夫が遺族厚生年金を貰う場合はちょっと条件が厳しい! | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

今年は何か継続しなきゃーと思ってたんですが、僕が元旦から始めた事は毎日必ず30分以上は勉強する事です!いや、これだけは一生続けなきゃね~。
しっかし去年だいぶサボってしまいました(^^;;

というわけで自分の時間に集中していきますので、アメブロにログインする回数がだいぶ減っちゃってます…


さて、今回は昨晩メルマガにも書いたんですがちょっと内容をアレンジして書きます(^-^)/

それにしても昨晩メルマガ送った直後に金額間違っちゃった事に気付いて、うっひょー!!!今年一発目やっちまったー(。A。;)ー!!!ってなって即行訂正して再送しました(^^;;
メルマガってまた送り直さないといけない点がデメリットかなぁ

メールだから連続で送ったら読者様の迷惑になりかねないからですね…


さてさて、厚生年金加入中の妻が死亡すると、夫や子に遺族年金が発生します。
あんまり、妻が死亡した事例を取り上げるって少ないので今回は妻の死亡でいきます。



妻は厚生年金加入中に死亡してるので、生計維持していた遺族がいれば遺族厚生年金と遺族基礎年金が発生する事になります。
厚生年金加入中の死亡なのに遺族厚生年金だけでなく遺族基礎年金も発生するのは、厚生年金加入者は国民年金にも加入してるから(20~60歳の間は)。


貰える遺族の範囲は、遺族厚生年金なら配偶者、子、父母、孫、祖父母の順でこの順で最優先順位者が受給します(生計維持関係が無いなら下の順位者が受給する事もある)。
この順位で気をつけていただきたいのは、配偶者と子供は同じ「第一順位者」という事です。
ただ、配偶者が優先的に支給されるだけで。
だから、配偶者とか子が請求できるんなら、下の順位者はその時点で遺族厚生年金貰う権利はありません。

※生計維持って何?


遺族基礎年金は「子のある配偶者」、または、「子」のみが受給する権利を獲得します。
子のある配偶者と、子は対等の順位者なんですが、ただ「子のある配偶者=今日の記事では夫」に優先的に支給するというだけの話です。


配偶者が遺族年金貰ってる間、子の遺族年金は停止してるだけです。
だから、遺族年金を配偶者が貰ってる最中に配偶者が死亡や再婚等という事で配偶者の遺族年金が消滅したりすると、停止中の子の遺族年金が停止解除になり、子に支給されたりするわけです。


また、遺族年金でいう「子」というのは、18歳年度末未満の子、または、障害等級1,2級(障害手帳の等級と関係なし)に該当する子なら20歳までの子をいいます。
まあ、普通は年金でいう子はこういう子をいいます。


ここまではいつも言ってる事ですね




ただ、配偶者である夫が遺族年金を貰うというパターンというのはあまりありませんでした。
妻が貰う場合は多いんですが、妻と違って夫は条件があったから事例は少なかったんです。


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遺族基礎年金に関してはもともと夫は貰う資格は無かったんですが、平成26年4月以後法改正が行われ、それ以後の妻の死亡に関しては夫も遺族基礎年金が支給される事になりました。
ただし、遺族厚生年金を夫が貰うとなるとちょっと条件が厳しいんです。



ある家族の例をあげて見ていきましょう(僕が勝手に作ってる例で…)。



夫45歳、妻40歳、15歳の子1人。
この時妻は厚生年金加入中に死亡しました。

妻のデータ。
①…死亡日まで10年間の厚生年金期間有り(厚生年金期間を数える場合は死亡日の翌日の属する月の前月まで数えます)。

②…死亡時点の平均標準報酬額250,000円(今までの給与や賞与を今の貨幣価値に直して全て足して、全ての厚生年金期間で割ったものと思って下さい(^^;;



18歳年度末未満の子が居るので、遺族厚生年金だけでなく遺族基礎年金も支給されます。

さて、例の遺族は配偶者である夫と子だけなんですが、誰が遺族厚生年金や遺族基礎年金を受ける事が出来るんでしょうか。


まず結論から言うと、夫は遺族厚生年金は貰えません

貰う権利自体が発生しません。

なぜなら、夫が遺族厚生年金貰う場合は妻が死亡時点で夫は55歳以上じゃないとダメだからです。


でも遺族基礎年金は夫は貰えます。
夫は「子のある配偶者」だから。
よって、夫は780,100円+224,500円=1,004,600円(月額83,716円)が支給←(遺族基礎年金は定額)。


一応、子にも遺族基礎年金を貰う権利があるんですが、「子のある配偶者」が支給優先されるため、夫が遺族基礎年金を受けている間は停止になります。


さて、遺族厚生年金はどうなるんでしょうか。
配偶者である夫は貰う権利自体がありません。

よって遺族厚生年金に関しては15歳の子が貰う事になります
子の遺族厚生年金額は、
(250,000円÷1,000×5.481×120ヶ月)÷120ヶ月×300ヶ月÷4×3=308,306円(月額25,692円)が支給されます。
※妻は厚生年金期間が120ヶ月(10年)しかないですが、厚生年金加入の死亡は、厚生年金期間が300ヶ月ない場合は300ヶ月で計算します。



子が15歳でまだ幼いからといって、夫自身の金融機関口座に遺族厚生年金を振り込む事は不可です。
年金は本人名義の口座にしか振り込めないから。


で、両者の遺族年金はいつまで支給されるのか。


夫の遺族基礎年金は子が18歳年度末を迎えると消滅します。

子の遺族厚生年金も18歳年度末を迎えると消滅します。


よって、子が高校卒業を機に、年金が全く支給されなくなるので気を付けておく必要があります。



じゃあ逆に夫が55歳以上を満たしていて、18歳年度末未満の子がいた場合どうなるんでしょうか。


例えば夫が56歳の時に、厚生年金加入中の妻が死亡し16歳の子が居たとします。


一応夫は55歳以上を満たしてはいるんですが、実際の遺族厚生年金の支給は60歳からになります。
55~60歳まで遺族厚生年金は停止。
これが原則。


しかし、この夫には18歳年度末未満の子がいるため、例外的に60歳未満でも遺族基礎年金と合わせて遺族厚生年金も夫が受給する事ができます


よって夫には子が18歳年度末を迎えるまで遺族厚生年金と遺族基礎年金が支給されます。

まあ、子が18歳年度末を迎えた時点ではまだ、この夫は60歳未満なので子が18歳年度末迎えた後は、夫が60歳になるまで遺族厚生年金は停止します
遺族基礎年金は子が18歳年度末を迎えてるので消滅。


そして、夫がまた60歳になった時に再度遺族厚生年金が支給され始めます


なお、夫が65歳になるまでに夫自身の老齢年金が発生した場合は、65歳になるまでは自分の老齢年金もしくは遺族厚生年金のどちらか一方を貰うことになります。
一方を貰ってる間はもう片方は停止。

両方貰う事はできません


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