重い病気になってしまった時に慌てて過去の年金保険料を納めても保障されない。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

おはようございます!

年金アドバイザーのhirokiです。
 
 
本日急遽ですね、20時に有料メルマガ号外を発行します。
 
11月1日20時(金曜)号外「災害特例免除と配偶者の暴力による被害者へのDV特例免除(合わせて保険料前納後の還付時の盲点)」
 
無料メルマガとブログでは前回、災害特例免除による国民年金保険料免除を書きましたが、その続きとして本日の有料メルマガではDV特例免除について書きます。
 
 
DV特例免除というのは、その名の通りですが配偶者(加害者)からDV被害を受けているがために特例として免除を受ける事ができるものです。
 
DV被害を避けるために配偶者(加害者)と別居中に使う免除。
 
普通の免除と何が違うのかというと、普通の免除は世帯主、配偶者、本人の3人の所得を見ますよね。
配偶者の所得が高いと免除を受ける事ができない事になります。
 
 
よってDV被害者は加害者である配偶者の所得を含めずに本人のみの所得で見て、免除を通りやすくするわけです。
 
 
あとDV加害者に居場所を知られないために、年金事務所では「ある事」をしてかなり厳重な配慮を行います。
ここは本当に日本年金機構としても絶対にうっかり失敗してはならないところですね^^;
もし失敗したら…考えたくはないですね(笑)


何をするのかをあわせて解説します。
 
 
ついでに国民年金保険料の前納をした後の保険料還付についてお話しします。
 
年金保険料は普通は返還されませんが、例外的に免除期間と重なったりすると返還(還付)される場合があります。

だからといって保険料還付してもらえる!…だけを見てると、大切な論点を見逃してトラブルになってしまう。

特に未納が多い人は予期せぬ事が起こります。
 
 
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では本題です。
 
 
公的年金には老齢だけでなく、遺族年金と障害年金があります。
 
ほとんどの人は年金は老後に貰うものだって認識が強いですが、それなりに若い人にも年金受給者は居る。
 
遺族年金は約500万人、障害年金は約200万人いる。
 
 
年金はよくメディアで不安を煽られる事が多いですが、そのせいでとんでもない損をしてしまう恐れがある。
 
 
原則として遺族年金や障害年金は過去の保険料納付記録で貰えるか貰えないかが決まるので、あまり未納が多いとどんな保険よりも強力な社会保障が1円も受けられない事態になってしまう。
 
 
泣くに泣けない事態を見ていきましょう。
 
 
1.昭和55年9月26日生まれの男性(今は39歳)
 
 
20歳になる平成12年9月から平成15年3月までの31ヵ月は昼間大学生だったが、国民年金保険料を未納にした。
 
平成15年4月からは民間企業に就職し平成25年6月までの123ヵ月厚生年金に加入した。
 
年金保険料は払いたくなかったが、おおむね週の勤務時間が正社員の4分の3以上、かつ、月の勤務日数が正社員の4分の3以上を満たすと本人の意思に関係なく厚生年金に加入しなければならず、保険料は給与から天引きされるので徴収からは逃げられない。
 
 
平成25年6月30日をもって退職し、平成25年7月からは退職特例免除による国民年金保険料を免除した。
 
免除申請は前年の所得(本人だけでなく世帯主と配偶者)により判断されるが、退職特例免除は本人の所得を除いて世帯主、配偶者のみの所得で審査される。
 
 
退職直後は本人の前年所得が高くて免除できない事があるからですね。
 
 
 
平成25年7月から平成26年6月まで12ヵ月全額免除。
 
 
 
平成26年7月以降も免除にできたはずが、申請に行くのが面倒でそのまま未納にした(退職特例免除は退職した年度の翌年度まで使える)。
 
 
平成30年2月18日(初診日)にかねてから体調の悪さで病院に行った。
 
 
慢性腎炎により腎不全の一歩手前の状態だった。
 
 
これでは透析になるという事で、さらに腎不全は障害年金が請求できるのではと教えてもらった。
 
 
障害年金は未納が多いと貰えない場合があるとの事で、平成30年2月27日に過去2年1ヵ月以内(平成28年1月まで)の保険料と平成30年3月分を納めた。
 
 
さらに2月27日同日に2年分保険料を納める2年前納を申し込んだ(平成30年4月30日引き落とし)。
 
2年前納は平成30年4月分から平成32年(令和2年)3月分の24ヶ月分を納めた。
 
 
 
さて、未納が多かった男性ですが、障害年金は請求できるのでしょうか。
1年6か月経過した日(障害認定日という)の令和元年8月18日から請求可能。
 
 
障害年金を請求する場合は初診日の前々月以前の保険料納付状況を見る。
 
 
年金保険料納めなければならない月の3分の2以上(66.66%以上)は未納や滞納ではない事が必要。
 
 
初診日の前々月以前(平成12年9月から平成29年12月までの208ヵ月の納付状況をまとめる。
 
 
平成12年9月~平成15年3月まで31ヵ月未納。
 
 
平成15年4月から平成25年6月までの123ヵ月厚年。
 
 
平成25年7月から平成26年6月までの12ヵ月全額免除。
 
平成26年7月から平成29年12月までの54ヵ月は未納。
 
 
つまり、208ヵ月のうち未納ではないのは、123ヵ月+12ヵ月=135ヵ月。
 
135ヵ月÷208ヵ月=64.9%<66.66%となり、障害年金は請求できない。
 
 
いやいや、平成28年1月に遡って平成29年12月までの24ヵ月納めたやん!
 
そうすれば135ヵ月+24ヵ月=159ヵ月となり、159ヵ月÷208ヵ月=76.44%となって満たすんじゃないのびっくり??
 
 
…と思われそうですが、初診日以降に納めた分はすべて無効となる。
それが過去分であろうと。
 
 
年金は保険だから初診日前に納めた保険料納付状況を見る。
 
初診日という保険事故が起きる前に自分でできる最低限の備えをしていたかどうかを見るというわけです。
 
 
そういうわけで、請求ができない。
 
 
もう一つの特例の初診日の前々月までの直近1年間(平成29年1月から平成29年12月)に未納が無い事というのも、初診日(平成30年2月18日)以後に納めてるから使えない。
 
納めたのは先ほど書いた、平成30年2月27日。
 
 
よって保険料の未納が多くて請求できないというのはどうやっても助ける事ができない。
 
せめて未納にしとくくらいなら免除制度を使っていてほしかった。
 
 
 
初診日が国民年金加入中なので、もし請求できていたなら国民年金から障害基礎年金が支給されていた。
 
 
支給は令和元年8月の翌月分から、障害基礎年金2級定額780,100円支払われる。
 
今は障害基礎年金受給者には障害年金生活者支援給付金月々5,000円(年額6万円)が令和元年10月分から始まった。
 
 
給付金と合わせるなら年間840,100円の支給となる。
 
もし障害状態が10年続くなら8,401,000円の損、20年続くなら1680万円の損、40年とかなら約3300万円の損をする事になる。
 
 
年金で損得はあまり語りたくはないですが、いざという時の社会保障を棒に振る事になるので今までの保険料納付状況には気を付けておきましょうウインク
 
定期便とか年金ネットでも確認できるからですね。
 
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ここだけのオリジナルの濃い内容です。
 
本日11月1日20時号外「災害特例免除と配偶者の暴力による被害者へのDV特例免除(合わせて保険料前納後の還付時の盲点)」


11月6日の第110号は「厚年期間と共済期間がある人が死亡した場合の遺族年金計算と支払い」

11月13日の第111号は「厚年と共済の期間がある人の遺族年金短期要件と障害厚年受給者の死亡の時」を予定。

11月20日の第112号は「厚年と共済期間合わせて25年以上ある場合の遺族年金長期要件による支給と漏れていた記録の統合」を予定。

11月27日はまだ未定。

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解除はいつでも自由。


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