年金受給資格10年短縮での加給年金と振替加算発生への留意点。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちは!
年金アドバイザーのhirokiです!


今話題沸騰中ではありますが、今年8月から10年以上加入期間があれば老齢の年金が貰えるようになる。





本来は年金加入期間…というか保険料を納めた期間が全体で原則として25年以上ないと1円も年金は貰えない構造でした。




保険料納付済期間➕保険料免除期間➕カラ期間≧25年でなければならなかった。
この25年の部分が今年8月1日から10年に短縮され、今まで無年金だった人は9月分から支給される。
※年金が貰えないって諦めない!(カラ期間参考記事)




現在65歳になっても25年に足りていなくて、今回の10年短縮により無年金者が約64万人救済される事になります。
※自分のネットニュース記事(10年加入に短縮へ)


まあ、この事は過去記事や、ネットニュースなどにも自分の記事が拡散してるので、今回は10年短縮による加給年金と振替加算で更に年金増額という場合で話をしたいと思います(^^;;


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というわけで事例。


1.昭和28年5月12日生まれの男性(今は63歳)。
※何年生まれ➡︎何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)

年金記録は20歳から60歳までの間に厚生年金21年と国民年金1年のみ。


このまま年金記録が変わらないとして、とりあえず老齢厚生年金額は500,000円とします。
老齢基礎年金は779,300円÷480ヶ月✖️264ヶ月(22年分)=428,615円


65歳以降の年金総額は928,615円(月額77,384円)。





また、昭和31年12月5日生まれ(今60歳)の妻あり。
妻の年金記録はカラ期間3年(海外在住で国民年金には加入しなかった)サラリーマンである夫の配偶者としての国民年金加入期間(第3号被保険者)9年のみ
妻はこのままだったら一生無年金者だったが、8月から10年に短縮されるから65歳になると9年分の老齢基礎年金が支給される。
カラ期間は期間に算入するだけで、年金額には反映しない。





妻の老齢基礎年金は779,300円÷480ヶ月✖️108ヶ月=175,343円(月額14,611円)




また、この男性が本来の年金支給開始年齢である61歳までに全体で25年以上あれば61歳からまず厚生年金(報酬に比例する年金)が支給されていました。
※厚生年金支給開始年齢(日本年金機構)
※参考
もしこの男性に22年以上の厚生年金期間、または厚生年金期間と共済組合期間合わせて22年以上あれば年金の受給資格を特例として獲得していた。
※25年以上なくても年金が貰える人がいる!(被用者年金短縮特例参考記事)






しかし、25年無いから年金は支払われていませんでしたが、今年8月から10年に短縮されるから9月分から厚生年金が発生する。


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平成29年8月時点でこの人は64歳4ヶ月。
ここで老齢厚生年金500,000円(月額41,666円)が発生し、まず9月分の1ヶ月分(41,666円)が10月15日に振り込み。

その後は偶数月に41,666円✖️2ヶ月=83,332円





そして、平成30年5月に65歳を迎えるとその翌月分から老齢基礎年金428,615円が発生する。




しかし、この男性は厚生年金期間が20年以上あり65歳未満の生計維持している妻がいるので更に配偶者加給年金390,100円(平成28年度価格)が老齢厚生年金に加算されるようにもなる為に年金額が増加。
※生計維持って何?(日本年金機構)






よって、老齢厚生年金500,000円➕配偶者加給年金390,100円➕老齢基礎年金428,615円=1,318,715円(月額109,892円)




年金は偶数月に前2ヶ月分支払うから、偶数月支払額は109,892円✖️2ヶ月=219,784円。







そして、妻が65歳になる平成33年12月の翌月から、夫の配偶者加給年金390,100円(月額32,508円)は消滅する。

だから、夫の年金額が平成34年2月支払い年金額から変化してくる。
年金額が変わる2月の7日〜10日あたりに支給額変更通知書と振込通知書が送られてくる。




2月15日支払いは12月分(月額109,892円)と1月分(加給年金32,508円マイナスの月額77,384円)だから、合計額は187,276円。



で、4月15日以降の偶数月支払額は月額77,384円✖️2ヶ月=154,768円となる。


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また、妻にはこの2月時(年金の処理上3月15日支払いになると思いますが)に1月分の初回支払いが開始されるので、
には老齢基礎年金175,343円(月額14,611円)が支給開始となると同時に、振替加算44,900円(平成28年度価格)が加算されて年金年額は220,243円(月額18,353円)になります。
※加給年金と振替加算額(日本年金機構)





妻は偶数月に18,353円✖️2ヶ月=36,706円の支給。




というわけで、平成29年8月以降は25年以上から10年以上に短縮されて、仮に厚生年金期間や共済組合期間、もしくは厚生年金期間と共済組合期間合わせて20年以上あると配偶者加給年金や振替加算の年金も付いてくる人もいるのでご留意ください
ニコニコ




なお、10年短縮年金により新たに年金受給者となる人には、2月下旬から7月にかけて生年月日順で5回に分けて年金請求書が発送されます。
※10年年金請求書送付スケジュール等(厚生労働省)





年金請求書が届いたら、年金請求は8月前に事前請求して構いません。



なお、戸籍謄本や住民票などの公的書類は3月1日以降で年金請求日の6ヶ月以内のものが有効となります。





ちなみに今回の記事のように配偶者加給年金や振替加算の対象になるような人は、年金請求時に戸籍謄本、世帯全員の住民票、所得証明書を提出してください(マイナンバーが年金にも適用されるようにはなりましたがまだこれら3つの書類は提出が必要。ただし、戸籍謄本はマイナンバー対象外)。





戸籍謄本、世帯全員の住民票、所得証明書を出すと、7月以降から生計維持関係現況届の提出のお願いと合わせて、生計維持関係現況届というのが送付されてくるので現況届の提出の上で加給年金や振替加算の加算が開始になります。




なお、8月1日より後に65歳になって加給年金が発生する人は65歳誕生月に生計維持申立書が送付されてくるので、誕生月末までに提出が必要(これは従来と変わらず)。




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