【ハムラアキラ4話感想】深淵を覗き続けた先にあるもの | 妄想泥棒のブログ(銀英伝・ハガレン二次創作小説とマンガ・読書・間宮祥太朗ドラマ感想)

妄想泥棒のブログ(銀英伝・ハガレン二次創作小説とマンガ・読書・間宮祥太朗ドラマ感想)

旧名「給料泥棒のブログ」を2014年7月に変更。
銀英伝ヒルダ視点による大河もどき小説を書いてましたが150話をもって完結。ハガレン小説も全86話で完結済。
2014年3月から、俳優間宮祥太朗さんのことしか呟けない病にかかりました。しばらくそっとしておいてください…。

今回は謎解きというよりも、ホラーに近い。
個人的にこれまでのところ今話がNo. 1!

出だしのシーンとラストの締めで、私は思わずブラッドベリの「刺青の男」を連想してしまいましたよ…最高…


①犯人追わなくていいボディガード

先輩探偵村木から貰った仕事は、今回もまた奇妙でした。


有名な美人フラワースタイリストのボディーガード。しかし2週間限定で、犯人の捜査追究は一切しなくて良いという。
(ボディーガードなら岡田警視さんに頼めばいいのにー←それ他局のBG)


ネットの誹謗中傷から、鉢植え落とされたり、ネズミの死骸送り付けられたり、なかなか悪質。


しかし、ハムラは依頼人の態度に被害者らしからぬ違和感を感じ、真の理由を問いただします。


すると依頼人が言うには、首にアザある「濃紺の悪魔」と契約してしまったために奇妙な事が起こり始めたと。


仕事のストレスから、ついバーで死にたいと愚痴ったら、偶然居合わせた濃紺の服の男に「なら殺してあげましょう」と持ちかけられた。冗談だしお金を払わなければいいと思ったのに、いつの間にかキャッシュカードを盗られ勝手に契約金を引き出されてしまっていた。


余りにも作り話めいていて、半信半疑のハムラでしたが、その直後に信じられない事態に!
何と一緒にガードにあたっていた村木の部下が、シャイニング宜しくドアぶち壊して襲って来た!何で!どうして?


薬を盛られ朦朧としながらも何とか通報し助かった。しかしその余りの異常な事態に信じるしかなくなったハムラ。


②依頼人が死を望んだのか?

今日も現れた岡田警視。
クールな口調で無表情だけれど、いっつも不幸な事件に巻き込まれているハムラを面白がっている…らしいw



警察によって保護された依頼者は、途中からの記憶が全く無いと言っている。
そして捕まった村木の部下の所持品から見つかったのは、薄気味悪い“やじろべえ”と、依頼者の筆跡による奇妙なメモ。



その筆跡鑑定の結果を待たずとも、それが依頼者自身のものであると確信したハムラ。
なぜならば、数々の嫌がらせの犯人もまた皆「彼女自身に頼まれた」と言っていたから。

するとそこへ、その怪しい依頼人本人が駆け込んで来た!
(すいーっと涼しい顔してどっか逃げた岡田警視ツボw)



物証の全てが本人の狂言と証明しているのだけれど、「違うの!全部あの悪魔がやった事なの!信じて!」


家族によって連れ去られて行く彼女の必死な形相はどうしても嘘をついている様には見えない…


岡田は、そんなハムラの心中を見透かした様に釘を刺しました。
「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている」(byニーチェ)
「好奇心は猫を殺す」(英国のことわざ)


僕インテリなもんですいませんね。ついでにニーチェにも詳しくなった理由があるんですよすいませんね笑
要するに深入りするなって言いたかったんです(ならそう言えよ〜ww)


どうやらコレは、これ以上追究しない方が良い案件の様です。


③現れた濃紺の悪魔

しかし、真実を探究せずにはいられない性分ゆえ、彼女の証言にあったバーに聞き込みに。

すると遂に、濃紺の悪魔がハムラの前に姿を現しました。
青い光を放つ異様な存在感。野間口さんの超ナイスキャスティング!



「死にたがってる人に、きちんと自分の死を選ばせてあげる」
それは意味ある死だと嘯く男。ハムラもまたその怪しさと蠱惑的な言葉に思わず引き込まれてしまいそうに…


そして、依頼人が受け取れなくなったから、と代わりに領収書をハムラに押し付けていきます。

後日、依頼人が奇妙な事故死を迎えた事を知らされたハムラ。
この時点で、ハムラの中には「後催眠による犯行」という疑いが芽生えましたが、確信までは持てず…


彼女に何が起きたのか、どうしてあげるべきだったか悩み、心あらず状態のハムラを仲間たちは皆心配しますが


今度は悪魔の男の矛先が、何とハムラに向いたらしく、次々と周辺の人間をトラップにかけ、



幾度も幾度もしつこく、ハムラ自身に姉の死の真相と仲間の誰かの命とを天秤にかけて選ばせようと誘導します。




④悪魔もまた自ら死を選ぶ

最後には、姉の死の真相などどうでも良いと、濃紺の男待つ屋上へ向かい、直接対峙する事に。



死や悪意を弄ぶ様にしか見えない男ですが、この男の言葉には思わずハッとする真実もあるのでした。
「この世は悪意で満ちている地獄。そこから抜け出すために明示的に死を選ぶ事の何がおかしい」



ハムラはその言葉から、男が単純な悪の存在とは異なり、悪意に苦悩した匂いを嗅ぎ取ります。
「アンタ、良い人なんじゃん。悪意の世界を不幸と思えるって。でもアンタ自身まで悪意に満ちる事は無い」


その言葉が、男の心に届いたのかどうか…
男は哲学めいた問答だけを残して、謎に満ちた微笑と共に身を投げて帰らぬ人となったのでした。


⑤ハムラ目を覚ませ

冒頭のバーのシーンへ戻って、ハードボイルドムード全開で酒を飲む二人です。



悪魔の男の正体は、元裁判官
幼児虐待など残酷で救いのない事件を幾度も担当。


悪意に満ちた世界や、繰り返されるだけの無意味な死に接し続けて、心を歪めてしまったと推察できる仄かしです…

「あれ?ハムラさん、首にアザなんかありましたっけ?」



濃紺の悪魔と同じところを指されて、思わずビクついたハムラですが、直ぐには冗談と笑い飛ばせない😂つーかね!岡田警視の冗談インテリ過ぎて(いやインテリは関係ない)全然笑えねえからww


「でも、気のせいじゃないかも…」
あの男がやった事が、催眠術だったのかどうかすら結局は良く分からない。むしろ、呪いの様な何かにすら思える…


いつの間にか、ハムラアキラ自身も催眠に落ちていたのでしょうか。
それを察したのか、岡田警視が催眠から目を覚まさせるためにカウントダウンを。
「3、2、1…👏」



目を覚ませハムラアキラ!



幾度もフラッシュバックの様に流される暗示的な音と映像の演出は、不可思議なムードと緊張感を高めてくれる見事な演出だったと思います。
個人的には、間宮氏が出演した「不能犯」の演出よりこっちが好きかな。


先日発売されたNHK情報誌ステラ内でのインタビューにて、間宮氏はまたいつものごとく適切過ぎるほどの言葉で本作品の魅力を語っていました。

「説明過多なドラマもある中で、本作品は説明し過ぎない抑えた演出で、世界観に引き込む」

はい照れその通り!だと私も思います!