会社を辞めて失業中等に死亡の場合でも遺族厚生年金が貰える事もある。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

すみません、ちょっと今日はなんだかドッと疲れちゃって軽めに…
メッセージの返信がちょっと遅れてますが…ぼちぼち返信させていただきます


前回、自営業やフリーター、失業中等の国民年金加入中(国民年金第1号被保険者)の死亡だと普通は遺族厚生年金は貰えません。
遺族厚生年金貰えたとしても原則、年金加入期間25年以上を満たしておいた上で遺族厚生年金額は実際の厚生年金期間で計算される事を言いました。


しかし、場合によっては国民年金第1号被保険者期間中の死亡で25年以上を満たしてなくても遺族厚生年金が支給され、更に300ヶ月厚生年金に加入したものとして計算する遺族厚生年金がもらえる事があります。

実は退職して国民年金第1号被保険者中の死亡でも厚生年金加入中に初診日がある傷病が原因で初診日から5年以内の死亡なら、厚生年金加入中の死亡と同じ条件で遺族厚生年金を貰えるわけです。
だから、在職中に体調を崩した場合はできることなら在職中に病院行ってたほうがいいですね。
それに障害年金も在職中に初診日ある方が手厚いですし…

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ただ、退職しているので死亡日までの国民年金保険料の納付には気をつけなければいけません。


よく退職してから死亡日までの国民年金を未納にしていた為に保険料納付要件を満たさずに遺族厚生年金が貰えない場合があります。


遺族年金を請求する時に死亡者に原則25年以上の年金加入期間(未納除く)が無いなら、死亡日の前日において死亡日の属する月の前々月までに年金保険料を納めなければならない期間の3分の2以上が、保険料納付済みか免除期間じゃないといけません。

もしくは、死亡日の前日において死亡日の属する月の前々月までの直近1年間に未納がない事が条件です。


だから退職した場合に国民年金保険料を納めるのが厳しい場合は一旦市役所に免除手続きに行きましょう



ただ、普通に国民年金保険料免除申請をやっても免除申請が通るかどうかは前年所得を見るため、在職中は当然自分の所得が高くて免除が通らない可能性大なので、失業による特例免除を受けましょう。


退職したら会社から通常は10日間くらいで離職票が送られてくるのでそれ持って、基礎年金番号のわかるやつと印鑑と身分証明書持っていけばいいです。

自分の前年所得は除いて、配偶者と世帯主の前年所得で免除審査するから免除に通りやすくなります


というわけで、退職後に免除または保険料納付済みにしてた場合で話を進めます。

厚生年金加入中に初診日のある傷病で5年以内の死亡なら遺族厚生年金が貰える…。

一見、簡単そうなんですが割と厄介なんです。
死亡と初診時の傷病との因果関係がないといけないから。


もちろん初診時の傷病と全く関係ない死亡なら遺族厚生年金は出ません。


初診日から5年以内の死亡を証明する為に、病院に受診状況等証明書という初診日を証明する書類を書いてもらいます。

よって、初診時の傷病と死亡時の原因に相当因果関係があると認められれば遺族厚生年金が支給されます。


例えば、精神の病である鬱病とか難しいですね。

死亡の原因が自殺の場合が多いし、初診時の病院がとりあえず内科に行って、何も体には異常がないから原因がわからないままうつ病の治療が遅れて悪化してしまい、会社辞めて自殺をしてしまうとなると…。


初診日は誤診であっても内科になりますが、精神科や心療内科を紹介されてうつ病治療に至ってるならば、うつ病で自殺に至るまでの治療経過や症状等(うつ病なら自殺願望があったとか)を、心療内科にも受診状況等証明書に記載してもらって年金機構にこういった経緯を主張すると遺族厚生年金が認められやすくはなると思います。

ただ、初診時の傷病と遺族厚生年金請求時に出す死亡診断書や死体検案書の内容を照らし合わせ、これを年金機構が相当因果関係ありと認めるかどうかは請求してみないとわからないところですね




追記
死亡診断書は死因が継続的に診療中のものについて医師または歯科医師が作成する診断書。
それ以外は死亡診断書を作成されず、死体検案書が作成されます。
様式は一緒のもの。


なお、死亡原因が自殺でも遺族年金は支給されます。
自分が故意にやってるものだからなんだか支給されなさそうなイメージですが、支給されます。
また、自殺未遂に終わり、もし仮に障害を残した場合は故意に障害を発生させたにあたらず、障害年金も支給対象になります。
なぜなら、自殺しようなんて、正常な判断能力が無い錯乱状態だったとみなされるためです。