加給年金(月額約2万~3万円)を加算する時は、原則としてたった1日の状況で判断する。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

おはようございます。
年金アドバイザーのhirokiです。
 
アベノマスクが届かない。
待てど暮らせど届かない…(;´∀`)もうどうでもいいやって感じですけどね(笑)
 
 
20年以上の厚生年金期間(共済期間と合わせてもいい)がある夫(妻でもいい)が65歳になった時に、生計維持している妻(夫でもいい)が居たら、夫には配偶者加給年金(年額390,900円。月額32,575円)が老齢厚生年金に付くというのは割と知られています。
 
 
これは老齢厚生年金だけの話かというと、障害厚生年金受給者にも当てはまります。
 
障害厚生年金の場合の金額は年額224,900円(月額18,741円)となっています。
この金額の違いは、老齢厚生年金には特別加算166,000円がオマケで付いてるから。
 
 
また、老齢厚生年金の場合は夫が65歳にならないと加給年金が付き始めませんが、障害厚生年金は65歳前でも例えば30代とか20代でも貰う人が居るので年齢的な違いもあります。
 
その違いもあるのですが、気を付けたい違いも老齢厚生年金と障害厚生年金にはあります。
 
 
その違いを見ていきましょう。
本日は簡潔に説明します。
 
 
1.昭和30年5月6日生まれの男性(今は65歳)
 ・(令和2年版)何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!

https://ameblo.jp/mattsu47/entry-12563651891.html

・絶対マスターしておきたい年金加入月数の数え方。
https://ameblo.jp/mattsu47/entry-12564534484.html

 
 
20歳になる昭和50年5月から昭和53年3月までの35ヶ月間は夜間学生として国民年金強制加入だったが、未納。
昭和53年4月から65歳の前月である令和2年4月までの505ヶ月間は厚生年金に加入。
この間の平均給与から貰える老齢厚生年金は200万円とし、老齢基礎年金は70万円とします。
 
 
なお、婚姻はしていたが、65歳になる前には離婚していて単身だった。
 
 
ところが、令和2年5月20日に63歳(昭和32年生まれ。20年以上の厚年期間は無い年金を受給中)の女性と再婚する事になった。
 
 
さて、男性には余裕で20年以上の厚生年金期間がありますよね。
一般的に妻が65歳未満で、妻の前年収入が850万円無くて妻が20年以上の厚生年金を貰っていないなら、夫には配偶者加給年金年額390,900円が加算される。
 
 
しかし、この場合は配偶者加給年金は夫には加算されない。
 
 
なぜなら65歳到達時点で妻が居なかったから。
 
 
配偶者加給年金はあくまで65歳到達時点(65歳誕生日の前日)に生計維持してる妻が居たかどうかですべてが決まる。
 
あ、じゃあ65歳誕生日の前日に籍に入ればいいわけね!というのは遅い。
 
 
65歳前日の午前0時にはすでに婚姻してなければならない(事実婚状態でもいいですが)。
だから、どんなに遅くとも夫が65歳誕生日前々日までには婚姻しておく必要がある。
 
 
よって65歳時に婚姻してなかったなら、その後に配偶者加給年金が付く事は無い。
 
 
つまり、65歳誕生日前日時点のたった1日時点の状況しか見ないという事です。
 
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じゃあ次に障害厚生年金の場合はどうか。
まず障害厚生年金に配偶者加給年金が付くかどうかを考える場合は、大前提として2級以上の人でなければならない。
 
2.昭和53年3月7日生まれの女性(今は42歳)
 
厚生年金加入中の平成15年9月19日(病院に運ばれた初診日)に大ケガをしてしまい、片腕が動かせなくなってしまった。
 
回復を期待し、リハビリに打ち込んでいたが1年6ヵ月経過した日(障害認定日)である、平成17年3月19日時点でまだ回復していなかった。
 
 
そのため、あらかじめ相談していた社会保険労務士の障害厚生年金代理請求により、障害年金を請求する。
障害年金請求は原則として初診日から1年6ヵ月経過した日以降請求が可能となる(ただし、1年6ヵ月以内にもうこれ以上治る見込みがないような状態と判断されると1年6ヵ月待つ必要がない場合もある)。
 
 
初診日が厚生年金加入中だったため、障害厚生年金となる。
 
 
請求の結果、2級と認定されて障害厚生年金2級50万円と、障害基礎年金2級78万円の合計128万円が支給される事になった。
2級以上の人は国民年金から障害基礎年金も付いてくる。
 
 
さて、この障害年金の受給権発生時(平成17年3月19日)には65歳未満の夫やら18歳年度末未満の子は居なかった。
 
 
なので配偶者加給年金224,900円とか子の加給年金224,900円(子の加給は障害基礎年金に付くもの)というものは対象外だった。
受給権発生時のたった1日時点しか見ない。
 
 
 
その後、平成19年10月中に45歳の男性と婚姻し、その連れ子6歳とも同居するようになった。
 
じゃあ、障害年金に付く加給年金というのはどうなるかというと、障害年金の受給権発生時(平成17年3月19日時点)にこれらの家族は居なかったのでもちろん、加給年金が加算される事は無い。
 
 
無いんだけれども…平成23年4月に障害年金加算改善法というものが出来て、障害年金に関しては受給権発生後に家族が居れば加給年金が付くようになった。
 
よって、平成23年4月時点で夫が居たから、配偶者加給年金224,900円が妻の障害厚生年金2級に加算される事になった。
妻の障害年金総額は1,504,900円になった。
 
 
子の加給年金はというと、子はこの女性の実子ではないから加給年金の対象外。
 
 
しかし、夫の連れ子と平成26年8月5日に養子縁組をしたため、平成26年9月分から子の加給年金が障害基礎年金に加算され始める。
 
よって、平成26年9月分からの障害年金総額は1,729,800円となった。
 
 
…このように、一例ではありますが加給年金というのは、家族が増えたら必ず貰えるわけでもないし、何かと条件がありますので注意は必要です。
 
 
※お知らせ
「子」の取り扱いについてはかなり大事なので、5月20日の有料メルマガでは遺族年金受給家族で比較した事例を用いて年金計算の大きな違いを見ていきます。
 
あと、6月の有料メルマガで障害年金の加給年金と収入額の関係を見ていきます。
ついでに実務上ではよくある年金担保融資(令和4年3月に廃止されますが^^;)と絡めた事例を使います。
 
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5月6日20時の第136号は「相次ぐコロナ失業。年金受給者が退職して失業手当を貰う時に停止された年金はどこで支給再開するのか」を発行しました。
 
5月13日の第137号は「年金は75歳から支給しますという事ではないが、支給開始年齢の引上げの歴史と現制度の問題点」を発行しました。

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