超久々のボウリング観戦 | めもり*ブログ

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ライター・きたのまゆみのブログです。
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4月13・14日、広島市佐伯区にあるボウリング場・ミスズボウルで「第29回中国新聞社杯 広島オープンボウリングトーナメント」が開催された。トッププロからアマチュアまで幅広い層が出場する歴史ある大会で、在京中からその存在は知っていたし、広島移住後もずっと観戦してみたいと思っていた。

移住12年目にして初観戦…。腰が重いにも程がある(-“-)

 

 

移住前、つまりもう12年以上前ということになるが、当時は月刊誌「ボウリングマガジン」のライターとして毎週のように試合取材に行っていた。会場入口の受付で「ボウリングマガジンです」とだけ言えば必要な資料と、場合によっては食事券まで渡してもらえたものだった。もちろん入場料も含めて、すべて無料。

 

しかし今回は、ただの近所のおばちゃん。月に1〜2本、ボウリングマガジンで記事を書かせていただいているとはいえ、広島オープンに関しては記事を担当するわけでもないため、取材でもなんでもない。ただ、かつて取材でお世話になったプロや協会関係者に久しぶりにお会いできたらいいなぁ…程度の軽い気持ちだったので、ちゃんと入場料を支払い、大会パンフレットも購入した。パンフレットって、有料だったんだ…当たり前といえば当たり前だけど、初めて知ったのでちょっとビックリした。

(広島県ボウリング場協会関係各位は、無料招待してくださる予定でいてくださったようなのだが、謹んで辞退申し上げた。お土産はちゃっかりいただいてしまい恐縮です…)

 

▲2日間フリー(出入り自由)で2,000円はかなりリーズナブルでは?(変な服でごめん)

 

さて。

久しぶりに聞く、ピンの音。懐かしくも爽快。

 

 

ミスズボウルは、エントランスから階段を降りたフロアにレーンが並ぶ。

階段を降りるとそこには、私が「推し」と公言する坂田重徳プロ(1984年デビュー、23期)が!!運命ですか。

 

 

思い返せば、私のライター人生の始まりは、「ボウリングマガジン」だった。

 

26歳のとき、フリーアナウンサーの仕事を求めて受けたオーディションが「集まれ!ボウリング仲間」という週1回20分のラジオ番組で、レポーターとして採用されたあと、ボウリングが競技スポーツであり、プロが存在することを初めて知った。

その後、ご縁あってボウリングマガジンで原稿を書かせていただくようになり、エラソーにフリーライターとか名乗り出したわけだが、あくまで「仕事」としてボウリングに携わり始めたので、特に好きでも興味があるわけでもなかった。

 

さて、ではどうしたら興味を持って関わって、面白さを知ることができるのか?

考えた末、特定の選手に注目して試合を見たら良いのではないか、と思い至った。

ちょうどJAPAN CUPという国際大会が開かれる時期だった。日米のトッププロ各12名(だったと思う)だけが出場できる特別な試合だったのだが、その年は、日本人枠としてイキのいい若手実力派プロ数名が特別に出場できる権利を与えられるという、ルールのマイナーチェンジがあった。そして、その年、私にはボウリングマガジン誌上に「日本人プロ、かく戦えり」というページが与えられた。

 

連日会場に通い、日本人選手の闘いぶりに注目しているうちに、特に目を引く選手がいた。日本人特別枠で初出場していた坂田プロと、もう一人、のちに私の師匠となった埼玉支部の中沢奨プロ(1998年デビュー、37期)だった。

2人に共通していたのは、世界最高峰の大会・JAPAN CUPで、しかも初出場にも関わらず、まったく物怖じせず、ピンと喧嘩でもしているかのようなギラギラした闘志が溢れていたこと。

 

この人たち、面白い。

そう感じ、その後の大会でも、ずっと注目した。

特に坂田プロの勝負師ぶりは顕著で、命懸けで戦うボクサーの姿とダブって見えた。

 

取材者の立場として、一部の選手に肩入れすることはよくないのだろうが、ボウリングが単なる「お仕事」ではなく、観て楽しめるスポーツであることを教えてくれた、恩人のような人なのである。坂田プロと出会っていなかったら、ずっと記事を書くためだけに見て、インタビューでも必要最低限の質問をして、無難にこなしていただろう。

 

長くなったが、そんな思い入れの強いプロボウラーが出場している試合を、地元・広島で観戦できるとは感無量。もう60歳を超えたそうで、初めてJAPAN CUPで投球を見た20数年前と比べると投球フォームも球の勢いもマイルドになっている感はある。が、「もうレギュラーツアーは出てないんですよ。勝てない勝負はしたくないから」という言葉に、勝負師魂は健在なんだとわかって嬉しくなった。

今大会でも、しっかり決勝進出を決めて、7位入賞を果たした。さすがですキラキラ

 

▲男子表彰式。優勝は江川司プロ(2018年デビュー、57期)

 

 

さらに予選では玉井慎一郎プロ(1998年デビュー、37期)のパーフェクト、つまり1ゲーム12投球すべてストライクという偉業を目撃するというラッキーにも恵まれた。

玉井プロは、デビュー直後の新人戦で優勝したとき取材させていただいた選手。あんなに初々しかったのに、ずいぶん貫禄たっぷりになったなぁと、それはそれで感慨深い…。

 

 

女子選手も、たくさん取材させてもらってお世話になった方々に何人かお会いできた。

準優勝の板倉奈智美プロ(2003年デビュー、36期)は、トップシードで決勝進出しながら惜しくも逆転負けを喫してしまったので相当悔しかったと思うんだけど、最後は客席にニコッと笑顔で挨拶し、レーンにお辞儀をして颯爽と撤収した姿が本当に美しかったし、カッコよかったラブ

 

▲女子表彰式。優勝は寺下智香プロ(2014年デビュー、47期)左から3人目が板倉プロ

 

楽しかったなぁ。広島オープン。

なかなかプロトーナメントを観戦する機会はないと思うし、そもそもボウリングがレジャーではなく国際大会もあるような競技スポーツであるという認識はあまりないかもしれないけど、お近くで開催されている際にはぜひ見てみてほしい。想像以上に面白いと思うので。