【複製】ペナン旅③-華僑移民の大富豪と大貧民 | 迷えるオッサンの老惨禄

迷えるオッサンの老惨禄

チェンマイ18年の日誌を中心にやってきましたが、2021年9月帰国、タイトルを変更したいました。

中国華僑の大富豪と大貧民
 
昨日はペナンを植民したイギリス人について見たが、イギリスの植民とともに流入したのが中国人やインド人で、特に中国人(華僑)はペナン人口の過半を占め、先住民マレー人を大きく凌駕している。
 
彼らは当初苦力(クーリー)として過酷な労働に従事してきたが、持ち前の金銭的才能と努力で頭角を現し、特にイギリス人が帰国した独立後はマレーシア経済の実質的支配者となってきた。
 
 
 
イメージ 1
 
 
中国系で一番成功した人物つまり大富豪は、1835年に福建省から来た邱(クー)一族で、彼ら一族の象徴がペナンで最も美しいとされる世界遺産クーコンシー(邸公司)である。
 
手前に見えるのはクーコンシー邸内を走る観光用の人力車である。
 
 
イメージ 2
 
 
 
クーコンシーとは邱一族の先祖を祀る霊廟であるが、このような金銀をふんだんに使った豪華な木造建築で、釘は一本も使ってないと云う。
 
一体どんなことをして蓄財したのか興味を持って家系譜を見ると、アヘン取引でイギリス植民政府の逮捕歴がある麻薬王、つまり予想通り汚れた金持ちと云ったところか・・納得。
 
 
 
 
 
 
邸内には先祖を大切にと説く24面の教訓彫画があったが、その一枚がコレ⬇
 
 
 
左の太った『豚女』邱家の娘(長女)で、邱祖爺さん(右隣)のため裸で蚊帳に入って沢山のに刺されるままで、これぞ邱祖爺さん孝行の手本とされている。
 
又右の絵『魚女』邱家の次女らしいが、寒い冬川に入って座れば暖を求める魚が寄ってきてそれを捕えて邱祖爺さんに食べさせると云うモノ・・・正にギョギョギョ――――――ッでありますが。
 
女性には人権は無いのであろうか?
 
 
 
イメージ 4
 
この付近はすべて邱一族の土地と聞くが、上から左手を見ると大富豪一族とは思えぬオンボロ長屋・・どうやら一族すべてに金が回っている訳ではなさそうである。
 
つまり邱一族の中にはつましく働く正直者もいるわけだと得心して空を見ると、ピサの斜塔に似たペナン一高い市役所(コムタビル)が少し傾いている気がした。
 
 
×    ×    ×
 
 
イメージ 5
 
 さて大富豪の邸宅を後にして海辺へ出ると、ユネスコ世界文化遺産「周一族の波止場」の看板(画像)に出会った。
 
 
 
 
イメージ 6
 
こちらは土地を持たない中国系漂海民(蛋民?)が海中に杭を打って掘立小屋を作り、道路状に板を敷いて各家を結んでいる。
 
 
 
 
イメージ 7
 
家の下にはこのように大きな杭が敷き詰められ、船溜まりもある。
 
 
 
 
 
イメージ 8
 
 
「周一族の波止場」先端の海辺へ出ると、北側には陳一族、さらに向うには林一族の波止場つまり蛋民水上集落があった。
 
 
 
 
 
 
イメージ 9
 
 
コチラは港の南側だがそこにも李一族、楊一族などの波止場があり、海にはゴミを満載した家舟も浮かんでいた。
 
 
大富豪の邱一族に対してこちらは大貧民の周一族であろうが、ともに世界遺産というのがなんとなく愉快で嬉しい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ちゃんちゃん