基本的な老齢の年金給付までの流れ。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちは。

年金アドバイザーのhirokiです。
 
 
 
年金に加入するというのは20歳になると強制加入となります。
 
20歳から60歳の前月までの40年間が必ず加入しなければならない期間となります。
 
なお、年金の被保険者には次の三つがあります。
国民年金第一号被保険者という、主に自営業者、自由業者、学生、フリーターなどが加入して自ら毎月の保険料を納める被保険者。
約1500万人。
 
 
強制加入とはいえ、保険料支払いが個人に委ねられているのが今もなお国民年金保険料徴収の際の弱点となっている。
 
 
次に厚生年金に加入しているサラリーマンや公務員などがの、国民年金第二号被保険者。
この人たちは会社が給与払う時に、厚生年金保険料が天引きされるので、先ほどの自営業者のように自分の意志で納めないという事ができない。
約4400万人。
 
 
そしてその第二号被保険者に扶養されている国民年金第三号被保険者(約850万人)。
 
国民年金第三号被保険者は年金保険料支払わなくても、将来の65歳から支給される老齢基礎年金が貰えるという人達ですね。
 
第三号被保険者の年金の財源は、第二号被保険者が支払う厚生年金の保険料に含まれている。
 
 
このように、1号から3号と分けられたのは昭和61年4月から。
 
 
 
ちなみに厚生年金に加入してる国民年金第二号被保険者は、平成27年10月から更に4つに分けられている。
 
 
民間企業に勤めて厚生年金に加入してる人を第一号厚生年金被保険者。
 
国家公務員が第二号厚生年金被保険者、地方公務員が第三号厚生年金被保険者、私立学校教職員共済組合は第四号厚生年金被保険者と続く。
 
 
なんだか…頭が混乱しそうですが、つまり公務員も厚生年金に加入して将来は厚生年金を貰うって事ですね。
 
 
ちなみに厚生年金は20歳から60歳までという縛りは無く、20歳未満から加入して最長70歳まで今のところ加入できる。
 
 
さて、20歳から60歳までの40年間はどんな職業であれ国民年金に加入するんですが、これは将来はみんな共通して国民年金から老齢基礎年金を貰おうねって事が昭和60年の改正で決まったから。
 
 
まずみんな国民年金という土台に加入したうえで、その上に人それぞれの給与によって給付も異なる厚生年金が支給される。
 
 
 
家で例えれば、1階が国民年金、2階が厚生年金、3階が企業年金とか民間の年金というというところでしょうか。
 
 
2階以上の年金は、人それぞれ違いますが、1階の国民年金に関しては満額は決まっている。
 
 
20歳から60歳までの40年間(480ヵ月)完璧に年金に加入して保険料を支払ったなら、年額780,100円(月額65,008円)となる。
 
 
40年に足りなければその分減額されてしまう。
 
 
今の年金制度なら最低10年加入(平成29年7月31日までは25年だった)すれば老齢の年金が貰えますが、40年のうち10年しか納めてないなら給付も4分の1になってしまう。
 
 
なお、原則は20歳から60歳までの加入ですが、任意で65歳まで加入する事ができ、更に65歳時点年金貰う資格が無い人に関しては特例で最大70歳まで加入する事はできる。
 
 
 
というわけで、今回は年金給付までの基礎的な流れを見ていきましょう。
 
 
1.昭和29年6月18日生まれの女性(令和元年時点で65歳)。
 
 
20歳になる昭和49年6月時点ではブラジル人として、昭和53年11月までの54ヶ月間は日本には住んでいなかった。
 
 
昭和53年12月から日本に住む事になったが、ブラジル国籍だったので国民年金には加入できなかった(昭和56年12月まで在日外国人は国民年金には加入不可だった)。
 
そういえば在日ブラジル人って結構多いですよね^^;
ブラジルでの日系人も多いけど。
 
 
昭和53年12月から昭和56年12月までの37ヶ月間加入不可だった。
 
 
昭和57年1月からは国民年金の国籍要件が無くなり、国民年金強制加入となった。
 
 
昭和57年(1982年)1月から平成2年(1990年)3月までの99ヶ月間は国民年金保険料を納める。
 
ついでにこの99ヶ月間は国民年金に上乗せ年金である付加年金(月保険料400円で、月額200円の年金)を市役所で申し込んだ。
 
 
 
昭和63年中に日本国籍を取得した(後半に重要な意味を持つ)。
 
 
平成2年4月からサラリーマンの扶養に入り、平成10年7月までの100ヶ月間は国民年金第三号被保険者となる。
個別に保険料を納める必要はないが、納めたものとして扱う。
 
 
平成10年8月から民間企業で働く事になり、平成13年3月までの32ヶ月間厚生年金に加入する事になった(国民年金第二号被保険者)。
なお、この間の平均給与(平均標準報酬月額)は20万円とします。
 
 
平均標準報酬月額というのは簡単に言うと32ヶ月の間に貰った給与の総額を平均したもの。
 
 
 
平成13年4月から平成22年6月までの111ヵ月は未納。
 
 
 
平成22年7月から60歳前月の平成26年5月までの47ヶ月間は国民年金保険料を納める。
 
 
 
さて、平成26年6月は60歳となりましたが、この女性は年金が貰えたのか。
またいくらになるのか。
 
 
まず、この女性の生年月日から判断すると、厚生年金期間が1年以上あり、全体の年金加入期間が25年以上あれば60歳から老齢厚生年金が貰える人。
 
だけど60歳時点で加入期間が足りない(平成29年7月以前はまだ10年ではなく25年必要だったから)。
 
年金加入期間が278ヵ月しかなかった。
 
 
じゃあ60歳から貰えなかったのかというと、この人は貰えた。
 
 
 
この女性は昭和63年に日本国籍を取得していますよね。
そうすると過去に外国に居たり、国民年金に国籍要件があったりしてそもそも年金に加入できなかった91ヵ月の期間があります。
 
 
こういう期間は年金額にはならないが、年金を貰うための受給資格期間25年(平成29年8月からは10年)の期間に組み込む。
 
この91ヶ月間をカラ期間という。
 
 
国の都合で加入できなかった期間だからこういう救済措置がいろいろな場合で取られている。
 
 
 
よって60歳時点で、278ヵ月+91ヵ月=369ヵ月となり、十分に期間を満たす。
 
 
 
60歳から支給された老齢厚生年金→20万円×7.125÷1000×32ヵ月=45,600円(月額3,800円)
 
年金額少ないですね^^;
加入期間が少ないのと、給与も低かったからですね。
 
しっかし、子供のお小遣いじゃないんだからって感じですが、ビックリする年金額というのは意外と見かけるもんです。
 
 
また、60歳から65歳までの60ヵ月は国民年金に任意で加入する事ができたので、この間に40ヶ月間だけ納めた。
ついでに付加保険料も40ヵ月納めた。
 
 
これにより65歳から貰える国民年金からの老齢基礎年金はいくらになるか。
 
 
老齢基礎年金→780,100円÷480ヵ月(加入限度期間)×(278ヵ月+任意加入40ヵ月)=516,816円
 
付加年金→200円×(99ヵ月+40ヵ月)=27,800円
 
 
よって、65歳からの年金総額は、老齢厚生年金45,600円+老齢基礎年金516,816円+付加年金27,800円=590,216円(月額49,184円)
 
 
なお、夫の老齢厚生年金に配偶者加給年金が付いていたら、この女性が65歳に到達した時に年額56,799円(この女性の生年月日による定額)の振替加算が付く場合がある(20年以上の厚生年金期間がある年金を貰える人は加算されない)。
 
この加算は特に何もなければ一生もらえる。
 
 
とりあえずその振替加算が付いたとします。
 
 
それから、令和元年10月から消費税が10%に上がりましたが、この財源を使って低年金者の過去に年金保険料を支払った期間または免除期間に応じて月額約5,000円の給付金が始まった。
 
 
前年所得+年金総額≦779,300円の人で、非課税世帯の日本に居住してる人なら貰える。
 
 
年金生活者支援給付金→5,000円÷480ヵ月×318ヵ月=3,312円
年額に直すと3,312円×12ヵ月=39,744円
 
 
そうすると年金総額は老齢厚生年金45,600円+老齢基礎年金516,816円+振替加算56,799円+付加年金27,800円+年金生活者支援給付金39,744円=686,759円(月額57,229円)
 
 
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