こんにちは!
年金アドバイザーのhirokiです。
年金で最も基盤となる年金は国民年金であり、国民年金から支給される基礎年金です。
20歳の到達月になるとどんな職業の人であれ国民年金に強制加入となり、60歳までは強制加入期間となります。
この480ヶ月間のうち10年間(120ヶ月間)を、保険料納めたり、免除したりする期間があれば65歳から老齢基礎年金として国民全員に支給される年金となります。
保険料納付済み期間+免除期間+カラ期間≧10年となれば老齢の年金はひとまず貰える。
なお、カラ期間というのは、昔は国の判断で国民年金には強制加入にはせずに、加入してもしなくてもいいよっていう期間がありました。
なのでそういう国の都合で加入してなかった部分は年金には反映しないけど、年金を貰う期間には含めようという事で設けられているもの。
代表的なものとして昭和61年3月までのサラリーマンや公務員の専業主婦だった期間があります。
昭和61年3月まではサラリーマンや公務員の専業主婦は国民年金には強制加入させなかった。
なぜかというと、サラリーマンだったら厚生年金、公務員なら共済がその専業主婦の生活費もひっくるめて年金を支給する世帯単位の年金だったから。
配偶者の分は配偶者加給年金として夫の厚生年金に一生支給していた。
今現在は妻が65歳になると配偶者加給年金は消滅する(妻自身が65歳になると国民年金から老齢基礎年金が出るから)。
世帯単位で守る厚生年金や共済が支給されるなら、わざわざ国民年金に加入させる必要は無いと国が判断したために、専業主婦を国民年金に強制加入にはしなかった。
ところが、国民年金に加入させていないと離婚した時に妻は将来は老齢の年金が貰えなかったり、重い病気や怪我をした時に障害年金が出なかったりするという大きな弱点がありました。
なので昭和61年4月からはこういう専業主婦も国民年金に強制加入させて、自分の名義で年金が将来は貰えるように改正されたんです。
昭和61年4月からは国民全員が国民年金に加入して、25年以上の未納以外の年金加入期間があり、そのうち1ヵ月でも年金保険料を納めたり免除していれば65歳になったら老齢基礎年金を支給する制度に変わりました。
25年以上の期間さえあれば、1ヵ月でも納めた年金は反映されるようになったので、昔に国の都合で強制的に加入させていなかった期間はせめてその25年の期間には含めようという事になって年金を貰いやすくするためにカラ期間として反映させる事にした。
まあカラ期間は様々あるので、この記事ではそういうものがあるという事でお願いします^^;
・一気に学び直す様々なカラ期間(2019年10月有料メルマガバックナンバー)
さて、国民が65歳から共通して貰う年金は老齢基礎年金ですが、これに関して本日は考えていきましょう。
1.昭和30年3月1日生まれの女性(今は65歳)
・(令和2年版)何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!
https://ameblo.jp/mattsu47/entry-12563651891.html
・絶対マスターしておきたい年金加入月数の数え方。
https://ameblo.jp/mattsu47/entry-12564534484.html
20歳になるのは3月ですが昭和50年の2月です。
なぜ2月から20歳なのかというと、誕生日の前日に歳を取るからです。
3月1日生まれだから、前日の2月28日に歳を取るので、2月が誕生月となる。
2月が誕生月だから、昭和50年2月分からの保険料を納める必要がある(1日生まれの人は注意)。
昭和50年2月から昭和54年8月までの55ヶ月間は国民年金保険料を納めた(国民年金第1号被保険者とされる)。
昭和54年9月から公務員の男性と婚姻し、専業主婦となる(国民年金に強制加入する必要が無くなった。ただし、任意で加入して保険料を納める事はできた)。
昭和54年9月から昭和61年3月までの79ヶ月間は国民年金には加入しなかった(後のカラ期間)。
昭和61年4月からは国民全員を国民年金に加入させて、65歳になったら自分名義で全員が老齢基礎年金を受ける基礎年金制度が導入されて、サラリーマンや公務員の専業主婦は強制加入となった。
強制加入となったが、国民年金保険料は公務員の夫の保険料に含まれた形となっているから、個別に国民年金保険料は納める必要は無かった。
なお、公務員の夫とは平成16年7月の途中で離婚するものとします。
昭和61年4月から離婚の前月である平成16年6月までの219ヶ月間は国民年金第3号被保険者とします。
平成16年7月から平成24年3月までの93ヶ月間は国民年金保険料全額免除とします(平成21年3月までの57ヶ月間の全額免除は老齢基礎年金の3分の1に反映し、平成21年4月以降の36ヵ月間の全額免除は2分の1に反映する)。
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※注意
3分の1とか2分の1というのは、基礎年金には国庫負担(現在は毎年約11兆円の税金)が投入されている割合。
保険料を全く支払わない全額免除してもその程度は年金額に反映するのは、生活保護的な機能を持たせるため。
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平成24年4月から60歳前月である平成27年1月までの34ヶ月間は厚生年金に加入した。
なお、この間の平均標準報酬額(給与と賞与の合計を加入期間で割ったもの)は20万円とします。
ちなみにもうちょっと年金を増やしたかったので、平成29年10月から平成30年12月までの15ヶ月間は国民年金に任意加入する。
60歳から65歳までの間は国民年金には加入する必要は無いので保険料も納める必要は無いですが、任意で加入する事が出来る(老齢基礎年金を満額貰うのに必要な480ヵ月に達するまでが上限)。
さて、この女性は60歳から厚生年金が貰える人ですが、そこは今回は省いて65歳以降(令和2年3月分から発生)の年金から見ていきます。
まず年金の加入期間が10年以上無いと貰えない。
年金期間を整理する。
保険料納付済み期間(1号被保険者55ヵ月+3号被保険者219ヵ月+厚年期間34ヵ月+任意加入15ヵ月)+免除期間(平成21年3月までに57ヵ月と、平成21年4月以降に36ヵ月)+カラ期間79ヵ月=495ヵ月≧10年(120ヵ月)なので満たす。
はい、余裕で満たしてますね^^;
・65歳からの老齢厚生年金(過去の給料に比例する年金である報酬比例部分)→20万円×5.481÷1000×34ヶ月間=37,271円
他に老齢厚生年金(経過的加算)がありますが、微額なので今回は省略。
・65歳からの老齢基礎年金→781,700円(令和2年度満額)÷480ヵ月(上限加入月数)×(保険料納付済み期間323ヵ月+平成21年3月までの57ヶ月間÷3+平成21年4月以降の36ヵ月間÷2)=781,700円÷480ヵ月×360ヵ月=586,275円
なお、公的年金総額が779,300円以下(この基準は8月1日に改定される)なので、令和元年10月から始まった年金生活者支援給付金も支給される。
・年金生活者支援給付金→5,030円(令和2年度基準額)÷480ヵ月×保険料納付済み期間(55ヵ月+219ヵ月+15ヵ月+34ヵ月)=3,385円
・免除期間に対する年金生活者支援給付金→10,888円(令和2年度基準額)÷480ヵ月×93ヵ月=2,110円
給付金総額は2,110円+3,385円=5,495円(年額65,940円)
よって、65歳からの年金総額は老齢厚生年金37,271円+老齢基礎年金586,275円+年金生活者支援給付金65,940円=689,486円(月額57,457円)
ところで、カラ期間は年金加入月数を満たすためだけのものだから、年金額には反映しない。
※追記
34ヶ月間の厚生年金期間がありますが、どうしてこの34ヶ月間の厚生年金期間が国民年金からの老齢基礎年金の計算に含むのか。
それは20歳から60歳まではどんな職業であれ国民年金に加入してるから。
厚生年金だと、国民年金に同時に加入してる状態になる。
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3月25日の第130号は「在職中だから年金を65歳から貰わないで増やそうと思ってたのに年金制度の壁で予想外の展開」
4月1日の第131号は「障害年金受給後の病状の悪化と、普段とは違う年金の振り込み」。
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4月8日の第132号は「老齢厚生年金をすでに受給してる人が死亡すれば、その4分の3の遺族厚生年金が必ず発生するのか」。
3月1日20時(号外)「どうして厚生年金を支給する時に二つの計算式を計算して、多いほうを支給する事になったのか」を発行しました。
3月4日第127号は「年金受給資格があったのに貰えないと勘違いし続けたのは有利な特例の存在を知らなかったから」を発行しました。
3月11日第128号は「夫が病気で死亡したが遺族厚生年金が低い!でもコレを証明すると格段に年金額が増える事がある」を発行しました。
3月18日20時第129号は「年金手取額に強く影響する社会保険料の強制天引きと各保険料の性質、年金から徴収する際の過程」を発行しました。
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