笹子トンネル天井板崩落事故3 (2012年12月7日のブログ記事です)
【複製】天井板崩落事故原因はボルトの抜け落ちであり補強構造は接着剤アンカーでは正解
「補強構造が裏目に出た」連鎖的に被害拡大
山梨県の中央自動車道笹子(ささご)トンネルで9人が死亡した天井板崩落事故で中日本高速道路は「補強のための構造が裏目に出た」と釈明したという記事には驚きました、
なぜなら重い天井版を補助もしないでケミカルアンカー(接着剤アンカー)で吊る方式を採用しているからで、接着材の精度や工事時の施工のやり方やアンカーの埋め込み深さに問題があれば今回の様な事故が起こる可能性がある以上、連結性を持たせて、もしアンカーが抜けても全体で持たせる様に考えられた工法だと思われるわけです。
ケミカルアンカーをウィキペディアで見ますと
ケミカルアンカー [編集]ケミカルアンカーとは、化学反応を利用した接着剤によって全ネジや、異形鋼棒を固定するものである。日本デコラックス社の商品名で、正式には接着系アンカーという。試験管のような容器に入っていることが多く、カプセル型接着系アンカーとも呼ぶ。
コンクリートにドリルで穴を開け、ブロワーで切り粉を除去し、更にケミカルブラシで孔壁の粉塵を除去、更にブロワーや集塵機で清掃したあと、ケミカルアンカーを穴に挿入。先端を斜めに切った全ネジや異形鋼棒を打ち込むことによってケミカルアンカーの容器が破壊され、化学反応が起こり、しばらくすると固定する。
以上の様に書かれています。やはり工事の時に上記にあるます様に
「切り粉を除去し、更にケミカルブラシで孔壁の粉塵を除去、更にブロワーや集塵機で清掃したあと、ケミカルアンカーを穴に挿入」という事が守られていただろうか、
普通、下向きにアンカーを止める場合と、今回の様に上向きにアンカーを止める時に、接着剤で止めるわけですから、接着剤がキチンと満遍なく装填されていただろうか、コンクリートとの接地面で拒絶条件などが形成される事は無かったのだろうか、特にコンクリートとの接着面がドリルで規定通りの長さに掘られていたとしても、上向きでも下向きででも同じ様になるのだろうか、
今回の事故原因はボルトが抜けた事であり、場所がトンネル内という外部自然環境の影響をうけないところで、ボルトの腐食などが見られないなかでどうしてボルトが抜けたか、本来なら連結された補強構造によって、少々抜けても検査さえしっかりして入れは単独部分の取り換えなどで事故が防げた可能性は考えられるわけです
そんな補強構造で連結で落ちたという事は、ボルトが実に多く抜ける様な接着剤が効いていないボルトが連続して存在していた、という事であり、今回の犠牲者に対してキチンとした原因究明をする姿勢があるのならば、何故、ボルトが実に多く抜ける様な、接着剤が効いていないボルト部が連続して存在する様になっていたのかという原因の調査こそ、また他の高速道路ではフェイルセーフとしてワイヤーの補助をする等をしているところがあるのですから、どうしてやらなかったのか、という管理体制の不備こそ上げられるべきところではないかと申しあげたいわけで
それをせずに、むしろ接着剤で多量の車が高速で通る天井を吊るす工法において連結して補強する工法をとった事は、配慮されている事であり、それを悪者にされるというのは、事故の原因を真摯に反省して繰り返えさない様にする、そいう姿勢より、何をカバーされているのか隠そうとされているかと考えてしまいます。
(転載開始)「補強構造が裏目に出た」連鎖的に被害拡大
山梨県の中央自動車道笹子(ささご)トンネルで9人が死亡した天井板崩落事故で、崩落が広範囲に及んだ原因が明らかになった。最初にボルトが脱落した場所から鋼板、つり金具、中壁、天井板の順で落下し、中壁で連結された隣接する鋼板が引っ張られ、連鎖的に崩落したという。
中日本高速道路は「補強のための構造が裏目に出た」と釈明。県警は現場検証で崩落状況などを確認しており、崩落が始まった場所の特定など事故原因の解明を進めている。
同社本社が点検作業を現地事務所や子会社に任せきりで実施時期や内容を把握せず、ボルトの異常などを見落としていた可能性があり、県警は近く同社の安全管理担当者らから事情聴取し、点検実態も調べる。
同社によると、トンネル内部は天井板で換気ダクトと車道に区切られている。ダクト側はT字形の鋼板2本の間につり金具と中壁が取り付けられ、上部をトンネル本体とボルトで固定、下部の左右に天井板を敷き詰めていた。鋼板は1本6メートルで、鋼板同士の継ぎ目を1・2メートルの中壁をまたがせて連結する構造だった。
天井板同士もダクト側から車道側に空気が漏れないようにするため、鉄筋で溶接し、モルタルで隙間を埋めていた。中壁と天井板の重さはそれぞれ1トン以上あり、鋼板1本に15トン以上の重量がかかっていた計算になる。
一方、中日本高速が崩落した約130メートルの区間を調べたところ、鋼板やつり金具、中壁、天井板がすべて落下していた。中壁や天井板だけで約330枚、重量は約360トンに上る。鋼板をトンネル本体と固定するために埋め込まれたボルトも大半が抜け落ちたり、途中で切断されたりしていたという。
崩落が始まった場所は特定できていないが、同社は国土交通省の事故調査・検討委員会のメンバーらの意見も踏まえて、崩落が広範囲に及んだ原因を検討。最初にボルトが脱落し、鋼板、つり金具、中壁、天井板の順で落下。隣接する鋼板が中壁の落下に伴って下方に引っ張られ、連鎖的に崩落したとみている。
トンネルの構造に詳しい早稲田大学の小泉淳教授(建設工学)によると、最初の鋼板が地面に完全に落ちる前には隣接する鋼板に2本分30トン以上の重みがかかった。その重みにトンネル最上部に埋め込まれたボルトが耐えられず、連鎖的に崩落が起きたことが推測されるという。
小泉教授は「結果的に鋼板同士を連結させていたことで被害が拡大したといえる。崩落が130メートルで止まったのは次のボルトが抜けなかっただけで、被害がもっと拡大していた可能性もある」と指摘する。
中日本高速は「鋼板同士を連結させていたのは、相互に支え合うことで、片方のつり金具や鋼板で問題が生じても、もう一方で支えられるメリットがあった」と強度面での効果を強調する一方、「鋼板を相互に支え合う構造が裏目に出た可能性は否定できない」としている。
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転載は以上ですが
明確に「ボルトが抜けた事」で起こっていると書かれています、また「崩落が130メートルで止まったのは次のボルトが抜けなかっただけ」とあります様にキチンと施行されているところは耐久性も問題無かったわけです
問題は抜けるようなキチンと施行されていないボルトがその個所に点在していたからこそ連続して過重に持ちこたえられない状況が起こったわけで、その事が伝えられていません。
きっとトンネルの改修工事では天井は撤去された形で換気を考える工法になるのではないかと思いますが、原発をはじめ原因がキチンと解明されないで、大衆に分かった様な形で処理される事が続かない様にと願わずにはいられません