「明日もイベントの本番。早く寝ないと。」


ベッドに入っても、人間ドックの結果が頭から離れず、なかなか寝付けないガーン



「前がん病変の”高度”ってことは、かなりの確率で”がん”っていうことなのかな」


「もう他の臓器にも転移しているのかな」


「子宮頸がんの生存率ってどのくらいなんだろう」


「子宮は取らないといけないのかな」



不安や疑問がどんどん押し寄せてくる爆弾


私はいてもたってもいられなくなって、スマホを掴んだ。


『子宮頸がん』 『子宮頸がん 前がん病変』 『子宮頸がん 手術』 『子宮頸がん 人間ドック』

『子宮頸がん 誤診』 『子宮頸がん 転移』 『子宮頸がん 再発』・・・・


思いつく限りの単語を入力し、子宮頸がんに関連するサイト・ブログを読み漁った。



この一晩で私の『子宮頸がん』に関する知識はかなり高まったと思う。


・子宮頸がんはウィルス感染による”がん”だということ。

・よって遺伝ではないこと。(私の家系にはあまり”がん”の人がいなかったので納得)

・子宮頸がんは”がん”と呼ばれるまでに異型性という状態があり、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのクラスがあり、それを超えると上皮内がん(ステージ0期)、さらに進むとステージが上がっていくということ。

・異型性の状態では自然治癒することもありうること。

・20代から30代の女性が最も発症しやすい”がん”であるということ。

・このウィルスは多くの女性が持っているが、発症する人は少ないということ。

・そして、ほかの”がん”に比べると、転移しにくい”がん”であるということ。


ここでは書き込めないくらいの情報。

学生時代もこのくらい真剣に勉強してたら、もっと成績が良かったんだろうな(苦笑)



こんなにインターネットをフル活用したことは今までないと思う。


不安に押しつぶされながらも、様々な情報を得ることで「漠然とした恐怖、不安」から「具体的な不安」に変わっていった。


もちろん、不安は不安だし、怖いものは怖いんだけど、何について怖がれば良いのかが分かってきた気がする。


そうこうしているうちに、一睡もしないまま夜が明けた・・・。



『前がん病変(高度)の疑いあり』


「私、”がん”なんだ・・・。

死んじゃうのかな。」


人間ドックの診断結果を持つ手が震える。



健診センターからの封筒は母がベッドの上に置いたはず。

何もなかったことにはできない。


とにかく母には事実を伝えないと・・・。



「お母さん、私、がんになっちゃったかも・・・。」

隣の部屋で髪を乾かしていた母にポツリと伝えた。


驚いた母は恐る恐る私から診断結果を受け取る。


どれだけの沈黙があったのかはわからない。

時間が止まるって、こういうことを言うんだと思う。


「まずは精密検査を受けてみないと、どうしようもないじゃない。

今日は金曜日で土日は健診センターもやってないし。

とにかく今日は寝なさい。

明日もイベントなんでしょ?」


「・・・わかった。」


頭が真っ白のまま、自分の部屋に行こうとドアを握ったとき、


「一緒に寝る?」


母からそんなことを言われたのは生まれて初めて。

35歳の娘に言うような言葉じゃないと思うけど(笑)


その時は母も怖かったのだと思う。


自分の娘が”がん”かも知れないっていうことが。


「いや、大丈夫だよ。おやすみ。」


それだけ言って、私は部屋のドアを開けた。

2013年11月8日(金)。

全てはこの日から始まった。



その日はイベント本番の2日目。

メインの担当ではなかった私はサポート的な役回り。


自分がメインのときは責任が方に重くのしかかり、現場でもピリピリしていることが多いけど、この日は気持ち的にも余裕があり、イベント自体を楽しみながら参加することができた。

私自身、すごく楽しみにしていた仕事。



翌日のプログラム等の準備をし、帰宅したのは22:00くらい。


自室に入るとベッドの上に1通の封筒が。

○○健診センターの文字。


「そういえば、3週間くらい前に人間ドック受けたっけな~シラー」

なんて軽い気持ちで封筒を開けた。



私の会社は5年ごとに人間ドックの補助が出る。


補助が出ると言っても、自己負担額は4万円くらいになるので、決して安いものではないけれど、

「まぁ、お金で安心が買えるならいっかー!」的な軽いノリで受診したものだった。



診断結果の紙を見るとそこにはいつも通り「A」の判定が並ぶ。


健康だけが取り柄の私。

「やっぱりね~。そりゃAだよ」なんて、何の根拠もないのに自信満々得意げ

しかし、読み進めていくと・・・総合判定はまさかの「E」。


「なんで叫びまさかの印刷ミス?誤診??」


そのとき、一瞬イヤな予感が頭の中を駆け巡った。



3週間前の人間ドック。

午前中に全ての診断が終わり、午後は医師からの診断結果説明。


「結果を見る限り、全て正常値の中に入っているので問題ないですね。

これからも適度な運動、栄養管理をきちっとしてくださいね。


それから、婦人科検診の結果だけは2週間ほどお時間がかかります。

郵送にてお送りしますので、ご確認ください。」



「・・・んっ? 婦人科の結果は後日??まさか・・・!!!」



診断結果の子宮の欄を見ると・・・


『前がん病変(高度)の疑いあり』


その瞬間、頭の中が真っ白になった。