袋を膝掛けにしての車椅子移動も体験。
ビニールにまとめて入れたらゴミを持ち歩いてる人みたいになった…
今回も、いろんな困難にぶち当たり、たくさんの人に助けられ、学びと感謝の旅となった。そして最後は、エアポートリムジンを降りたあと広島バスセンターのフードコートで仕事していたら、隣席のおばあちゃまに広島菜のおにぎりを差し入れていただくというほっこり体験で締めくくられた…。
テーブルに立てかけていた杖が私の方へ倒れたので、車椅子から手を伸ばして拾ってあげたら「まぁ、ありがとう。お勉強?これよかったらどうぞ」と心遣いをいただいたのだ。これくらいのことでお礼の品なんていらないんだけど、自分もたくさんの人に親切にしてもらった経験から「感謝の気持ちを相手に伝えたい」という思いはよくわかるので、ありがたく頂戴した。
ほんのちょっとの親切を嬉しく感じる人がいて、その気持ちを共有してくれることでこちらまで嬉しくなる、そんな連鎖が続いていけばいいなと思う。
ありがとう、相棒…。