グローバル利権と両国の強硬派が起こしたガザ紛争…茂木誠氏との対談(その2)歴史をみる眼を養おう | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

決してアラブとユダヤは宿敵どうしの関係なのではありません。600年のオスマン帝国のもとで両者は仲良く共存していた。それを壊してこんにちの紛争のタネを撒いたのは、いつも「百枚舌」の英国だったわけで、その後、ナチスもあって大量にパレスチナの地にユダヤ人が流入したものだから、お互い「出ていけ」の応酬になった。

ソ連が崩壊してアラブ側が弱り、そこでオスロ合意でこんにちのようなガザ地区やヨルダン川西岸にパレスチナを押し込める形で成立していた和平をぶち壊したのは、強硬派。なんと、ハマスを創ったのはイスラエルであり、現在のガザ紛争も、国民からの支持を得るために強硬派どうしが自作自演でやっているようなもの。それをハマスがテロ集団でイスラエルが正義と言うのか?

 

こう言い切る茂木誠氏との対談、その2で今回ご紹介する後半部分の番組は会員専用でしたので、動画自体は掲載できないため、ここでは、その肝の部分を文章化いたします。

今回の事態でもランドパワー全体主義国の同盟は成立せず、世界は群雄割拠の戦国時代に突入する。イスラエルは核をもっているからイランは参戦しない。米国もそうですが、大国同士は戦争せず、またウクライナのような代理戦争にして武器を売って米国は儲ける。

中国は死んだ李克強のようなグローバリズム勢力とも親和的な賢い人よりも、習近平のようなおバカさんが運営してくれたほうが、勝手に衰退してくれるから安心。世界の多極化を望むプーチンは、ネオコンが支配する米国一極が崩壊するのを待っている。

アラブに石油を依存し、アラブから最も信頼されている日本は、他のキリスト教のG7諸国とは異なる独自の強みを有する国。戦争やめたらカネを出すと言って、米国の武器産業を儲けさせるのか、豊かになるのかの選択肢を示すべき。日本はグローバル利権でも強硬派政権でもなく、戦争で困る国民にこそ寄り添うべし。草の根保守勢力である参政党はアラブと独自のパイプを構築すべきでしょう。

茂木氏と話していると、歴史をみる知恵が次々と出てきます。なるほど…目から鱗を味わっていただくために、ぜひ、このあとの文章をお楽しみください。

 

●オスマン帝国のもとでユダヤとアラブは共存

祖国を失った民族はたくさんある。他国に併合されたり。しかし、ほとんどの民族はあきらめる。アメリカ先住民、コロンブス、そして欧州勢により祖国を失い、奴隷となった。ジェノサイドをやられたが、いま彼らが白人出ていけ、500年前に失った祖国を戻せなどとは言っていない。昔のこと。坂上 田村麻呂は約1,000年前に日本が派遣し、東北、蝦夷という先住民から独立を奪った。いま、日本人出ていけ、蝦夷ランド創るとは言わない。

しかし、ユダヤ人のみが、2,000年前にローマから失わされた祖国を返せと言っている。それはユダヤ人のバックについた国が英国だったから。英国はユダヤ資本のおカネが欲しかった。ロスチャイルド家から英政府がおカネを借りた。祖国を取り戻すことをシオニズムと言う。シオンと言うエルサレムの丘、英国にシオニスト連盟、その会長がウォルター・ロスチャイルド。彼にバルフォア外相がここに国を創ると言ったことから始まった。

これは第一次大戦中のこと。2,000年前にユダヤを追っ払ったローマはもうない。オスマン帝国だった。オスマン帝国は600年続いた。その間に、ずっとユダヤ人がそこにいた。全員が欧州に離散したのではなく、彼らはイスラム教徒とうまく折り合いをつけていた。イスラム教徒のもとでは少し税金を高く払えば、自由だった。決して排他的ではない。オスマン帝国の時にここに紛争はなく、アラブ人とユダヤ人は共存していた。

アラブとユダヤの対立を2,000年前まで遡ってはいけない、トラブったのは、バルフォア宣言から。一神教でも排他的ではない。アッラーは神様という普通名詞、お名前がある。ヤハウェ。ユダヤ教と同じ。兄弟。

 

●英国が壊した共存の秩序…現在の服装なタネは英国が作った

共存の秩序を壊したのは英国。第一次大戦でオスマン帝国は、英国と戦ったドイツ側につき、ドイツの敗戦で共倒れした。オスマン帝国が崩壊して英国軍が入ってきて、ペルシャ湾からインドに抜ける領土を英国はほしかった。それがパレスチナとヨルダンとイラク。パレスチナは英国が作った国。元々は同じオスマン帝国。

英国はアラブに対しては、ここ全体をアラブ国家にすると約束した。まだ油田がなく、破ってもいいかという約束だった。英国はここをそのまま植民地にすると世間体が悪いので、独立は認めます。部族長を王様にして、ヨルダン王、イラク王…を英国が立てた。油田がみつかると、その利益は英国がいただく。名前だけ独立で、実際は英国の支配下の傀儡政権。それをいたるところで。クウェート、バーレーン、カタール…全部、英国が作った傀儡政権。利益を山分けした。中東の国々は、本当は全部アラブ。

この手があったかと学んだ国が大日本帝国。満州を占領して溥儀をかついで満州国を建国。英国の真似をした。満州事件を中国が国際連盟に訴えたら、調査団は英国のリットン。彼はインドの総督代理。多分日本のことがわかるだろうと、日本の新聞は書いたが、これは日本の侵略だ、満州から撤退しろとなった。では、イラクはヨルダンは?英国は昔から二枚舌どころか、百枚舌。一切、未だに謝らない。

 

●アラブとイスラエルの紛争…出ていけ

しかし、ユダヤ人が来てみたら、何もない不毛な地がパレスチナだった。これは無理だと売買して、米国に行き、近代的な生活。パレスチナをスルーして、欧州から米国に。そして米国で金融とメディアを握り、民主党の票田に。

これに対抗しようと共和党は共和党政権のときに、ユダヤ人を入れないという法律を1924年に通した。移民法。日本人も入れない、カリフォルニアで職を奪っていると。それと同じでユダヤ人を。そこで欧州のユダヤ人は行くところを失い、ナチスが出てきて、本当に行き場がなくなり、難民がパレスチナに怒涛のように入ってくる。

数が少なければ別だが、いきなり大量に来たら大変。そこで紛争が始まった。紛争の種をまいたのは英国だった。騒乱状態になったので、英国は逃げた。双方から約束守れと。無責任に逃げて国連に任せ、国連がパレスチナの分割案。これが1947年。

しかし、元々アラブ人はいた。出ていけ、出ていかない。欧州にいたユダヤ人がなぜここに来るんだ、欧州の中で解決せよと、アラブ側が拒否。これに対し、西側もソ連もイスラエル側に賛成した。ユダヤ人を迫害はした国々が賛成。うっとおしいユダヤ人がいなくなるから。

この時の米国がトルーマン大統領。ルーズベルトに比べて人気がなく、大統領選で敗けそうだった。そこに米国のユダヤ人協会の代表が来て、我々は民主党に入れてきたが、今度はまだ決めていない、国連次第だと、トルーマンは賛成だ。米国のこの態度が決めた。

しかし、アラブとしては認められないとして起こった最初の戦争に勝ったのがイスラエルだった。エルサレムを半分取る。ユダヤ人は避難民の群れなのに勝った。武器が英国によって置いて行かれたから。フランス軍にも米国軍にも英国軍にもユダヤ人がいた。その人たちがすぐに作ったのがイスラエル。戦争に長けている。アラブ側は烏合の衆で、慣れておらず、このあと、イスラエルが勝ち続ける。

 

●過激派どうしで一致する利害…ハマスを創ったのはイスラエル

追い詰められたアラブが頼ったのがソ連だった。そのソ連が崩壊し、アラブ側はもう勝てないので妥協しよう。そこでオスロ合意となった。それが、ヨルダン川西岸とガザ地区だけにパレスチナの場所を作りましょうという内容。クリントンが仲介。

 

これで落ち着いたと思いきや、シオニストの過激派が、なぜパレスチナ国家があるのか、パレスチナの過激派が、なぜイスラエルがあるのか、と、お互い約束を破る。

強硬派どうしは利害が一致する、和平は困る。自分たちが国民の支持を得るには、敵が侵略するんだ、ということにしないとならない。現に、ハマスを作ったのはイスラエルだった。それまではパレスチナの代表はPLOであり、アラファト。それを抑えるためにイスラエルのモサドが作ったのがハマスだった。根っこは一緒。自作自演。それを、ハマスだけがテロリストで、イスラエルは正義だと言うのか?

 

ランドパワー同盟は成立しない…イランは参戦しないだろう

ヒズボラをも応援するイラン、そしてロシアと北朝鮮と中国…全体主義のランドパー同盟になる?しかし、ランドパワーはお互いに敵であり、特に隣国はそう。今は共通の敵である米国がいるからまとまっているが、どうせ、また割れる。BRICsでもまとまらない。

世界はこれすら戦国時代、群雄割拠の時代に入る。米国は直接介入する力はない。せいぜい武器を売って儲けるだけ。イスラエルは最終的に、ウクライナのように、米国に見捨てられる。

トランプ派は国家共存。パレスチナの仲間のアラブとイスラエルを結ぼうとした。もう少しでサウジとの結合だった。そうした和解の手段として、共通の敵はイランだ、とした。イランとアラブは微妙な関係にある。シーア派。イランの台頭をアラブ、特にサウジは恐れている。あえてイランを悪者にして、サウジとイスラエルを結びつけたのがトランプ。

イランは直接参戦しないだろう。イスラエルが核を持っているからだ。撃ち込まれる。せいぜいハマスやヒズボラを裏から支える。大国同士が直接ではなく、代理戦争にまたなり、儲けるのは利権。核保有国同士は戦争をしません。

中国やロシアはどう出てくる?

この機に習近平はどう出てくる?また煽っているのでは?そうなると、日本は武器を買う。米国軍事利権にとって良いお得意。この点で、米中は利害が一一致。習近平は、日本の再軍備の脅威だと言って国内を締め付け、中国が脅威だと言って米側は軍事利権が潤う。

では、独裁体制で習近平の中国はガタガタになるのか?李克強が死んだ。中共の中ではグローバル勢力の代表だった。なぜあんな形で?暗殺までいかなくても、病気治療をあえてさせない、いろんな手がある。医師団に手をまわして。李克強は、習近平に対抗しうる唯一の指導者だった。ただ、李克強のようなスマートで賢くウォール街とつながる指導者のほうが怖い。米国からの投資再開で入るカネが軍備に回る。我々は鄧小平に騙されてきた。それより、習近平のようなおバカさんのほうが安心できる。彼がグローバリストを蹴ってくれればよい。李克強なら、日本国内の親中派が元気になってしまう。

では、ロシアは?プーチンは多極化したい。米国ネオコン的一国支配を潰したい。パレスチナ紛争が長引いて突っ込んでいってネオコンが崩壊するのを待っている。ロシアがウクライナ戦争をだらだらと長引かせて疲弊させているのと似ている。

一時的にネタニヤフは国内が固まってよかったが、長期的にはイスラエルは危ない。

 

日本には他のG7諸国とは異なる独自の立場と強みがある

日本にとっては石油を依存する地域だ。この点が他のG7諸国とは違う。中東でほとんど悪事をやっていない西側の国は日本だけ。アラブでは日本に対する大変な信頼感。イスラエル支援に日本が回ることに反対する。本来なら、日本は独自外交ができる。

その時に日本がよって立つ基盤は、無辜の民を殺してはならないという根本理念。しかし、これだけでは現実は動かないので、やはり利益で。戦争をしている間は助けないが、終わったら資金を出す。米国の武器メーカーを儲からせるのか、日本からの投資で潤うか。どちらを選択するのかと迫るべき。

日本はユダヤキリスト教ではないので、どっちが正義かではなく、一歩引いてみられる稀有な国。他のG7はみんなキリスト教の国だ。その立ち位置を大切にすべきだ。グローバリズムこそが我々とは逆の立場だということを旗幟鮮明にすべき。

アラブの春は起きるか?あれもかなり怪しい。どこも親ロ派政権の国ばかりで、親米政権の国では起こらなかった。あれは何?

英国のBBCがやたらパレスチナ側に立った報道をしている。ウクライナ頑張れと言ったBBCが。もしかすると、米欧の亀裂の始まりか?欧州が大量のイスラム系移民を抱えているからか。ほとんどの欧州の国々はウクライナ支援から抜けたいのが本音だ。欧州はしたたかに両軸。最後まで日本だけがワンワンと。日本のお笑い保守論壇もそうだ。。

グローバリストは両建てでやる。戦わせて両方から利益。それを見抜くことが重要。見抜けないのは日本人の利点でもあるが、国際的に通用しない。だから、外との付き合いではずるさが必要。そのためにも、我々の軸足はちゃんと持たねばならない。

参政党はアラブとのコネクションがあったほうがいい。穏健なアラブ人がほとんど。虐げられているのは国民だ。