映画感想<アバウト・タイム> | 妄想泥棒のブログ(銀英伝・ハガレン二次創作小説とマンガ・読書・間宮祥太朗ドラマ感想)

妄想泥棒のブログ(銀英伝・ハガレン二次創作小説とマンガ・読書・間宮祥太朗ドラマ感想)

旧名「給料泥棒のブログ」を2014年7月に変更。
銀英伝ヒルダ視点による大河もどき小説を書いてましたが150話をもって完結。ハガレン小説も全86話で完結済。
2014年3月から、俳優間宮祥太朗さんのことしか呟けない病にかかりました。しばらくそっとしておいてください…。

「ブリジット・ジョーンズの日記」などロマンティック・コメディで知られるリチャード・カーティス監督の作品。
SF好き少女であった私は、子供の頃からタイムトラベルものに目がなくて照。ふらり観にいくことになりました。

本当に素敵な映画でしたよ。自信をもって人様にお勧めしたいです。


①美しい英国の暮らしと風景

私はハリウッド映画よりヨーロッパ映画の方が好みに合うことが多いので、少し趣味が偏屈かもしれません。
本作のようなイギリスを舞台とする映画も結構好きなんですが、実はイギリス映画にはある面白い特徴がありまして。

イギリス人じゃない監督が描く作品ほど、英国を素晴らしく美しく撮っているのですよ笑。
米国人ジェームズ・アイボリー監督なんかが有名です。
(あ、世紀の美青年ホモ映画「モーリス」の方ねw)

本作の監督もニュージーランド人で生粋の英国人にあらず。
そういう監督たちが撮る英国の風景というのは、英国ルーツ植民国家の人間が抱くノスタルジーやら憧憬が込められているとしか思えないのだが、真実はどうなんでしょうね??

ま、言ってしまえば幻想フィルターがかかっているのでしょうww
しかし、だからこそ、夢のように美しく切ない。そんなところが大好きです。


②溢れる家族愛にほのぼのとした笑い

ぶっちゃけ英国人の笑いのセンスは私には良く分かりません。
「モンティ・パイソン」も「Mr.ビーン」もまったく好みではない。

しかし、脚本力ということでいうと、しばしば唸るような作品に出会えることがあります。
本作も、使い古された題材で、かつ、ヒューマンドラマにしては荒唐無稽すぎる設定にも拘らず、チープさなど全くない洗練されたシナリオでした。

タイムトラベルものですから、観客は全く同じ場面を観させられるんです。
それを幾度も幾度も繰り返す。それなのに、これが全く飽きない!
少しずつ何かが変わったり、あるいは変わらなかったり。ただただ、丁寧にプロットを重ねるだけで組み立てられています。
派手なアクションなど皆無なのに、本当に素晴らしい。

こういう優れた脚本には必ずwitウイットがある
真に知的な作り手が、観客をなめてないのです。わが国との余りの違いに泣けてくる~。
私は若い頃にバックパッカーで、英国のダメダメぶりも知ってはいるつもりなのですが、こういう作品を生み出せる文化的土壌があることは心から羨ましいです。


③堅実にして適切なキャスティング

出演している俳優の中で、比較的有名で人気があるのはヒロインのレイチェル・マクアダムスかと思われます。
が、他は、本当に見事なほどにスター俳優など皆無

それなのに、この演技の見事さはどうでしょう。
いや、だからこそ見事なのか?個性が本当にマッチしてる人が役に選ばれてるからね…。

私は、映画やドラマ好きというよりは、夢想好きなだけのただのマンガ・小説ヲタクですので、こういう製作姿勢こそ物語へのリスペクトを感じて嬉しくなります。

こういう作品が増えて、興行的にもそこそこ成功を収められるようになって欲しい。
そして、派手なスター役者ありきで企画もキャラクターも作られてしまう、一部ハリウッドや日本ドラマ映画の世界も、少しずつ変わっていってくれるといいな、と願ってます。

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