こんにちは!
年金アドバイザーのhirokiです。
年金貰うまで、特に20歳から60歳の前月までの480ヶ月間はどんな職業に属していようが、学生であろうが失業状態であろうが国民年金に加入しなければいけません。
20歳になったらその月分から国民年金に強制加入となり、年金手帳が交付され20歳到達月分からの保険料納付義務が生じます。
なお、厚生年金は20歳前や60歳から70歳まで最大加入になる事もある。
老齢の年金を受け取るまで40年以上もの保険料を納めないといけないから、いざ年金を受給し始めてから元が取れる前に亡くなったら損じゃないか!っていう話はよく耳にします。
じゃあ、年金を受給し始めてどのくらいの期間の年金を受給したら元が取れるのか?
結論から言うと約10年で元が取れます。
公的年金は保険だから、あんまし損得の議論って意味が無いのでやりたくはないんですが一応参考程度に…
単純な算数です。
今の国民年金保険料は月々16,340円(毎年度変動しますが、この金額が続くと仮定)です。
で、これを480ヶ月納めたとします。
そうすると7,843,200円納めた事になります。
これで受け取る老齢基礎年金は年額779,300円(平成30年度満額)です。
月保険料16,340円を納めたら年額1,623.5円の年金になる計算(779,300円÷480ヶ月≒1,623.5円)
今まで納めた保険料7,843,200円÷年金779,300円=10.06年
老齢基礎年金779,300円は月額で直すと64,941円の年金ですよね。
毎月16,340円の保険料だったにもかかわらず、貰う時になるとその約4倍の64,941円も貰うわけですね。
そして10年程度で元(損益分岐点)が取れてしまう。
女子の平均寿命が今は87歳くらいなのに、65歳から老齢基礎年金を受給し始めるとしたら75歳あたりから元が取れる。
あとはもう長生きすればするほどトクになるだけ。
公的年金は損な保険ではなく、すごくおトクな保険。
しかしなぜ約10年で元が取れるのか。
月々保険料は16,340円ですよね。
でも国庫負担(税金)が老齢基礎年金の2分の1投入されています(平成21年3月までは3分の1)。
税金が投入されてなかったら、本来は16,340円×2=32,680円の保険料支払いが必要なんですね。
税金を考慮したら、32,680円×480ヶ月=15,686,400円
こうすると15,686,400円÷779,300円≒20年
本来は20年受給しないと元は取れないんですね。
40年間(480ヶ月)納めて、20年受給するというのが大体の年金の数式。
まあ、今の平均寿命が80歳を超えてるから、60歳代から受給したらそんなもんになりますよね。
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じゃあ、個々人の給料の違いで将来の年金額も支払うべき保険料の額も違ってくる厚生年金ならどうか。
①給料20万円で480ヶ月働いてきてその間、厚生年金保険料18,300円(会社も同額の保険料を負担してる)支払い続けてきた人で考えてみましょう。
※480ヶ月間納める保険料は18,300円×480ヶ月=8,784,000円
・老齢厚生年金(報酬比例部分)→20万÷1000×5.481×480ヶ月=526,176円
また、20歳から60歳までの厚生年金加入中は国民年金にも同時に加入してるので、国民年金から老齢基礎年金779,300円(480ヶ月完璧に納めた人の額)も65歳から支給される。
となると、65歳から老齢厚生年金526,176円+老齢基礎年金779,300円=1,305,476円
今まで納めた保険料8,784,000円÷受け取る年金額1,305,476円=6.72年
6.72年で損益分岐点を迎えて、それ以上長生きすればひたすらトクになる。
②じゃあ次に給料50万円で480ヶ月働き続けた人で考えてみましょう。
50万円だと月々支払う厚生年金保険料は45,750円。
45,750円を480ヶ月支払い続けたら、保険料総額は45,750円×480ヶ月=21,960,000円
一方、老齢厚生年金(報酬比例部分)→50万円÷1000×5.481×480ヶ月=1,315,440円
あと、老齢基礎年金779,300円も支払われるので、65歳からの年金総額は老齢厚生年金1,315,440円+老齢基礎年金779,300円=2,094,740円
よって損益分岐点は21,960,000円÷2,094,740円=10.48年
あれ?!給料が低かった人より給料が高かった人が、元を取るまでの期間が長いですよね。
これは…会計みたいな考え方のほうがいいんやろか。
簿記のようなアレ(?)なんですが、固定費と変動費っていうのがあります。
固定費っていうのは、毎月原則として変わらない費用(家賃とか設備費とか人件費みたいなやつ)。
変動費は、製造すればするほど費用がかかってくるもの(商品製造量が増えればそれだけ費用がかかる)。
製造量=給与と考えて、費用=年金と考える。
老齢基礎年金というのは、どれだけ収入が高かろうが低かろうが変わらない保険料で定額の年金になるのもの。
それで考えると、老齢基礎年金は固定費と考えられる。
老齢厚生年金は給料(収入)により変動するから変動費と考えられる。
これを考える時、老齢基礎年金(固定費)+老齢厚生年金(変動費)の割合の中で、固定費の割合が大きいほど収益と損失の幅が大きくなるんですね。
逆に、変動費の割合が大きいと収益の幅が小さくなる。
固定費が高いと利益のブレ幅が大きくなる。
固定費がなんていうかテコの働きをしてますよね。
だから元が取れる期間が収入が低かった人ほど早くて、収入が高かった人ほど遅い。
もちろん、収入が高くてそれだけ多く保険料を納めれば高い年金が受けれはします。
というわけで今まで支払った保険料がどこで元が取れるのかを示してみましたが、一応目安。
まあ…公的年金は積立ではなく、長生きに対して備えてる保険なのであまり損得の話は意味がない。
それに公的年金は、若い人でも家族が亡くなれば支払われる遺族年金や、自分が重い病気や怪我を負った時に支払われる障害年金という人生の重大なリスク(危険という意味ではなく不確実性を意味する)にも対応している。
あと、老齢の年金は生きている間は終身支払われる。
社会の経済変動(物価変動や賃金変動)に対応している。
それらの事を考えれば非常にお得な保険ではないでしょうか。
とてもじゃないけど民間保険ではここまではできない。
それでは今日はこの辺で!
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この間は在職老齢年金の事をブログで書きましたが、もう一つの重大な理由ですね。
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