ガザ紛争と戦争の本質…茂木誠氏との対談(その1)なぜ戦争は起きるのか、日本の立ち位置は国民 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

さすがは茂木誠氏。10/31の対談生配信で明確にしてくれたのは、参政党が安全保障政策の基本に置いている「戦争の根本原因を知り、国を守る国民の意識を醸成する」との考え方の正しさでした。この点は同じ保守でも、参政党と日本保守党との大きな違いの一つかもしれません。

ガザ紛争をみるに際しては、そもそもなぜ戦争が起きるのかの本質を知らなければならない。戦争のバックには紛争が長引けば利益を得る軍再複合体が存在し、戦争当事国A国とB国の政権は、相手国が攻撃すれば、プロパガンダによって国内での政権の人気を上げられる。犠牲になるのはA国B国の国民。

つまり、戦争とは、金融資本や軍事利権などグローバリズムと一般国民との対立構造なのである…。この構図は、茂木氏が対談中にホワイトボードに描いてくれた通りです(写真)。だから日本の立ち位置は、イスラエルでもパレスチナでもなく、両国の国民であり、国民運動である…。

今回その1でご紹介するのは、YouTubeで公開されている本対談の前半部分です。そこではさらに、米国がイスラエルを戦争支援する三つの理由、➀軍事利権、②民主党を中心とするイスラエルロビー、③共和党などの福音派…なんと、黙示録にあるハルマゲドン…から、ネオコンの系譜にまで話は及んでいきました。

考えてみれば、ロシアはスゴイ国です。世界史全体がロシア革命後のスターリン派(一国共産革命)と、米国に逃れたトロツキー派(世界同時革命)との対立軸で動いてきた。後者は米国という国家を使ってグローバル革命をしようとしてきた勢力であり、こんにちのグローバリズム勢力の一つの源流に。

彼らがソ連を崩壊させたあと、ソ連がバックアップしてきたアラブが衰え、弱気となったパレスチナもイスラエルとの和平に転じていましたが、それを許さぬ過激派がハマス。もともと強硬派のネタニヤフ政権は、彼らの攻撃を名目に一気に大イスラエル主義を貫徹せんとする指向を持つ勢力でもある?

いずれにしてもイスラエルにとっては長く苦しい戦争になりそうですが、それで苦しむのは国民です。

 

◆特番「茂木先生登場!また始まってしまった戦争、目まぐるしく変化する  世界の地政学と日本の立ち位置」松田政策研究所代表 松田学  × 作家・予備校講師 茂木誠

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●戦争というものの構図

世界では合理性では説明がつかないことが多すぎる。

まず、皆さんに言いたいのは、マスメディアの報道を信じるなということ。それに乗っている映像や写真は双方が、イスラエル側とハマス側が自分たちの利益になるように出している。敵の悪辣さ、自分たちの被害の悲惨さ、メディアも取り上げたい、どうしてもセンセーショナルな情報になる。ガザの病院500人の犠牲者の話も、あとそうでもないと分かった。

正確な情報が分からない状況なので、戦争そのものについては判断を停止したい。どっちかのプロパガンダに乗りたくない。ここでは歴史的な背景、判断材料を提供するにとどめたい。

今回に限らず、あらゆる国際紛争で同じことが起きている。A国とB国のAとBという政権がトラブると、背後には武器産業、彼らが煽る。武器メーカーはAとBが争ったほうが嬉しい。AもBも、お互い相手が攻撃したと言いたい。AはB政権からのBはA政権からの攻撃を待っている。

一般国民はもともと関係ないが、必ず民間人の犠牲が出る。ハマスがイスラエルの国民を襲った、一般国民からすると、相手のA政権と戦うという政権の人気が上がる。それがネタニヤフ。プロパガンダをやって、ハマスがいかに残虐か。そして反撃すると、Aのハマスの国民が死ぬ。ハマスはまともな選挙ではなく、クーデターで実権を握った、ただのテロリスト。イスラエルと戦うとぞ、と叫ぶと、国民がハマスを支持する。

AとBの後ろに投資家、金融資本がいる。それが軍需産業とともに戦争を煽る。ウクライナとロシアの戦争もそうだった。ウの政権がロシア系住民を殺害した、そこでブーチンが報復となって国民が支持する…。戦争がなぜ起きているかを見ないといけない。

戦争を起こす勢力がいて、人為的に起こされるのが戦争だ。正義とか言い出したら駄目。こういうときに正義を掲げる人は信用しては駄目。正義はない。困っているのは一般国民。そこに注目すべき。それが日本の立ち位置だ。

 

●「水に流す」ことができる日本の特殊性

日本人もジェノサイドを受けた。本当なら、日本人も同じことを米国にやり返せと言うところだが、日本人は言わない。なぜこうなったか、世界史の謎。他の地域はやられたらやり返す。日本人だけある段階であきらめた。平和にはなったが、米国に従属。

なぜ日本人は米国人に対する復讐心をなくしたか。あきらめた。日本人ほどあきらめる民族はいない。「水に流す」は英訳できない。どこの国にもそれはない。長らく日本人のいちばんの敵は自然。大震災、台風、津波…恨んでも仕方ない。恨むより再建にエネルギー。スパッとあきらめるDNAに。戦争も自然災害。

これは国際社会にはない。ずっと戦い続けるか、どこかで妥協して土地を分け合うしかない。パレスチナとイスラエルについては、オスロ合意で、2つの国家となったが、双方が、全部たちのものだとなった。イスラエル側は全部ユダヤの土地だ、パレスチナの側は全部アラブのものだとなり、双方がオスロ合意を破った。

ほとんどはパレスチナなのに、ガザとヨルダン川西岸に彼らは封じ込められた。妥協した。しかし、その妥協が許せないというのがハマス。これは永遠に相いれない。水に流すまでは…。それができる日本人は世界最先端かもしれない。

 

●グローバリストvs各国の国民

ウクライナ戦争を起こしたグローバリストが今回も?しかし、今回は彼らの思惑通りいっていないようにみえるが…実は、彼らはイスラエルが勝てばいいと思っていない。紛争の長期化がいちばん儲かる。早く戦争が終わっては困る。ガザにトンネルで地下壕、これでイスラエルが苦しめばいいと思っている。これはウ戦争を長引かせているのと似た構造。

問題は国としてでなく、国を動かしているバック。本当は国民どうしは戦いたくない。双方が自分たちの過激派政権をひきおずりおろしてもらうしかない。国民中心、国民運動にこそ力点を置くべき。軍需産業が医薬メーカーでもよい。パンデミックが長期化すれば儲かる。収まったらウイルスを作り変えて、またワ●ですよと。

解決には国民が立ち上がるしかない。もう殺し合い始まったのでいまは無理だが、時が解決するしかない。日本がジェノサイドを忘れたのは、時間がたったから。第二世代ぐらい平和が続かないと、中東も和解にはならない。

 

●米国がイスラエルを戦争支援する三つの理由

イスラエルを一貫してサポートした大国は世界で一つだけ。米国だ。なぜか。理由が三つある。➀いちばん武器を造っているのが米国の武器メーカー、これが一つ。

②次に、ユダヤ人が一番住んでいたのは米国。欧州で迫害されたユダヤ人が大量に米国に移り、そのまま居座った。イスラエルロビーが結束して投票する。多くは民主党、党の票田であり、資金源でもあるから、イスラエルをサポート。

③米国は宗教国家。日欧は世俗化したが、米国は政教一体であり、キリスト教国家。特にプロテスタント。米国民の3~4割は熱狂的なクリスチャン。宗教票田が日本の何十倍。特に共和党のバックは熱心なクリスチャン。彼らはイスラエルで大きな戦争が起きることを望んでいる。聖書の黙示録では、世界最終戦争でが起きなければならない。ハルマゲドン。そのあと、キリストが現れて、クリスチャンだけを救うという設定。自分たちが救われるためにイスラエルで戦争が起きてほしいと本当に思っているので、かなり厄介。

ガチなクリスチャンを福音派という。ペンス前副大統領もそうだ。米国で毎回、選挙で問題になるのは妊娠中絶を認めるか。赤ちゃんは神の授かりものであり、人間がその命を絶つのは神への反逆。トランプの支持母体にも福音派。トランプに近い流れ。

ロバート・ケネディ・ジュニアとトランプ派は反グローバリズムでは手を組めるが、ここでは組めない。ケネディはリベラル。

要するに、米国がイスラエルを支援するのは、➀軍事利権、②ユダヤロビー、③福音派。

 

●ネオコンとロシア左翼の内ゲバ…トロツキーの世界同時革命

もう一つがネオコンという要素。直訳すると「新しい保守主義者」だが、元は保守ではなく、共産主義であり、左翼。左翼が割れた。レーニンの死後、スターリンとトロツキーが権力闘争。前者はロシア一国で革命。世界同時革命のトロツキーは、ロシア国内で血祭りにあげられ、米国にトロツキー派が逃げた。そこで、ロシア革命とは別の「世界革命」。

その多くはユダヤ系、トロツキーもユダヤ人。祖国がなく国境もない人たち。だから、革命も世界革命だと。ソ連、ロシアを乗っ取ったスターリン派とトロツキー派がずっとバトルをやってきた。トロツキー派は宿敵を倒すために米国という国家を使う。そこで政府に潜り込む。米ソ冷戦とは要するに、スターリン派のソ連とトロツキー派の米国の、左翼の内ゲバだった。

民主党がベトナム戦争にも勝てず、へたってきたので、彼らネオコンは共和党にも潜り込んだ。レーガンが強いアメリカ。ソ連を追い詰めたバックにはネオコンがいた。冷戦終結はネオコンの成功体験だった。自分たちがやりたい世界革命として、米国を道具に使ってソ連をやっつけた。米国を中心とした世界革命に。

次に標的がイラク、フセイン。イラクがクウェートに攻め込んだ。誰が見ても侵略。イラク軍が国境に集結していることを米国として知っていても、イラク問題に関心はないと言って、フセインにやっていいんだと思わせて、侵略さしたらボコボコにした。ブッシュ父政権のときだった。

息子の政権は完全にネオコンが乗っ取っていた。チェイニー副大統領など。911が起こり、民間人の虐殺はアルカイダだ、バックはイラクだとして、アフガン攻撃とイラク戦争に。ネオコンは戦争を繰り返してきた。あれは形を変えた世界革命だった。

 

●ソ連(ロシア)と中東

中東のゴタゴタとは…アラブ急進派の政権は全て、バックにソ連がついた。フセイン、カダフィ、バシールもソ連がバック。ソ連が弱ると彼らも弱る。中東は米ソの代理戦争の歴史だった。

日本人の左翼がアラブ側なのは、日本人の左翼は基本的な反米であり、イスラエルは嫌いという立場だからだ。それと戦うアラブをサポートして、対イスラエルのテロを繰り返した。テルアビブ空港、パレスチナ解放と言って乱射、岡本公三がレバノンで今も生きている。アラブのヒーローとして。重信房子は刑期満了で出て来て帰国。

日本のメディアが元々は過激派が仕切っているから、パレスチナが正しい。それへのカウンターで、読売と産経はイスラエルが正しいと正義ぶっている。産経さんは、戦争の背後の軍需産業の部分については言わない。「ロシアが悪だ」と言わないと、お前は陰謀論者だと言われる。日本保守党と参政党との違いは、背後の部分を語るか語らないか。他の与野党は誰も言わない。

ソ連が崩壊すると、中東が弱り、そこで妥協となって、イスラエルとしては押し切れると考えるようになった。合意をなきものにして…と、ネタニヤフは思っている。しかし、過激派のバックに、ロシアを後ろ盾とするイランがついた。

イランは核兵器を持つ。だから、簡単にいかない。湾岸戦争のときに、もしイラクが核を持っていたら、米国はあんなことができたか?今般、米軍がイラクの核施設攻撃を言い出した。戦争をやりたい正にネオコン。イランはどう出てくる?バックには中国とロシア。

世界大戦に?ただ、福音派も自分たちが死にたいわけではない。世界戦争で中ロのミサイルが飛んできてほしくないから、どこかで妥協する。地域紛争であってほしい。

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●グローバルユダヤとナショナリズムユダヤ

イスラエル軍には今回の戦争はものすごい負担だ。イスラエルから逃げたいと言う国民も多い。徴兵もある。国民には困ったこと。

グローバルユダヤとナショナリズムユダヤ。グローバルユダヤは米国にいて、戦争の背後勢力側にいる。これに対し、イスラエルを作ったのはナショナルユダヤ。シオニスト。

問題は、どこからどこまでがユダヤ国家なのか。もともといたアラブ人にどいてもらった。ユダヤには共存しようとする現実的なシオニストも入れば、全部よこせという勢力もいる。後者は大イスラエル主義。その根拠は聖書に書いてあると。ヤハウェがアブラハムに、エジプトからユーフラテスまでだと示していると。

ネタニヤフ政権には大イスラエル主義者が入って、煽っている。彼らはネオコンが穏健に見えるぐらいヤバい連中だ。

 

 次回その2では、対談後半(ニコニコ会員向け)の内容を掲載します。