豊かなのに生きづらい世の中での、少子高齢化の進行と年金。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちは!
年金アドバイザーのhirokiです。
 
 
 
この間、ブログでザックリと書いたものでしたので、書き加えて再投稿しました^^
 
ーーーー
 
年金の話と同時によく問題になるのが少子高齢化です。

これからも日本人口はひたすら少なくなっていく見込みですが、今が1億2千万人程だとしたら2100年には6000万人程まで減ります。
 
その6000万人のうち40%の2500万人程は65歳以上の高齢者となる。
 

日本は人口減少や少子高齢化の問題が深刻ですが、人口問題は日本だけでなく世界全体の問題でもあります。
世界レベルだと人口増加が大きな問題ですが、人口が多すぎると環境破壊や食糧難になってくる。
 
 
 
ところで、なぜ日本においてそんなに高齢者の人口や子供の人口を気にするのかというと、年金制度は現役世代の保険料で高齢になった人を支える仕組みだからです(家族を失った人や障害者の人も保障する)。
 
少子化で保険料支払う人が少なくなるのに、平均余命の伸びで高齢者の人が増えていくと、一人当たりの保険料の負担額が重くなりすぎてしまう。
 
 
特に平成16年の年金改正までが最近高齢者が多くなってきたから、もっと保険料を負担していこうという考えでやっていた。
 

高齢者の厚生年金は現役の頃の60%台は支給したいという目標があったので、その60%を確保するために現役世代から徴収する保険料を決めていた。
 
 
ただし、平成29年9月をもって厚生年金は18.3%の保険料率を上限にしたため、年金財源としては毎年決まった額が入ってくる事になります。
 
国民年金保険料は平成31年4月に17,000円×改定率を上限とした(改定率というのは物価や賃金の伸びを反映させるもの。貨幣価値は変動するからですね)。
 
 
財源が天井なので、その範囲で年金給付を行うという形に平成16年改正から大きく変わりました。
 

年金の考え方が180度変わってしまった。
 
 
受給者に目標の年金を支給するのを目指すよりも、現役世代の負担を過大にしないようにする事を目指すようになりました。
 
 
 
さて、少子化の問題が深刻になり始めたのは昭和50年に合計特殊出生率(女性が生涯に産む子供の数)が2.0を下回った頃です。
 

合計特殊出生率が2.08を人口置換水準と言いますが、この値を下回ると人口は減っていきます。

昭和50年から合計特殊出生率は2.0を下回り始めました。
 
 
将来は人口が減っていく事になると見込まれるようになったため、少子化対策が必要になっていきました。
(さらに高齢化率は昭和45年から7%になって高齢化社会となし、平成6年に14%になって高齢社会になり、平成19年に21%になって世界初の超高齢社会に突入した)
 
 
戦後の昭和の時期は第一次ベビーブームの昭和22年から昭和24年頃の事を言いますが、この頃の合計特殊出生率は4.5とかなり高い水準でした。
 
 
ところが日本は昭和30年から高度経済成長に乗り、工業化が進み、農業離れが進んでいったので子供を労働力と捉える考えも薄くなり、そこまで子供は産む必要は無くなっていきました。
 
 
ちなみに発展途上国なんかは子供が十数人とかすごい子沢山ですが、それは子供を労働力とみなしてるからです。
 
 
しかしながら人口が増えると、その増加した人口を養うための食糧が必要になるので、無理な過耕作や過放牧などで環境が破壊される原因になります。
 
土壌の力を超えた農業をするので、砂漠化が進んでいきます。
 
 
あのサハラ砂漠のサヘル地帯とかは有名ですよね。
 
沢山の人口を養うために、何とか耕せる土地でひたすら耕作するから土地がダメになって、砂漠化が進行する。
 
 
また、中国の人口は世界一ですが、昔から散々環境破壊してきたせいでモンゴル自治区のゴビ砂漠とかシンチャンウイグル自治区あたりのタクラマカン砂漠から飛んでくる大変な黄砂に悩まされている。
 
 
昭和30年代の毛沢東の大躍進政策から徹底的に森林伐採してきたからですね。
 
無茶な工業化が自然を壊した。
 
 
あと、日本上空には常に偏西風が吹いてるから、その風に乗って黄砂が飛んでくる。
 
 
 
このような森林伐採や過耕作は環境破壊が進むので、先進国側としては発展途上国に対してそんな事はヤメロって言います。
 
 
しかし、今までは先進国が散々経済の発展のために環境を顧みずに経済を発展させてきたので、発展途上国からしたら善意の押し付けみたいになって反感を買う。
(まあ、日本も昭和30年代から昭和40年代ごろの高度経済成長期は環境をないがしろにしてたので物凄い公害だらけでしたけどね^^;)
 
 
特に人口の急激な増加は確実に環境破壊を進行させる。
 
現在は世界で76億人ほどいますが(もう地球が養える人口の限界)、2050年には100億人近くが見込まれています。
 
 
日本は人口は減り続けますが、世界人口は毎年8000万人ずつ増えている。
 
日本人口が少なくなってるので、移民政策が取り沙汰されますがこれは最も危険。
 

歴史的に見て先住民は移民に抑圧される事になっていったからです
 
例えばアメリカやオーストラリアなんかは移民で栄えた国ですが、先住民であるアメリカインディアンや、南米のインディオ、オーストラリアのアボリジニなどの現状を見ると、先住民たちは隅っこに追いやられてしまった。
 
 

日本は人口が減るからって安易に移民を受け入れるとすれば、お近くの国の億単位の人が押し寄せてくるかもしれない。

そうなれば日本人はさっきの国みたいに隅に置いやられてしまう危険性が高い。
 
 
EUなんかもまさに移民に悩まされている。
だからイギリスはEUを離脱した。
 
 
移民が入ってくるという事は様々な文化を持った人が入ってくるわけですが、同じ人間だからきっと分かり合えるという考えは危ない。
 
人は自分の目ではなく、生まれ育った文化でモノを見るため、自分の基準でどうしても他の文化を見る。
 
 
自分が善で、相手が悪という目で見ると途端に争いになる。
私はこうなのに、なぜあの人は違うのか?あの人はおかしいのではないかと見る。
 
だから価値観の押し付けのような事が始まる。 
 
 
宗教に関する戦争が絶えないのも、そのような文化の違いがわかり合えないから。
 
 
ーーーー
 
 
話を戻しますが、日本は昭和50年から本格的な少子化が始まったわけですが、それ以前に昭和48年の石油ショックというのがありました。
 
 
この石油ショックで日本の高度経済成長は完全に終わってしまい、不景気に傾いていきます。
 
 
不景気に移行していきましたが、日本は石油依存から省エネ産業を開発して不況を乗り切り、そして昭和60年からはバブルを迎えます。
 
平成3年にはバブルが崩壊し、皆さんご存じの通り長い不況が続きます。
 
 
バブル崩壊してからはほとんど日本の経済は成長しなくなった。
 
 
働いても働いても給料は上がらなくなり、昭和の典型的な雇用体系である終身雇用とか年功序列型賃金は終わっていった。
 
 
企業はコスト削減のために賃金の高い正社員から、賃金の安い非正規社員とか派遣労働者に変えていきました。
 
 
 
正社員と同じくらい働いても最低生活水準を維持する収入が得られないワーキングプアの問題も深刻化した。
 
 
 
自分一人生きていくだけでも精一杯で、一体明日はどうなるのかわからない不安を持つ人が多くなった。
 
 
2009年の100年に一度と言われたリーマンショックによる不況の時に派遣切りという言葉が流行りましたが、会社の経営が悪化するとそういう労働者が真っ先に何の予告も無く一方的に解雇されてしまう。
 
 
年功序列とか終身雇用の時代を生きてきた人からしたら考えられない事ですが、バブル崩壊以降に時代は変わってしまった。
 
土地や株を購入するためのお金を銀行がひたすら過剰に貸し続け、バブル崩壊とともに土地の値段が暴落した後に残ったのは莫大な不良債権だった。
 
 
担保に取っておいた土地を売却しても、貸したお金の全部は戻ってこないからですね。
 
 
不良債権処理で手いっぱいだから銀行は企業にお金なんか貸してる場合じゃなくなり、深刻な貸し渋りが続いたため、景気は回復していかなかった。
 
 
ところで少子化の問題が取り上げられる時、今の若者は結婚しなくなった、結婚を必ずしも必要としなくなった、今の生活を楽しみたいという人が増えたとかいろいろ言われる事がある。
 
 
結婚をしなくなったとかいう問題よりも、したくてもできない時代になってしまったといったほうがいい。
 
 
給料は上がらない、キチンと就職しても会社がずっと存在する保証もない、いつ解雇されるかもわからないというような、自分自身の心配が大きくなってしまった。
 
 
特に小泉政権下では新自由主義の考え方から政府の規制を緩和し自由競争を促進したので、会社の競争が激化し、会社の様々なコスト削減が促された。
そこで正社員ではなく、非正規雇用者を雇ってコストを削減するようになった。
 
 
この会社のスリム化で大きな問題が起こった。
 
 
正社員と非正規雇用者の格差拡大。
 
非正規雇用は働いても働いても家族を養うだけのお金を得られない状況になってしまった。
 
 
結婚したいと思っても迂闊に結婚なんかできない。
ましてや子供を作り、育てるなんてとてもとてもという人が増えた。
 
 
政府は子供の数を増やしたいと思っているが、なかなかこの社会が豊かにならないと増えていくのは難しいのではないか。
 
こういうと年金制度を維持するのは難しいと考える人も多いかもしれませんが、年金制度は守っていかなければならない。
 
 
年金が無ければその分、個人が自腹で高齢となったお母さんお父さんの面倒を見なければいけなくなる。
毎月の給料から10万円は少なくとも必要かもしれない。
 
 
金持ちならそんな事が出来るかもしれませんが、この停滞した社会ではほとんどの人が自腹で養うなど不可能でしょう。
 
よって、社会全体で高齢者を支える年金制度はこれからも不可欠。
 
 
核家族が多数を占めるようになった現代では、どうしても国が高齢者の面倒を見ざるを得ない。 
 
 
ーーーーーーーー
 
・事例と仕組みから学ぶ公的年金講座(月額770円税込み毎週曜日20時にメルマガ発行)
登録初月無料。
途中で登録されてもその月の発行分はすべてお読みいただけます。

https://i.mag2.jp/r?aid=a5f50d6777d30e



6月16日の第194号は「高齢の人ほど年金記録が漏れている可能性が高く、年金額が訂正された場合の遡り給付は高額となりやすい。

6月23日の第195号は記録を見ると遺族厚年を貰えそうもないけど、過去の通院が決め手となって受給する場合。

6月30日の第196号.カラ期間の存在理由と、昭和61年4月以降に年金水準を引き下げる過程。


6月2日第192号.年金振込日にたまに起こる恐ろしい事案と、2つの病気を合わせて障害年金を請求する事例。」を発行しました。

6月9日の第193号.なぜ共済年金は終わらせる方向に向かなければならなかったのか。」を発行しました。

 

ーーーーー
 
 
・有料メルマガ記事は現在200記事近くありますが、バックナンバーは月単位で購入可能です。
全て読み切り。
https://www.mag2.com/archives/0001680886/