休憩時間や夜勤明けのひと時、
他の病棟の患者さんや職員の噂を聞くこともある。
その中で一番多く噂を聞いたのは1病棟のJさん。
悪い人ではないのだが、周りの状況に関わらず、
とかくマイペースで、「我が道を行く」人らしい。
前の夜勤の時、そのJさんのマイペースぶりを
初めて目の当たりにした私は、正直驚いた。
8時45分までの勤務明けまで
後一時間あまりとなった朝、
朝食を配膳室まで取りに行ったときの事。
食品エレベーター前で2病棟のTさんと配膳台を
待っていると、
なぜかばっちり化粧をして、
髪にリボンまでつけてきれいにセットしたJさんが。
通常この時間は一番忙しく、
化粧などとんでもない筈なのに、と面食らった私だが、
Tさんは
「あれ、Jさん、キレイにセットしてあるね!!」
とあくまで優しい。
その褒め言葉に喜んだJさん、
持ってきた経管(流動食の入れ物)をその場に放り投げて、
そのまま上機嫌で行ってしまったのだ。
「あの経管って洗わなくていいの?」と唖然とする私に、
「ああいう人だから・・・ね。」とTさん。
勤務明けに聞くと、
JさんはペアのHさんに断りも無く、
「用事があるから」とさっさと帰ってしまった様だ。
しかも、どうやら彼女のバッチリメイクは
勤務時間である夜中、勤務を放棄して
どこかに篭って出来上がったものらしかった。
あまりの傍若無人ぶりに、聞いていて腹立たしくなったが、
一番被害を被っている筈のHさんでさえ、
「仕方が無い」と諦めているのか、殆ど文句を言わない。
短気な私の事、もし私がペアだったら、
きっとブツブツ文句を言ってしまうだろうに。
結局この事から、「この病院に勤務する人たちって、
(2・3人の口やかましい人を除いて)なんて優しいんだろう!!」
って改めて実感させられると共に、
「私もJさんを反面教師として、
他の人に迷惑かけない様にしなくちゃ。」
と思わされたのだった。

